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2007/4/13 The true meaning "correspondence ignoring":IRAN 船舶の臨検をしていてイラン側に拿捕された英国軍兵士は結果的に何事もなく釈放された訳ですが(その後の謝礼を貰ってメディアに露出する云々の是非はともかく)、やはり僕が問題視したいのは「反撃云々」を無責任に表明する自称(メディア・イベント視聴者でしかない)保守派の論調な訳です。
(まぁ~、そうした論調が体制に影響を与えるとも思いませんし逆に政治的、外交的に利用される程度ではあるかも知れませんが・・・苦笑)
今回のイランによる”英国兵士の拿捕事件”に関して穿った見方をするならば・・・
っと考えられなくも無い訳です。
保守派さんの中には「”拿捕した時点”でそれは戦争行為であるが故に国際法以前の問題だ!」等と世迷言を言い出す方もいるようですが、実はこうした屁理屈はイスラム原理主義テロ組織の屁理屈と何も変わらない。
(中にはわざわざWWIIでの旧日本軍による真珠湾奇襲を上げる等は、イスラム側が非イスラム側を非難する際に論難する15世紀のイスラムに対する迫害理由と、何も変わらない訳で、早い話がそうした話題自体がナンセンス以外の何モノでもない・・・
UNは何の為にあるのか?というだけで:UNが役に立つ立たないはともかく:その”理念”は特に非イスラム側には共有されているはずであり又:解決はされていないが:同時に国家主権も共有されている・・・)
ましてや「国際法云々以前の問題だ」等と非イスラム側が主張することは、非イスラム側の社会秩序そのものを否定してしまう以外の何モノでもない。
(イスラム側は:特に原理主義者達は:イスラムこそが絶対の正義であるが故に非イスラム側の法律や理念等に従う必要も、知る必要も無い、っという理屈なのですから)
英国側が、イランとの戦端を開くキッカケを”わざと”作り出す為にある種の挑発作戦を実施する必要は更々ありませんので(正確な時期は失念しましたが、以前、英国の哨戒艇がやはりイラン拿捕されるという事件が発生している)英国側からすると今回のは全くの”事故”だったと考えられます。
(臨検行動地域の索敵がしっかり実施されていたか?支援体制はどうだったか?等はちょっと怪しいんですが・・・)
余談ですが(笑)、国家主権の軍事組織が拿捕されたっと言いながら、その国家主権を尊重されなければならない他国(この場合は英国ですが)にイラン軍と「一戦交えないとは何事かぁ!」等と他国の人間が悶着付けること自体が矛盾している(ははは)。
そうしたことはともかく、何度かこのブログでも取り上げているように「非対称戦闘」等の意味を全く理解していないTV的強行保守が多過ぎる・・・・(ヤレヤレ)
非対称戦(闘)という状況は恒常的に米英側に有利に働く・・・等という呆けた状態である訳がない。
簡単に言うと「多勢に無勢」の状態になった場合、その全てが非対称戦(闘)であり、敵味方等の区別等成立しないは自明な訳です。
降伏するとかしないとか言うことも実はこうした状況には何も関係が無い・・・・旧日本陸軍は嫌と言う程経験している訳で。。。物量作戦とは、相手(敵方)の火力ではどうやっても反撃、攻撃出来ない圧倒的な火力で敵方を撃滅することでしかない。
(湾岸戦争の際の地上戦:戦車戦:もほぼ同様の状態だった訳ですが・・・故に連合軍側のイラク兵捕虜の数は予想をはるかに超えるモノになった)
大規模な戦闘行動でなくても(今回の拿捕事件のように)、イラン側の陣容が英国軍側をはるかに上回っていて、遮蔽物も何も無い(当然、海上な訳ですから)状況では包囲されてしまった場合も非対称な状況であり、そうした状態で反撃(戦闘)行動を実施することは
単なる自殺行為であり・・・極端な場合、イラン側は包囲した英国軍兵士を全員殺戮して「そんな事件はなかった、知らない」っと強弁することだって可能だった。
(若干、無理があるかも知れませんけどね・・・でも索敵支援が不十分だったとすると分からない)
つまり、15名の英国軍兵士が全員死亡していた場合、非イスラム側の証人が誰も居ない・・・どういう経緯、状況でそうした事件が発生したのかを誰も明らかに出来ない:死人に口無し、ですから:。
(仮に英国軍が15名もの損害を出した場合、その責任問題:回避行動がなぜ採れなかった?等も含めて:が英国国内で大問題になってしまう、故に挑発行為的な作戦を英国軍が採用した所で何の益も無い)
戦闘行為(combat, battle)とはそもそもどういった状況なのか?を理解しておく必要があるのですが(詳細はリンク内容を参照して下さい)、誤解を恐れずに非常に単純化した表現を使用するならば
相互に且明確に敵対行動をする意思を持った存在とその具体的な軍事行動の存在
なくしては、戦闘行為自体が成立等しないのです。
上記で述べた「圧倒的な火力で敵方に反撃の機会も与えない攻撃」も実は戦闘行為等と呼べたモノではない(何せ敵方は逃げるか動けないかの何れかですから)ですし、今回のように「多勢に無勢で敵方を包囲してしまった結果、包囲された側が戦意を喪失したか
初めから交戦の意思が無い状態」の場合も同様に戦闘行為が成立しないのです。
そうした状況になったにも係らず、仮に優勢な側が更に攻撃を実施した場合、その行為は「(無抵抗な又は抵抗出来る状態に無い人間を)虐殺した」ことに他ならなくなってしまう。
しかし、今回イラン側は(悪名高き:笑)革命防衛隊であっても、抵抗の意思を示さない兵員を殺戮することはなかった。
つまり、非イスラム側の国際法なるモノを遵守して見せた(イスラムの慈悲と寛容だ!という理屈も成立するにはしますが)。
それも拿捕容疑はあくまでも「国家主権の元の正当な権利でもある”領海”を侵犯した」という全うな理由でしかないばかりか、(何度も言うように)現在、イランと米英は国際社会が認めた戦争状態にある訳でも、英国議会が米国と同様に国内法の解釈から
イランと戦争状態にある、っと認めている訳でもない状況では(早い話がイランと米英の状況は”平時”)、領海侵犯した”不審船”を拿捕するのはその領海を主張する国家主権の側にこそ正当性がある・・・っと国際社会は認めている。(因みにイランはUNから脱退等していない)
実際、自国領海を侵犯した不審船に対して武力行使を行うことはその国家主権の正当な権利であることは日本でさえも実際に証明している訳で・・・
っとまぁ、旧宗主国であろうがなかろうが既に正式な主権を持った他国の領海近くの公海であったにせよ、実際に領海内であったにせよ、英国の領土、領海ではない他国の権益が最も影響する地域で国連制裁決議の名の下に
軍事組織が何らかの作戦行動を採っていた訳ですから、米英と具体的な交戦状態に無いイランの方に実は分がある。
単純に(メディア・イベントとして)溜飲を下げたいだけでイランをぶん殴る”口実”を目を皿にして探しているようなTV的強行保守派の理屈は何の足しにもならないばかりか、そんな支離滅裂なイスラム原理主義テロ組織と同じような屁理屈を振り回していると
あの阿呆なアフマデネジェァドにさえ「イスラム・イランは無抵抗の者を例えそれが兵士であろうが殺戮等という野蛮なことはしないのだ!」等と言うイスラムの正統性を証明する口実に使われてしまう可能性すら持っている・・・
(そんなことも分からんかなぁ?非イスラム側の国際社会秩序を護る為の国際法や民主主義等と同様かそれ以上にイスラム側のイスラム教に基づいた社会秩序維持概念が存在することを証明して見せる結果になってしまう・・・仮に英国軍兵士が反撃等という馬鹿な真似をしていたら)
故に、相手がどんな観念論や感情論を従えた一見正しい理屈に聞こえる屁理屈を喚こうが、非イスラム側は一貫して国際社会秩序を維持する為の理屈のみで対応する(故に議論は最後迄噛み合わなくなるが・・・)ことで
イスラム教という宗教概念を無視することが出来、価値観や文化の衝突等と言う馬鹿げた状態から抜け出せるのです。
(非イスラム側が一貫して国際法等に依拠するということは必然的に、非イスラム側国家もその制約を受け入れざる得ない訳ですが・・・そこは現ブッシュ大統領が行ったように国内法や国家主権という存在から先制攻撃権もある、っと言い抜けられる訳ですが・・・)
因みに非イスラム側の論調で「(改革)穏健派は支持する」というモノがありますが・・・・実はイスラム側からすると誠に妙な話でしかない、っと言うか「イスラムを知らない証拠」でしかない。
原理主義派と穏健派の信奉する宗教は”別の”イスラム教でも何でもない。
たった1つの「イスラム教」の単に解釈が違うだけの話で、いわゆるイスラム教内での宗派対立であっても、どれだけ多くのムスリムがその解釈を信奉するか?でしかない(故にただの権力闘争でしかない)。
イスラム側からすると、非イスラム側が言う「穏健派は支持するが原理主義派は否定する」それこそ論理矛盾したモノの最たるモノでしかない。
なので、イスラム教の教義解釈等非イスラム側からしたらどうでもいいことであり、そんなことは勝手にアンタらの内部で喧々諤々やっていればいいんであって、コッチが交渉の話題にしているのは非イスラム側の大多数が認めている国際社会秩序維持の為の理屈としてのルールを
イスラム側が遵守するのかしないのか、というだけのことでしかない・・・・という姿勢を維持し続けることなのです。
UNの成立意義は「無用な残酷な戦乱を回避する」ことでありその理念は冒頭でも述べたように誰もが許容出来るはずのモノです。
しかし、残念なことに現段階ではそのUNの理念と”国家主権”と非イスラム側が認める”国際社会とその秩序維持”は必ずしも肝心の「国際社会」全体が認めたモノではないことです。
例えそうであっても非イスラム側の基本原則は「政教分離」であり「自由・民主主義」ということになっていて、何人も強要することもされることもない、ことになっています。
そして、それは最善ではなくても最良ではあるだろうことも理解して、人間の尊厳を護る唯一のモノであるとも(多分)理解されている(はず)。
そうした国際社会とその秩序維持を脅かす存在には、躊躇無く断固として圧倒的な処置を下す”覚悟”と”責任”をその国際社会なるモノを構成する全ての人間が持っている・・・・っと果たして断言出来るのでしょうか?
為政者だけに責任や覚悟が必要な訳は決してないと僕は考えます(何せ、民主主義なのですからその為政者を選出したのはその国民のはずです)。
何の為に現代の我々は「軍事力」というモノを保有しているのか?そうした破壊しか生まない力を保有しながらUNという理念を掲げているのか?
WWII終了後の国家主権に於ける政権の基本的な役割は「戦争を決断して実行する役割」は縮小したはずなのです(そう期待したい)。
半端な軍事行動・・・・なるものはそれこそUNのPKFが世界各地の紛争地域で証明していますし、イラクでの米軍も証明してしまっている。
(逆に意志強固な自爆型のテロリストは例えグリーンゾーンであってもそのテロ実行出来ることをつい最近証明してしまっている・・・・つまり、如何にそうしたテロ行為を阻止することが難しいか、という証明でもある)
軍事力を行使するからには相当な覚悟と責任を持って、非対称戦争に一気に持ち込むしか実はその力を有効に利用するしか無いのが本当だと思いますが・・・
2007/2/28 A True victory in the Iraqi War.-4:A realistic scenario of international politics-Iran このシリーズの最終として、”米国のイラン攻撃の可能性”を考えてみます。
そんな不自然で割に合わないことをするはずも起こすはずも無い(だろう)・・・っという西欧型解釈的な思い込みを捨ててしまえば、国際政治に於ける少なくとも現実的な一端が見えてくるかも知れません。
このブログでも何度か触れているように、米国内に未だに在イラン米国大使館人質事件(Iran hostage crisis(1979))のトラウマを引きずり、Islamic Republic of Iranに対する無条件な生理的嫌悪感を持ち如何なる外交ルートも途絶したまま、っとするなら
イランへの軍事攻撃は、(通常兵器に固執した場合)米同盟関係国の総力を結集した攻撃(相当な損耗が双方に予想される)か、戦略核兵器の使用でしか”勝ち目”を期待するすることが出来ない・・・というのが最も客観的な見解なのは間違いがありません。
(通常兵器の使用では必ず総力戦になってしまうのは、完全にイスラム教対非イスラム教という価値観同士の衝突に発展するからですが・・・)
しかし、この論旨は「ルートが無い(途絶したまま)」、「(お互いに)嫌悪感がある」等の”前提条件”が確実に存在している場合に”のみ”成立するモノであるのも確かなのです。
(前提条件が存在する限り、その論は国際政治於いては”楽観的な妄想”でしかなく、ましてや冷戦終結後の”どうやってもイデオロギー的に相互理解が不可能”な価値観同士では、無理にイデオロギー的な解釈に固執するよりも現実主義に徹してしまった方が双方にとっても
問題解決が早くなるのは自明なのではないか、っということですが・・・)
仮にGeorge Walker Bush (the 43rd and current president of the United States)(政権)がそうしたトラウマ等が無く徹底したPragmatismによって「中東地域の新秩序再編成による米国の国益確保」を考えていると、した場合、イラン攻撃の可能性は
限りなく高くなるのはほぼ間違いがなくなる(かも知れない)・・・っと考えられるのでそのシナリオを以下で。。。
01. イラクとイランの決定的な違い
イラクへ地上軍を侵攻させた際の米国の大きな誤算の一つは(前の記事でも述べているように)、イラク国内に「反フセイン勢力」が明確に存在していなかった為に、米軍が全く軍事行動とは畑違いの「ゼロからの受け皿作り」に迄介入せざる得なくなってしまった、のですが
イランに関してはAkbar Hashemi Rafsanjani (Persian: اکبر هاشمی رفسنجانی Akbar Hāshemī Rafanjānī), Hashemi Bahramani (هاشمی بهرمانی)やMohammad Khatami (Persian : سید محمد خاتمی Seyyed Moḥammad Khātamī)を筆頭にした”改革穏健派”と称される
明確な政治勢力が存在していることです。
(つまり、地上軍を侵攻させる必要性がそもそもイランにはイラク程高くない(・・・ちょっと甘いかなぁ?)という現状があることです)
更に、彼ら改革穏健派はイスラム教教義の現世に於ける政治へのプラグマティックな変換と運用に関する現実的な意味でのイスラム教の限界を自らが認識していることも明らかです。
(アフマディネジャドが大統領に選出されてしまったことやそれがいわゆる国民投票の結果であったこと等や何かにつけて宗教評議会が裁可が必要であったり、介入があるがそれが現世での国内政治が抱える問題を具体的に解決出来ない等の現状認識がある)
しかし、残念なことに改革穏健派がパーレビー体制を倒したような同種の手法で、いわば「第二次イラン・イスラム革命」を起こせる可能性は非常に低いのも事実だと考えます。
(イラン・イスラム共和国軍:The Islamic Republic of Iran regular forcesとイスラム革命防衛隊(パースダラーネ・エンゲラーべ・エスラーミー):IslamicRevolutionary Guards Corpsという2種類の軍事組織の力関係等からも・・・)
こうしたイランの国内情勢が抱える現実から、このシナリオはスタートします。
02. イラン改革穏健派と米国政府の相互利益
発端はハタミ前大統領の06年に実現した米国訪問から本格的な交渉が始まったのではないか?っと考えます(Seyyed Mohammad Khatami in U.S.A. (2006/09/05))。
当時、米国政府との”直接交渉(接触)”が公式に(メディアに暴露される、という意味で)無かった、としても仲介者等による交渉は可能だったと考えるのが自然な訳ですが、その際に現実主義のハタミが米国に対して次のような提案を行ったとしても決して不思議ではありません。
等です。
つまり、改革穏健派の共通認識として(他の中東イスラム教国の全てが抱えている問題とその解決方法と同様に:現在のイラクでも事情は同じだと考えますが)イスラム教教義による現世での現実的な国家運営には限界が存在し、現体制を抜本から変換するには既に外部からの介入しか無く
その介入を実行可能な存在は米国しか存在しないのだが、異教徒である米国支配になってしまっては如何に改革穏健派と言えども、軍事介入による一時的な混乱で終わらせることは難しい・・・が故に、改革穏健派が宗教評議会と保守派に気取られることなく
国内の地盤(勢力)を自派に引き込み、保守派政権崩壊後速やかに政権掌握を実施出来る環境が整ってからにして貰いたい、っということです。
このような提案内容は米国にとっても渡りに船のモノなのは明らかです。
なぜなら、米国にしてみると(前の記事で述べているように)米国政府との交渉でお互いの発言内容が理解出来る限り、相手の国家体制がどのようなモノであろうとも決定的な問題にはならない訳ですから、現在のイランで話が出来る存在は
改革穏健派しか無いのも明らかですし、イラク侵攻で問題になっている”受け皿の無さ”を心配する必要もありません。
更に、湾岸戦争当時、”イラクからイランへ脱出した戦闘機をイラン側がイラクに使用させなかった”っといういわば一種の「借り」がありますので、その借りを恩義として、ハタミら改革穏健派の提案を了承することは”当時の恩義に報いる”という
中東イスラム教圏の観念と上手くマッチさせることも可能にもなります(掃いて捨てる程の専門家を抱えている米国政府がそんなことも理解出来ない訳がない)。
Note:
恩を売る・・・という解釈は妥当ではありません。
自力では抜本的な改革が出来ないことはアラブ人、ペルシャ人に関係なく身に染みて分かり切った話ですし、改革穏健派にした所で、あからさまに米国へ保守派打倒の要請を行ったことが暴露されてしまってはイラン国内で信用を失ってしまいますし、
一般国民にした所でイスラム教国とイスラム教徒が異教徒から恩を売られる等、とんでもない話で自尊心(しか無い)を著しく損なうことになってしまいます。
当然、この提案内容からすると、米軍の強化型通常爆弾による精密誘導空爆”だけ”に限定されますので、改革穏健派と協調した共和国軍は攻撃完了後(保守派陣営の崩壊後)迅速に”治安回復”名目で首都テヘランをはじめとする主要都市を制圧し
革命防衛隊の残存兵力掃討、武装解除を実施しなくてはハタミらが考える速やかな政権移譲は実現しませんが、米国の本音としてはその段階の問題は米国が責任を負える話ではないので(彼らに任せるイランの国内問題ですから)混乱を最小限に抑える為にも
改革穏健派の国内勢力の取り纏めの結果いかんになる訳です。
このシナリオでは米国は国際社会(リベラルな市民社会)からは”悪玉”として非難されることになるでしょうが、米国型の理屈からすると、敵対的で扇情的な言動を止めず再三に渡る国際社会からの説得や決議等を無視するアフマデネジャドと宗教評議会を
(イラク復興の阻害要因として)排除したに過ぎない・・・っと強弁することは。。。まぁ、出来ます。実際、最近のイラクでのイランのイラク復興を阻害する工作説の大量な噴出は、イラン攻撃の為の環境作りに懸命な作業が行われている証なのでしょう・・・・苦笑)
Memo:
上記Noteでも述べていますが、改革穏健派にしてみると、イランの一般国民感情を考慮する立場を限定的な米軍の攻撃(その結果が保守派の崩壊が目的であるにせよ)によって瓦解したイランの政治体制を回復する・・・っという大義名分が(政権掌握が迅速に成功さえすれば)成立することになり
改革穏健派による米国との停戦交渉(当初は攻撃への非難という形ですが)やら、共和国軍の保守派制圧を目的とした主要都市配備体制から米地上軍の侵攻を食い止めることに成功し、異教徒の攻撃からイスラム体制を護り切った!っと一般国民を納得させる十分な証拠になります。
イランへの米軍による(現体制の崩壊だけを狙った)限定的な軍事攻撃は、イランの改革穏健派にとっても、その後の新生イラクを中心とした中東新秩序の再編成という米国の利益にも十分叶う可能性が出て来る訳です。
03. 周辺諸国の対応
この米軍による”限定的な攻撃”に米国がイスラエルを参加させるシナリオ等は米国自身にとってもイスラエルにとっても「悪夢のシナリオ」にしかなりませんから、イスラエルはあくまでもレバノン南部に居座るヒズボラの封じ込め作戦と陽動作戦だけを受け持つことになるのは明らかです。
(大体、イスラエルを参加させることは米国の中東新秩序再編成という国益には反してしまうからです)
こうしたイスラエルの役割を明確にする事態が既レバノン南部で起こり始めている・・・確かそんな報道があったと思いますが。。。
(前回のイスラエル兵拉致事件に対するヒズボラ掃討作戦でのイスラエルの情けなさには米国側からの失望はかなり大きかったろうとは思いますが・・・)
レバノン政府は、この事態を(米軍のイラン攻撃、イスラエルのヒズボラ再掃討作戦)黙認するだけで十分だと考えられますが、米国は敢えてレバノン政府、ヨルダン政府、シリア政府等にイラン攻撃の作戦内容を通告することはしないでしょう。
(ヨルダン政府の基本的なサイバル戦略としては、イスラエルが米国の構想する中東新秩序に組み込まれない限り、国家としてのプレゼンスを確保出来る方法がないからですが・・・)
なぜなら、単純に「知らなかった事に嘘をつく必要が無い」訳ですし(ヒズボラ自身がレバノン内部の政治勢力であることを認めているが故に)、レバノン国内の一地方で対イスラエルというスローガンを掲げた一武装勢力という位置づけを明確に出来ることに加えて
旧フセイン時代からイラクの衛星国家的な存在だったヨルダンにしてみると、イラクの治安が回復して親米のイラクが誕生して米国が想定する中東新秩序構想の中で
シリア
イラン-イラク<-ヨルダン-イスラエル->地中海(欧州)-米国・・
レバノン
という構造の中に組み入れられる方が余程メリットが大きいからです。
イスラエル自身も、中東地域での(強国)大国的なプレゼンスの確保等にはそう興味がある訳ではなく、生存の永続的な確保と中東経済圏のイニシアティヴを握ることの方によりプライオリティを感じているのは明らかで、中東新秩序構想はイスラエル-パレスチナ問題を
この地域で一気に縮減出来る願っても無い事態だと考えます。
Memo:
米国主導のグローバル経済圏への中東の出入り口として新生イラクを中心とした新秩序に参加出来る可能性を持つのはイスラエル、ヨルダン、イランであり、ハマス(パレスチナ)、ヒズボラ(レバノン)は完全にスポイルされることになり、
非民主的で旧態然としたエジプト、サウジも威信も低下するのは間違いがありません。
新生イラクとしても上記の関係性が、湾岸戦争以前の”正常な状態”と理解出来ます。
米国の全面支援による親米の民主的イスラム教国としての新生イラクとペルシャ人の穏健なイスラム民主主義を採用した新生イランの”共存”はそんなに難しいことではないのも明らかです。
なぜなら、イラクを構成するのはアラブ人としてのイラク人(国籍)でありシーア派人口は約6割であることに加えて、旧フセイン政権時代に弾圧の危機に晒されていたシーア派指導者の多くがイランへ亡命してた経緯があり、シーア派としてのイランとのパイプはどのアラブ諸国よりも抜きん出ているからです。
04. パラダイム・シフトと壮大な情報戦の実施
イラクの治安回復にとって重要な要素の一つがイランであるなら、そのイランとの関係修復迄も米国や米軍が担う必要性等全くなく、アラブ人(イラク人)シーア派に任せれば済む話のはずなのです。
(イランがイラクの治安回復と復興を阻害しているから何が何でも敵対する必要性等実は何処にも存在しないのですから、逆に関係性を大いに利用することが出来るはずなのです(いわゆる、パラダイムシフトですね)。
イラク国内のシーア派の動向を述べる前に、国際社会の動きを概観してみましょう。
2月22日9時0分配信 時事通信
ブレア首相は、イラク駐留英軍部隊の段階的撤退を発表。駐留部隊約7100人のうち、第1陣として数カ月以内に1600人を撤退させる方針
(イラク・バスラの英軍基地で2004年12月21日撮影)(AFP=時事)
2月22日12時57分配信 毎日新聞
デンマーク政府は21日、イラク駐留英軍の削減に伴い、英軍指揮下でバスラに展開するデンマーク軍460人を8月までに撤退させると発表した。
1月25日8時1分配信 産経新聞
久間章生防衛相は24日、日本記者クラブで記者会見し、米国がイラクの大量破壊兵器開発を理由としてイラク戦争に踏み切ったことについて「核兵器がさもあるかのような状況でブッシュ米大統領は踏み切ったのだろうと思うが、その判断が間違っていた」とし、開戦の判断を批判した。イラク戦後の統治についても「後をどうやってうまく処理するかの処方箋(せん)が(米国には)ないままだった」と述べた。
安倍晋三内閣は米国のイラク戦争を支持しており、久間氏の発言はこれに反する。だが、安倍首相は24日夕、首相官邸で記者団に対し、「(閣内不一致には)当たらない。(久間氏は)感想を述べたのだろう。イラク戦争の評価、復興支援は内閣として一致した考え方を持っている」と述べ、今回の久間氏の発言は個人的な見解だと受け止める姿勢を示した。塩崎恭久官房長官も同日午後の記者会見で「政治家として久間防衛相が話した」と述べ、問題視しない考えを示した。
久間氏は会見の中で、自衛隊のイラク派遣の根拠法となっているイラク復興支援特別措置法が7月末に期限切れとなることについては、「米国が増派を決定したから(自衛隊派遣を)引き続きやるという短絡ではなく、復興のため何ができるのか、自衛隊でないとできないのかを総合的に判断して結論を出す。必要なら(派遣期間を)延長すればいいし、民間に任せるのならそれでもいい」と述べた。
なぜ、今頃になって米同盟諸国(特に英国と多分、豪州、韓国もだったと思いますが)のイラクからの撤退スケジュールの発表や日本の久間防衛大臣(麻生外務大臣も”手法が幼稚だ”発言をした)等の米国批判とも受け取れるモノがなされるのか?は
米国による「イラン改革穏健派による第二次イラン・イスラム革命を支援する為の(現政権崩壊だけを狙った)限定イラン攻撃」を成功させる上で、米同盟関係にヒビが入り始めたどころか分裂し始めたことをイラン側(保守派)に強く印象付けることによって
米国単独(連合軍:大規模な侵攻:を編成することが出来なくなったという印象)によるイラン攻撃はあり得ない・・・っと保守派に思わせる壮大な情報戦の一部と考えることが可能ではないかと考えます。
(イランの改革穏健派が国内で同調する勢力を纏める工作が作戦実行前に保守派に露呈してしまっては全てが台無しになってしまいます)
この情報戦では、作為的な発言や虚偽のスケジュールである必要は全くなく、閣僚個人の本心であったり、各国の国内事情からの撤退計画の発表である方が、同盟関係国として利害が一致している限り、真実であるが故にその対イランへの情報作戦効果は絶大なモノになります。
イラン攻撃が(イラク復興への妨害工作への)単なる懲罰攻撃であるなら、西欧的道義や大儀等が見出せないとして(常識的には事実ではありますが)米同盟関係国や国際社会から賛同が得られないとしても、その事実はイラン側に米国の単独攻撃は不可能であることを
確信させる強力な理由となるのです・・・・つまり、イラン国内のの改革穏健派は安全に事を運べる可能性が高くなる。
すなわち、米同盟関係国の対イラク政策とイラン攻撃に対する不協和音の増大はイラン側(保守派)を大いに油断させる材料になるのです。
油断している相手を叩くのはそう難しい作戦ではなくなる上に、効果も大きくなるので閉塞状態にあって自力で保守派を退陣(崩壊)させられない改革穏健派に政権を移譲させる為の武力介入のレベルは極大(地上軍による総力戦/戦略核兵器)である必要は
(ほとんど)無くなってしまう・・・という判断をしても全く不思議ではありません。
つまり、イラク政策とイラン攻撃オプションに対する批判が高まれば高まる程、イラン攻撃の可能性は高くなる・・・ということに他ならない訳ですが、この逆の(カカシさんのブログ等のように)いわゆるイラク国内でのイランの工作に関する確かな物的証拠が
無いにも係らず、イランの革命防衛軍がイラク復興を妨害している(らしい)からイランを攻撃しろ!っと単純化した論調を張る保守派(タカ派ではありませんよ、あくまでも)の行動も結果としてはイラン攻撃を実施する訳ですから大勢に影響があるはずがない・・・・っということです。
それではイラク国内のシーア派の動きを中心に最近のイラク情勢をみてみますと・・・・
サドルの行方が不明でイランへ出国したとか、イランから帰国したシーア派の指導者を誤認拘束した等言うニュースも、イラク人シーア派の役割がこれ迄のような首相の支持基盤等からのセコイ権力闘争勢力としてのモノから
かなりイラク全体(将来)を鳥瞰する役割に変更された結果ではないか?っとも考えられます。
Note:
何度も此処で述べているように、如何に阿呆なサドルであっても、彼らの基本的なアイデンティティはイラク人であることに代わりがないのです。
更に、サドルがイランへ亡命したとして、その身分はどうなるのか?という問題をそのことだけでは何も解決しないのです。
つまり、イラク国籍を捨てて、下手をすれば何の保証も権利も持たない難民的な存在になるのか?それともイラク国籍を捨ててイラン国籍になるのか?(にせよ、ペルシャ人になることは出来ない)の非常にマイナスな側面しかないない選択肢だけの境遇を
あれだけ権力争いに固執していた人間が名誉も何も無く、地域の二大大国として共存する道を選び経済的な反映を手に入れる可能性が高くなった祖国を横からただ指を咥えて見ているだけ・・・・等という境遇を選択する訳がないということです。
イラクのシーア派はそれ迄(旧フセイン体制下では)抑圧された被支配者という立場から政治参加が可能になったにも係らず、政治や行政に関する素人であるが故に有効な利権を確保出来ないまま(良く言えば、新生イラクの復興に積極的に関与出来ない立場)だったのを
イランの(改革穏健派)シーア派との共存の為の積極的な外交関係を樹立する為の存在となれる(この立場で得られる利権の方がはるかに大きく、評価も高い故に十分に名誉欲も満足させられる・・・ははは)。
しかし、この立場では身勝手で突飛なことは出来る訳もありません、なぜなら、改革穏健派が支配した新生イラクの誕生と親米政策を採る新生イラク政府双方が米国に大きな借りがありますから、サドルとマハディ軍程度が対米ジハードを宣揚しようものなら
(イラン国内であるなら)改革穏健派から米国のより大きな介入を誘発させてしまうような不安定要素は強力に排除しようとする動きに飲み込まれてしまうでしょうし、イラク国内でなら、サドル等のシーア派の支持等を首相府は必要としなくなるのですから、自動的に
反体制武装集団としての掃討の対象になってしまうのは自明なのです。
どうすれば、自分達が生き残れるか?を考えること程度は如何にサドルでも理解することは可能でしょう・・・・
以上のようにこのシナリオでは、米国政府(ブッシュ大統領)はとんでもない大博打に打って出るようなものですが、イラク侵攻自体が大博打だったのですから、今更このシナリオを現実主義であるならば乗らない手はないのも確かだと考えますし
ベーカー流の現実主義を採用するならば、米国の単独イラン攻撃の結果責任をブッシュ政権は残りの任期でとる必要も無い・・・・それ以上に、民主党の大統領が選出された場合、中東イスラム教国が最も信用してない(が故に言うことを聞かない可能性の高い)
民主党の大統領と議会が新生イランと新生イラクへの対応と責任を迫られることになる(・・・・)。
この大博打が成功した場合、イスラエルに問答無用で肩入れしていた民主党の影響がイスラエル自身から排除される可能性すら出て来てしまう。。。
国際政治という領域で現実主義を採用してしまうと・・・・軍事介入することが相互利益に叶う・・・というリベラルな市民社会からするととんでもない結論に行き着いてしまう訳でして・・・・(あははは)
大体、チェイニーが何をしに日本をはじめとするアジア、中東地域を訪問しているのか?なのです。
因みに、この大博打が成功した場合、
ことを証明してしまう可能性が高くなるのですが・・・・周辺のアラブ諸国にとっては非常に悩ましい事態であるのは間違いがありません。
なぜなら、(ブッシュ大統領の在任期間中であれば)「次は、お前か?」と指差される事態にだけはなりたくないはずですから・・・・結果、米国の利益に叶う中東新秩序構築の為の手段としての民主化は米国の強権的な介入においてのみ実現される。
(介入されたくなければ、自ら民主化せよ!っとこの段階で初めて民主化が目的になる・・訳ですが)
2007/2/26 A True victory in the Iraqi War.-3:A just cause of the Iraqi War カカシさんの”苺畑より”に「アメリカ軍がイラクで戦う意義(February 23, 2007)」というエントリーがありましたので・・・
まぁ、結論からしますと
ってな理屈な訳ですが、その戦争をされる他国の国民はいい迷惑な話なんですが(・・・)米国の理屈ですからそれはそれで。。。ただ、残念なことに流石のカカシさんでも、まだ米国政府の擁護にしては首尾一貫していない、と言うか論旨に矛盾があるように見受けられるのが残念な訳でして・・・
(因みに僕は一度もブッシュ政権の対中東政策:イラク侵攻も含めて:が間違いだ的な批判はしていない、モタモタしている、認識が甘い等とは言ってますが・・・)
っということで、湾岸戦争後からの十数年間に”イラク問題”が国際社会に突き付けていた問題とは何だったのか?からA True victory in the Iraqi War.のSeries-3ということで考えてみます(重複する内容になるのはご容赦下さい)。
湾岸戦争後”イラク問題”は国際社会に対して以下の3つの選択肢からの選択を迫っていたはずです。
上記3つの選択肢はそれぞれに得失があり、実質国際社会としてはほとんど打つ手が無くなっていた・・・のが現実だったと考えられる訳です。
Memo:
得失の”失”の部分を此処では注目してみますと・・・
1.の場合、
2.の場合は、
3.の場合は、
Note:
コソボ紛争の際にあったように、強姦して妊娠したムスリムの女性を出産する迄監禁して出産後元のコミュニティに戻す・・・等いう発想迄は出て来ない訳で、その理由は宗派こそ違え基本的に一般国民の大半がイスラム教徒であるからですが・・・
最近あったように、スンニ派がシーア派の女性に暴行を働いた・・・場合等はイスラムの戒律からすると、犯人側も被害者側もその親族(家族)から制裁を受けることになるので、被害者が暴行をされたとメディアに登場出来る訳もないのです・・・
(女性の権利、人間としての尊厳の尊重という意味ではとんでもない話なのですが)
ところが、9.11の同時多発テロの発生が自体を大きく変える要因となってしまいます。特にフセイン政権にとって9.11は最悪のシナリオだったと言えます。
フセイン政権からすると”大量破壊兵器廃棄を立証する義務を果たしていない”という”だけ”で(他にはクェート人捕虜の解放、エジプト人をはじめとする他アラブ諸国国籍行方不明者の生存確認:決議686:を遵守していない等もありますが・・・
しかし、UNの性格上フセイン政権の自国民及び:限定:地域住民への脅威よりは「国際社会への脅威」優先となる為にイラク国民にしてみると、大量破壊兵器があろうがなかろうが「イラク国民への脅威」は問題にされなくなり開戦の大義等肝心のイラク国民にとっては大した問題では
なくなってしまう訳ですが・・・)政権転覆の強行には至らない(だろう)、っという予測で湾岸戦争停戦条件の遵守に関しては言わば「グレーゾーン」を通って政権を温存しつつ、制裁解除へ近づいて行く・・・的な目算を立てていたはずです。
Note:
この方策は従来の「UN型(理想原理主義)国際社会枠組み的ゲームのルール」では十分に現実味のあるモノですし、当時(9.11以前)の米国世論からしてもイラクへの大規模な地上軍派遣への支持が国内で得られる見通しは低かったのも事実です。
しかし、(9.11を引き起こした)イスラム原理主義テロ組織のメンバーは政治、軍事施設への被爆攻撃ならまだしも普通旅客機を乗っ取り(平時の非戦闘員を人質に且道連れにして)非戦闘員しか居ない民間商業施設へ突入する、っというどう考えても
”アメリカ人”の神経を逆撫でしてしまう(米国本土への直接無差別攻撃のショックは米国(民)の波乱万丈な歴史から作り上げられた真性を一気に覚醒させてしまった・・・)愚行を実行してしまった為に中東イスラム教圏の”ゴルディアスの結び目”をどうにかして(何としてでも、ではない)
断ち切りたいと考えていたNeo-Conグループに「対テロ戦争」とその手段としての「非対称戦」という絶好のコンセプトを与えてしまった訳です。
(だからと言って、対テロ戦争が米国の妄想だ!等とは決して思いませんが)
Memo:
元々陰謀論好きのアラブと欧米側の双方でその生成のプロセスに大きな違いがあるにも関わらず
結果として米国の自作自演説的な陰謀論は国際社会とアラブ社会の相互作用も影響して未だにサブカルチャー的に生き続けている訳ですが、アラブ側からの陰謀説観は単に自分達の側から”加害者”を輩出してしまったという衝撃から逃避したいだけ(の自身を慰めたいだけ)から
生まれているのに対して、欧米側の陰謀論の基礎となっているのは
自分達(先進国の人間)が不合理だと思えることは起こり得ない
っといった固定観念から出発しているのは明らかなのではないか?っと考えます。
その典型がイスラム原理主義テロ組織に対する欧米型(希望的)解釈に現れています。
つまり、たって一人でも”生き残れば勝利”とする欧米型常識を完全に無効にしてしまう『現世での成功否定型の自爆攻撃を敢行出来、考慮するのは死後(現世社会の崩壊後)のアッラーとの関係だけ』という存在と如何なる(支援)関係も結べる国家等現世に存在出来る訳もないのですが
未だに旧フセイン政権がアル・カイダと関係があった、と信じ”たがる”米国人が大勢居ることか・・・
肝心のアル・カイダからすると、現世での自らも含む破壊こそが現世での唯一正しい手段なのですから、その”手段の行使”にイデオロギーを持ち込む必要も制約を加える必要すら無いのは明らかなのです。
すなわち”利用出来るモノは何でも利用する”だけの事で現世の国家や為政者等からの如何なる意向の代理実行者になる理由等何処にもないのですから、為政者側からすると、イスラム原理主義テロ組織を具体的に支援出来る国家は
自らがイスラム原理主義でもない限り(タリバン支配下のアフガン、イラン等)同じイスラム教徒だ”だけ”程度の根拠では非常に危険なもろ刃の剣であることは間違いがないのです(であるが故に迂闊に共闘等組める訳がない)。
Note:
イランが革命評議会を解消出来ない理由の一つが、自らのシーア派原理主義を維持する以外に自らの原理主義を押さえ込むことが不可能であることに加えて、現在のイランでは敵対する他宗派との角逐が終了していることから
ヒズボラとしてヨルダン南部に封じ込めるしか方法が無いからでもある、とも言えるのです。
エジプトもサウジも情勢不安定な地域へ原理主義者達を放逐するしか具体的な原理主義の縮減方法がなく(ましてや、エジプト、サウジの場合は支配者層の血縁者が関係している為)その手法が”たまたま”自国の中東地域での権威維持にも都合が良いので
利用している(活用ではない)に過ぎないのが現実でしょう。
9.11以降の動きを時系列でみても
9.11発生からの時間を空けないアフガニスタン攻撃とイラクへの攻撃とではその性格が大きく違っているのは時系列だけでも明らかだと考えます。
アフガニスタンへはタリバン政権が公然とアル・カイダを匿っている(客人として扱っているかな?)ことを表明していた等からも9.11後の間を空けない「報復攻撃」であるのに対して丸々2年の期間を空けて実施されたイラク攻撃は様々な面から米国による
先制攻撃(予防攻撃)の正当性への理論武装を実施し(前の記事でも述べているように)中東地域新秩序再編成の為に軍事力という強制力が有効に且優位に行使可能で実施後(成功後)中東地域での親米又は親非イスラム政策の影響力を十分に周辺地域へ行使出来るだけの
はーど、ソフト両面で有効活用可能なレベルに達している多様なインフラ(資産)を保有している国家形態候補を(多分)消去法で選択した結果が口先だけで内実が伴っていない旧イラクだった・・・ということでしょう。
(イランに関しては、在イラン米国大使館占拠人質事件のトラウマから生理的に”悪”でありDPRKは極東の薄汚い犯罪国家っと言うことで・・・但し、イランへの攻撃シナリオに関しては通常兵器”だけ”の攻撃では様々な要因から:前記事を参照下さい:リスクが高い、っと判断された)
つまり、アフガンでは米国が全面支援をする国家としては、余りにも辺境、未開、低民度、無資源過ぎて米軍主力を侵攻させて迄制圧、その後の支援をするにはその影響力がほとんど期待出来ないがイラクに関しては(イラク人のフセインへの忠誠心のいい加減さから
例え有効な大量破壊兵器を保有していたとしても)強化型通常兵器による迅速な政権中枢への打撃と破壊でイラク全土の制圧は可能で、その後、”適切な”支援が実施されさえすれば、十分に親米、親非イスラムの影響力の発揮が期待出来る・・・っと判断されたのは間違いがないだろうと考えられる訳です。
以上から、9.11はイラク問題を巡る、いわば「ゲームのルール」が(現世の世俗的な為政者には制御不能な)イスラム原理主義テロ組織の身勝手な攻撃によって突如変更されフセイン政権にとっては全く予想外の方向へ事態が進んで行ってしまい、命運が尽きた
・・・っというのが”イラク側から見た”イラク戦争開戦の真相だったでしょう。
ブッシュ政権側からすると、イラク戦争は、湾岸戦争後かなり不可思議、典型的で不自然なアラブ型地域秩序が維持されているのを9.11を契機にして整理(要らない物は捨てるという意味:人員整理etc)再編成しようとする動きであり、
その再編成の”道筋”として「民主化」を掲げてみせているに過ぎず、このような主語の無い抽象的概念がイラク戦争の最終目標だ等と真剣に考えている程ブッシュ政権はナイーブな政権ではないも確かでしょう。又、イラクにした所でそんな欧米型の抽象概念を弄んでいる程、暇な訳もないのが現実です。
なぜなら、米国、イラク共に主語無し民主化等は復興後の更に”後”(繁栄後)の段階で”そうなるかも知れない”又は”イラク国民が選択するかも知れない”という程度のモノでしかないのは自明だからに他ならないからです。
(米国自身が最も重要視しているのは(外交)交渉の際にお互いに相手の言ってる事柄を相互理解出来る関係であれば体制等どうでも良い、っというのが本音であり・・・そうでなければエジプトやサウジ等と付き合える訳もありませんが・・・)
但し、新生イラクが米国に友好的な政体を維持させることが出来る限り、中東新秩序の再編を強力に推し進める中心として新生イラクの存在価値(威信)は大きくなって行くのも確かなことなのです。
当然、復興が順調に軌道に乗れば(という前提付ですが)イラクは親米政策を採り続けることになり、米国も中東においてイラクを最優先して行くことは間違いがありません。
こうした状況が実現してしまうと、周辺アラブの一般民衆レベルからすると
「アラブ民族からイラクを米国に連れ去られてた」ように思え(早い話がジェラシーのアラブ的表現なのですが、子供じゃあるまいし・・・情けない)自身がイラク国籍でなかったことからの無念さから発生する”民族感情”を刺激してしまう可能性は考えられます。
政権レベルでは、米国の全面支援を受けた強大な隣国が誕生するすることに対する警戒心と同時に自国民に「米国は自国政府を見捨てた=弱体化する」といった印象を持たれてしまい、地域大国としての地位を喪失してしまうことへの焦燥感から反感に繋がることも考えられます。
(イラクの経済的な復興が成功してしまった後に民主的なイスラム国家をイラクが採用してしまったりすると、当然米国から「次は、お前だ!」っと名指しされるのも大いに問題な訳ですが・・・)
このように現在のイラク国内での米軍、米国の基本行動が単なる「対テロ殲滅の為に他人の敷地内で戦闘を行うだけ」のような理屈だけなのなら、振り出しに戻す意味で即座に完全撤退すると同時にイラクへ戦略核兵器を落としてしまった方が警告の意味も含めて
最も手っ取り早く安上がりな方法になってしまうのです・・・・しかし、核兵器を使用することは人道上問題があるからでもMADに陥るから使用出来ないのではなく(米国しか存在しないのですから超大国は)米国の中東戦略としてのその先があるからこそ、通常兵器に拘り続け
損耗の拡大が確実視される地上部隊の増派による治安回復を目指しているはずなのです(後の七面倒臭いことを考慮しないのならさっさと戦略核兵器を使用してしまっている)。
本稿の最後に、イラク側から見た「米軍による占領統治・復興の阻害要因」を考えて見ます。
(イラク人にとっては抽象的な民主化や反米的な言辞を弄んでいる余裕は無いのは確かですが)フセインに代わって新支配者として米国が自分達に何をもたらしてくれるのか?に注意を注いで、各自が最大限の利益を得ようとしている現状に大きな問題があるのは確かです。
欧米型民主主義的手法の基礎概念は「利益の最大化」ではなく「利益の最小化に配分の実現」と言っても過言ではないと思いますので「此処は我慢しろ!、妥協しろ!」という理屈を現状ではなかなか受け入れられるモノではないでしょう。
(新支配者の寵愛を誰が一人占め出来るか?という権力争いな訳ですか)
そうなる最大の要因は、長期間に渡って政治から距離をとり被支配者としての立場にあったシーア派にとっていわゆる”民主的な選挙”による(人口比からも必然的に)政治参加とは政治(行政)とは何か?を知らない素人が大挙して政治に参加出来てしまうことを意味する訳ですが
(第三世界の常識として、人治政治家:金権政治家:はその就任期間が長くなればなる程、政治の玄人として内政外交の両方で、本当は出来もしないことを承知で先付けを取ってしまうと内外共に信用を失うことを学習するので”成功報酬”でしか賄賂は受け取らない
・・・っという一種のモラルが出来上がりますが)そんなことは未だに学習していない政治の素人はそうは行かない訳です。
(インドネシアでの前回の総選挙が正にその理由で、政権交代が発生した・・・民主化の為に政治家を生活の糧を得る為だけの職業としか考えられない素人政治家が多数選出されてしまった為に一般国民がその極端なモラルの低さに嫌気が差してしまった)
ですから、前の記事でも述べているようにイラク復興の最重要ポイントは政治体制の早期復興ではなく「公正な(民主的)行政体制の即時復興」が優先されるべきだったのです。
大体が、米国と全く同じ「民主主義制度」を実施する国家等先進国の中にさえ存在しないのは自明ですし米国や欧州、先進国だけに普遍の正義がある等と誰も承認していないのと同様に「イスラムが掲げる普遍の正義」等も又承認される訳もない(それが公正さのはずですから)
にも係らず、イラクでそれが実現するかのような幻想を抱くのもおかしな話な訳です。
現実にはどう考えても(現状では)、強固な宗教的信念を持って自爆攻撃を敢行するイスラム原理主義テロ組織の根絶は不可能な話であるにも係らず(防御や被害の最小化等をする必要が無い、等と能天気なことを言う気は全くありませんが)テロ行為が最悪の罪悪だ!っというからには
イスラム原理主義者だけではなく、全てのテロリストを対象にしなければそれこそ片手落ちと言うものでしょうし、中東だけがテロリストを生み出す温床でもあるような偏った解釈は稚拙でしかない、っと断言します。
そんな単純で稚拙な解釈に支えられて強烈なプラグマティズムの権化でもあるはずの米国政府が自国の安全保障の為だけに他国の迷惑を顧みずに他国領内でドンパチやっている等とするのは・・・世界中で唯一、実際に戦闘に直面して血と汗を流している米軍にとって
何の擁護にもなっていないのではないか?・・・・っと考えるのですが。
2007/2/21 A True victory in the Iraqi War.-2:Who is the true person concerned? イラク”戦争”(この呼称が正確か否かは現段階では不明ですが)に於ける米国の”真の意味での勝利”とは何か?を考えてみたいと思います。
軍事的な意味では03年5月1日にブッシュ大統領が事実上の勝利宣言を行った通り旧フセイン政権の崩壊でほぼ決着は付いた(戦闘の勝利であれば、ある程度事前に予測されていた)訳ですが、この戦争の本当の勝敗はその後の”イラク復興”の成否によって決着すると考えます。
(開戦の決断の是非も実は:今となっては:”イラク復興”の結果によって後に判断されることになるのでしょうが・・・)
A True victory in the Iraqi War.-2:Who is the true person concerned?(真の当事者は誰か?)というテーマは何を今更的なのですが、案外この”当事者”という語句の解釈に欧米(日本も)と肝心のイラクとその国民の間に大きな誤差がある様に思われるのです。
フセイン体制下での一般的イラク国民の中に(有形無形に関係なく、当時そうした意思表示が出来る訳がないのですが)フセイン政権が存在している為にイラクが直面している様々な息苦しさや屈辱感の打開には
外部からの物理的介入以外に選択肢が残されていない
っという思いがあったことは否定出来ないと考えますが(南部シーア派、クルド人による反乱もあったことはありましたが)反体制勢力が一丸となってフセイン政権打倒を掲げて米(英)軍のイラク侵攻を国際社会等へ訴えていた訳ではありません。
(口や態度に表さなくいが”心の中では切望していた”等という言い訳が通用するなら世の中苦労は無い訳で・・・苦笑)
つまり、戦闘行為によるフセイン政権の崩壊は已むを得ないが、それを実行した又はする中心(主体・主役)は米国でありイラク国民ではない・・っという認識がイラクでは過去も現在も一般的であるのは間違いがない、ということです。
自分達(イラク国民)が自ら引き起こした政権打倒の為の(戦闘による)破壊なら(これ迄の史実が証明しているように)新体制を担う存在が有って、政権打倒後速やかに(まがりなりにも)復興に向けた新政権がスタート出来たでしょうが、米軍が侵攻した(占領した)イラクに
そうしたモノ等皆無だった訳ですから、”当事者”認識が大きく分裂してしまったとしても仕方のないことだったでしょう。
旧体制下でのイラク国民の間にあった(だろう):実はこの感覚も政治的な意味合いよりもUNによる経済制裁以前に享受出来ていた繁栄や優越感が得られなくなったことに対する不満なのですが:息詰まり間への外部からの物理的な介入による打開への期待感と
その打開後に自らがイラク復興の為の政治的なファクターとしての責任を負う意志・意欲とは全く別のモノであることはこのブログでも何度も触れている通りです。
Memo:
米軍のバクダッド制圧後、一時期話題になった”フセイン像の引き倒しの光景”はある種、象徴的なイベントだったと思いましたが・・・
(世俗政治の権化の様なバース党支配のフセイン政権が、イラク国旗に大慌てで”神は偉大なり”の句を付け足した様に中東地域で誰もフセイン体制のイラクがバリバリのイスラム教国等とは認識していませんでした:欧米は違うかも知れませんが・・・)
イラクが真にイスラム教国だったと言うなら、偶像崇拝的な行為はそれこそイスラム教ではご法度な訳で・・・まぁ、この辺りは民主先進国でも為政者、権力者の方々は銅像や肖像画ってのがお好きな傾向がある様なので何とも言えませんが・・・(ははは)
イラクに於いては(他のアラブ諸国も)権力とは市民の意志が表れとして成立している訳ではなく、軍事力によって市民に上から強制されるモノであるという権力観が一般的ですからあのフセイン像とは市民自らがその意志を表明する為に建てたモノではなく、
権力者自らがその意志と威信を”被支配者”に誇示する為に建てられたモノだった訳です。
(先進国でもこれはまぁ、当たり前の話で、市民自らがある特定の権力者の銅像を建てよう等と結集したりする地域は、余程民度が低いか、町興し、村興しのネタが無いか、酔狂か、しか無い・・・だろう・・・っと・・・多分。。。)
しかし(酔狂な先進国でのモニュメント的な銅像と違い)旧イラクでは市民の意思表示の為に権力者の銅像を引き倒すという行為は全く馴染みの無い行動と概念で、むしろ”新しい支配者”が古い支配者の銅像を引き倒す、っという方が道理であり通常の”正しい手続き”だと言えます。
故に、イラク人からすると、フセイン像を引き倒す「主役」は、今回、どう考えても米軍でなければらなかった訳です。
フセイン像が倒れていく光景は”権力者の交代”を決定的に示す為の強力な説得力を持ち(イラク国民に限らず、周辺アラブ諸国にも)、米軍が銅像を引き倒す所に群がる群衆(そう多数ではなかったと思いますが数は別に大した問題じゃないので)は
新しい支配者を手伝ってみせることで忠誠心を示す為に出て来たモノであって、それ以上でも以下でもなかった、というのが真相だったと考えられます。
(第三世界の一般国民が絶対に身に付けていなくてはならないサバイバル術の基本は”変わり身の早さ”であるのは周知の事実です)
欧米のリベラル系メディアで論評されたような「米軍のプロパガンダ云々・・(戦争行為に於いて情報操作をしない方がおかしい)」や「銅像を履いていたサンダルで引っ叩く行為」等にも実は大した意味等無い訳で・・・第三世界の一般国民の心得として
第三戦者から政治的な質問を受けた場合、体制側を擁護する内容のプレタポルテ的返答を即座に出来るようにしておくのは基本中の基本ですから、そうした発言=反米、等と解釈する方がお門違いも甚だしいと言わざる得ないのです・・・・
因みに、米軍が無邪気にも(深謀遠慮の結果・・とはちょっと思えない・・・善意からでもOKですが))”皆さんを苦しめて来たフセインはもう居ませんよ!”という程度の意味で引き倒してみせた行為は図らずも自分達(米軍)が
フセインに代わる新しい支配者である・・・ことをプレゼンテーションしてしまったのですが。。。。気が付いちゃいなかったでしょうね・・・
すなわち、イラクとイラク国民が認識する”当事者”とは、被支配者としての当事者であり、責任ある主体としての当事者ではないことが欧米(特に米国)との間の復興に関する当事者解釈の齟齬を拡大させることになって行く訳です。
例えば、治安維持活動(安全の保障)は支配者が果たさなくてはなtらない最低限の義務の一つであるにも係らず、それすらも不完全(特に世界で唯一の超大国で、金持ちで、最強の軍隊を持つ米国であるが故に殊更)なのは何事かぁ!っとあから様に文句を言っても今度の新支配者は
報復しない(それが自由であって良い事だ、等とは決して思っている訳ではない)・・・だったら、この際だから何でも言っておこうじゃないか!っという程度の理解になってしまう。
だからと言って、米国と米軍を新しい支配者と認めていない訳ではなく、”認めているからこそ”その支配力の行使に満足出来ないし何を言っても首を刎ねられないので言っているに過ぎないのです(自由・民主主義万歳!)
(認めていなかったら何も要求等する訳もありません・・・ここら辺は非常にドライです、力の無い貧乏人に何か頼んでも仕方が無いことは誰でも分かっている訳ですから)
Memo:
教育レベル(ex.識字率、学歴、etc.)とこうした人間の性向が必ずしも一致しないのが第三世界の大きな特徴でもあります・・・(先進国でも教育レベルとその人間の性格、本質が食い違う事等は茶飯事な訳ですから・・・)
だからと言って、米国の中東民主化なる政策が端から失敗するかのようなリベラル系の論評は論理矛盾しているのは明らかです。
つまり、民主化自体が様々なレベルと形態を持っているモノですからブッシュ政権が想定する中東(イラク)民主化モデルが具体的に示されない中で、不可能だ、失敗する等の評価はイラク人を見下す(差別する)何モノでもない!っと考えるからです(その逆も同様ですが)。
・・・とは言うものの、どういう形式、レベルであるにせよ、イラクや中東で民主化が実現するか?と問われると・・・長く苦しい年月が必要になるだろう、っとは確信しますが。。。。
以上のように、イラク復興の責任ある主体当事者は米国と米軍であり、イラクとイラク国民はその施しを受ける被支配者としての主体当事者である、という認識の誤差が開戦から3年を経過しても全く埋まっていない、っというのが実情だと考えられます。
A True victory in the Iraqi War.-1:The unfinished dream of Neo-con.で問題にした「占領政策・作戦」というステップをラムズフェルドは失念していたのではないか?の根本的な問題はRMA型軍隊に頼り過ぎた為せっかくイラク国民が米軍を新しい支配者として
認めているのも係らず、初手で圧倒的な兵力で威嚇して徹底した武装解除が実行出来なかったばかりか、それらの地域集団に治安維持活動の米軍からの名誉ある権限委譲を実行して当座の治安維持(外国人テロリストの流入を防止する等)を怠ったことにあるのです。
つまり、アラブ人(イラク人)の価値観を十分に活用した新支配者の占領統治政策としての治安維持活動に速やかに移行出来なかったことが事態を複雑にしてしまったということです。
実際、イラク国民からすると、政権、政治体制の復興は大して優先順位は高いモノではなかったと想像することが出来、それよりは行政能力の即時復興こそが最優先すべき課題だったと思いますが・・・・
せっかく、占領しているのですから、初期段階で大量の米国人の行政官を投入して、行政立法能力と執行能力を充足させて、イスラム教と行政機能を強制的に分離してしまうべきだったのです。
(国際社会からの大量破壊兵器が明確に発見されなかったことやアル・カイダ等との関係性に関する証拠の脆弱さ等を批判された為に、民主体制の確立に特化してしまったことも問題なのですが・・・・)
察するに、ブッシュ大統領は選挙日程を無理やりでも決める辺りから、いわゆる「知イラク派」と称する補佐官達に不満を持ち始めたんじゃないですかね?
事実、「イラク人はああだ、こうだ」とか「中東ではああだ、こうだ」というアドヴァイスは「それで我々アメリカはその問題を我々に有利に解決する為にどうしたらいいんだ?」っという質問には一切答えられなかったのではないか?っと思われるからですし、
肝心のイラク国民からは既に米国と米軍を新支配者として認めている状況で、相手のことを理解して・・・なんて必要は更々なかったにも係らず、イラク人ではない補佐官達の意見を考慮してしまった為に全ての手段が後手後手になってしまった・・・
ラムズフェルドはペンタゴンや実際の軍人達の「大量兵力の投入が戦闘を回避する最善の方策だ!」っという意見に耳を全く貸さず、大統領は訳知りの補佐官達の意見に耳を貸し過ぎた・・・・ってことでしょう。
今回の対テロ掃討作戦の為の増派にしても、テロ活動を周辺化する方向性とは逆の内部へ向けて縮減させる作戦の方向性のように見えるのは、正直言って余り上手い作戦だとは思えない訳です。
テロ活動の周辺化とは、主要都市でのテロ活動を可能な限り縮減させて例え被害が起きても最小限に食い止める(根絶等は不可能なので)ことを主目的にイラク国軍と更に厳密な連携を行い、主要都市以外で発生するテロ活動は一切無視する作戦にすることで
テロを実行しても無意味(相手にして貰えない)であることをしっかり認識させる方向にすべきだと考えます(この手法は、一貫性の無い米国でなければ出来ないのです・・・以前の記事で書いていますが)。
Memo:
内部へ縮減させる作戦はエジプト、サウジ、シリア政府(旧フセイン政権でも)が採用している対テロ作戦で、それを中東だからということでコピーしているとするなら、かなりな問題が発生する確率があります。
(アルグレイブ等で発生したテロ容疑者への扱いも実はエジプト、サウジ、シリア、旧イラク政府の扱い方のコピーであった結果なのですが・・・)
エジプト政府が採用している対テロ作戦はテロリストが隠れている地域、区画を非戦闘員、テロリストの区別無く、徹底殲滅してしまうという手法なのですから・・・
国民の生命を重要視しない傾向にある第三世界の多くが、一般国民の犠牲を考慮することなく対テロ行動を実施出来る現実は枚挙に暇がないはずです。
米国と米軍がイラク国民から改めて新支配者として認識して貰えるかどうかの、試金石となるのが、今回以降の米軍増派計画だとは思いますが、随分以前にイラク人の「美意識」に叶うモチベーションの上げ方が採用出来て
っといった忠誠心とモラルを醸成に成功出来れば、治安回復ばかりか復興事業も、ラムズフェルドが夢見た新生イラク国軍の誕生の道筋が見えてくるのではないか、っと確信するのですが。。。。
2007/2/19 The essentials of warfare.:穏健派?タカ派?(苺畑より) 僕が時々コメントさせて貰っているブログ仲間のカカシさんの”苺畑より”の中で(イランの飼い豚サドル、イランへ蓄電!(February 13, 2007))、カカシさんが実は(失礼)「穏健派」で僕がそうではないみたいですので(イランには戦略核兵器を使用するしかないんじゃないですか?って書いたりしてますから・・はは)
その辺りを少々・・・
ある日のasean:ポリティカルコンパス(2006/07/14)の中で、僕は”中道右派”的な評価だったのですが、実際には「リベラルな世界の実現を理想とする現実主義者でタカ派」と言うのが本当だと自分では思っているんですが・・・
タカ派だとする部分ですが、戦争行為の本質に関する僕の理解がそうさせているんですが・・・つまり、敵が直接見えない状態で遣り合う間接攻撃(戦略的な~ですが)であろうが、敵を直接視認出来る状態で遣り合う直接攻撃(戦術的な~です)であろうが
訳です。
それは非人道的な兵器とされる核兵器であろうが、通常型兵器であろうが”敵を殺す”という、その本質には何も変わりは無い、ということです。
敢えて誤解を恐れずに言いますと、”非人道的”という文言はそうした兵器を”使用される側”の理屈を考慮しろっ!っというモノであって必ずしも使用する側の理屈ではありませんし、平時ならいざ知らず軍隊が出動する事態の戦時において
:ブッシュ大統領は米国は戦争状態にある、っと9.11以降発言もしていたはずです:発砲するよりは殴りつけた方が早いような近距離での戦闘とTVゲームのようなスタンドオフ兵器:究極は戦略核兵器ですが:とでは戦争の本質である”殺し合い”がもたらす非人道性に些かも違い等無いのですが
強いて言うなら直接視認していないだけスタンドオフ兵器の使用の方が残忍性が希釈され後悔の念が薄れるというだけの違いでしかありません。
軍隊は外交交渉が潰えた後に出番が回ってくる的な言説もある訳ですが、それをそのまま使用するならば現在のイラクの状況は「話し合い」という手段が尽きてしまった為に「軍隊」という武力組織が登場していることになります。
つまり、相手を脅しつけようとして”手を振り上げた”状態ではなく、「既に相手をぶん殴ってしまった状態」な訳です・・・そのぶん殴られた相手とはフセイン大統領であり、彼の政権、体制だったのですから、そういう意味ではブッシュ大統領が既に発表しているように
「軍事的な勝敗は決した!(=米国が勝利した)」のは間違いがないと考えます。
(結論を言うと、一旦、行使してしまった軍事力はその強弱に関係なく、最後迄使い切るしか終結させることは非常に難しい、が故にその行使の判断には重大な責任があり、抜いたからには重大な覚悟が必要だ!っということですが・・・)
問題はその後の「占領政策」にあったのは事実です(ラムズフェルドなんかは、実はその辺り迄は深く考えていなかったのではないか?という雰囲気ですが)。
フセイン政権を打倒する為の”懲罰的攻撃”は米国流の理屈からすると「祖国(米国)を護る為の戦い」だったとは思いますが
その後の地上軍(州兵を主体とした)の侵攻から彼らの活動(治安維持活動という名称が示すように)の全ては、新生イラク国民を”敵”とは認識することではなく、それこそ平安な生活をイラク国民へ取り戻すことを目的としていたはずです。
Memo:
米国以外のNation-Statesが保有する軍事祖組織でHomeland Securityの目的で海外展開ドクトリンや兵力を有する主権国家等存在しないので(アフガン)イラク攻撃にしても厳密なことを言うと、数十万単位の兵力を他国へ侵攻させる事自体が非対称であるのは
言を待たないでしょう、なぜなら、米国本土が「イラク軍から」直接的な侵攻の脅威を受けた訳ではないからなのです(9.11のテロ行為は、そういう意味ではフセインからするとまさに寝耳に水の事件だったと考えらる訳です・・・)。
確かにフセイン政権崩壊後”治安維持”の名目で州兵を中心とした”占領軍”の構成に切り替えた等は実際に戦闘行為を行った部隊を占領活動に就かせない配慮としては妥当なモノでしたが、如何に州兵本来の役割が治安維持活動であって更に派遣前に
数週間に及ぶ現地対応訓練、教育を行ったせよ、海外展開”慣れ”している正規軍と州兵ではその”国際感覚”レベルでの差が有り過ぎたことは如何ともし難いことだったとも考えられます。
(米国内に於ける正規軍と州兵の統合訓練を実は正規軍が一番嫌がる:苦笑:のは、意識そのものが全く違うからなんですが・・・)
更に、正規軍(地上部隊)の作戦行動としての”制圧作戦(武装解除等)”が軽量コンパクトな部隊では十分なレベルで実施出来なかった等の事情からサウジ人、エジプト人等が率いる外国人イスラム原理主義テログループの侵入を許してしまった為に
単なる治安維持活動のはずが”対テロ戦闘(争)”のフェーズへ移行してしまったことで問題解決の出口を見出しづらくしてしまった・・・つまり、米国以外の特に第三世界、イスラム等の実質的な理解等出来るはずも無い典型的な田舎の善良な米国人(州兵)からしてみると
(テログループの戦法からも)自分達の周囲、何処を向いても”敵”にしか見えない状況で、
自分達は一体、何を何か護っているのか?が次第に見えなくなってしまったのも間違いがないでしょう。
Memo:
軍事組織の常として、自国民に支持される事も確かに重要なファクターではあるのですが、自分達が進駐した先で”自分達が護るべき存在”が不明確な状況の中に居ること自体モチベーションを低下させることはないと考えます。
つまり、自分達が護っている”はず”のイラクの一般庶民の中から突然、銃撃され、その衝撃に辺りを見回すと誰が誰だか識別不能な浅黒く訝しげな目をした彫りの深い顔、顔、顔・・・
(駐留地域の住民との対話を深めようとすると、出てくるのはありとあらゆる実現不可能(軍事組織には、と言う意味で)な個人的で勝手な要求にしか聞こえない事柄ばかり・・・・肝心のイラク住民からするとフセイン政権時代とは違って”新統治者”は自分達の要求を聞いてくれる存在として
認めているのからこその勝手な要求ではあるんですが・・・・)
何処にも自分達の味方等存在しないのではないか?という強迫観念に駆られたとしても仕方が無いことだったでしょう・・・人の良さでは米国人の右に出る存在がないのも確かですから。。。。)
現在のイラクで米軍は一体何と戦っているのか?それは何の為なのか?が(多分)一般的な米国民も、共和党も民主党も実は良く分からなくなっているのではないか?っと思えて仕方が無い。
上記でも書いたように「米国本土の安全保障の為」という理屈は、タリバン政権とフセイン政権を崩壊させた時点で決着が付いている訳です(報復攻撃、懲罰的攻撃という意味ですが)。
それ以降は、イラクの場合は完全に「新生イラク国民の為」に治安維持活動を中心とした作戦内容に変更されている(現在でも)っと言うことは、敵は「イラク(国民)の平安を脅かす外国人イスラム原理主義テログループ」であることは間違いがないはずです。
つまり、「イラク国民の平安をイスラム原理主義テロ組織からの破壊から護る為にイラクに駐留して治安活動に当たっている」はずなのです。
その基本原則の何処から「イラク戦争に勝利する!」等という台詞が未だに米国内にあること自体が如何に米国がイラクのこと等何も考えていない証拠なのではないか?っと思えて仕方がない。
(乱暴な言い方をするなら、イラク国内には既に米軍(米国)の敵(脅威)となる存在等無いのですが・・・・)
イランに関しては、武力を背景にした交渉を!っという理屈は全く成立しないばかりか矛盾している訳です。
何せ、交渉したくてもイラン国内に米国政府を代表する如何なる公的機関も存在していない・・・・つまり、交渉したくてもそのルートが元々存在していないのです。
故に、どうしてもイランに米国への従順さを示させたいのであれば(これも厳密には妙な話で、一切の公式な関係が無い相手にどうしたことを求めるのは、イスラム的に言う所の”屈服しろっ!”っと言ってるのと同じことで、そんな戯言に聞く耳持つ方が変な訳で・・・)
交渉ルートが無いが故に攻撃するもしくは臨戦態勢での威嚇しか無いのですが(このブログで何度も書いているように)通常兵器でのそうした行為にはイラクとは全く違った総力戦でイランは歯向かって来るのは自明以外の何ものでもないでしょう・・・。
占領体制の不備から(何も考えていなかったかモタモタしていた為)外国人イスラム原理主義テロ組織の破壊活動や権力争いでもある宗派間紛争を周辺化することが出来なかったイラクで現在米国政府が取り得る最良の政策は
(多分)駐留米軍の増派しか無くなっているのも事実だとは思いますが・・・・相変わらず、イラク国軍の装備はいい加減でテロ組織や民兵が所有している武器との区別が付かない(AK)が故に新生イラクの治安に責任を持つ新生国軍としてのプライドが生まれて来ない。
(米国側も、現状で早々簡単に新生イラク国軍を構成する兵員全てを信用しろ!ってのも難しいのでしょうが・・・・それを言い始めると、卵が先か鶏が先か的な話になってしまう)
(必ずしも親米でなくても良いのですが)国軍の装備から始まってあらゆる面で米国の全面支援を受けた中東地域で初めての主権国家としてのイラクという体裁がもう少し早めに実現していたら、現在のような状況には少なくともはまり込んではいなかったのだけは確かでしょう。
2007/2/9 Whimsical diplomacy of the superpower:U.S.A 9.11以前の米国が採用していた対中東外交からイスラム諸国(あらゆる勢力と一般国民に至る迄)が抱いていた感覚(認識)として代表的なモノが
だったと考えます。
事実、Papaブッシュ政権(ベーカー)による湾岸戦争に至る”連合軍形成”の進め方は冷酷にプラグマティックであり、フセイン政権による”ジハード”の宣揚を簡単に粉砕してしまいましたし(まぁ、元々中東地域でバース党主導のイラクが”ジハード”を謳うこと自体が滑稽で、周辺アラブ諸国の反応は
旧イラク国旗に突然”神は偉大なり”なんて入れても”??”っとなるのが関の山だった)クリトン政権のビン・ラディン討伐と銘打ったスーダンの化学工場空爆のように如何にも場当たり的で理念や価値を押し立てる様子等まるでなかった訳です。
(大統領執務室で不倫を働いた堕落した背教者の男に一方的に攻撃される等誇り高いムスリムとhしては面目丸潰れ以外の何物でもない・・・)
この一方的でありながら腰が引けた(?)空爆によって多数の無意味な死傷者が出たことによって高まった”怨嗟の声(馬鹿にするなっ!・・だったでしょうが)”すら聞こえない無関心が顕著だった・・・
(その超大国としての非対称性からいい加減な精密誘導爆撃(?)であってもそれなりの被害を相手には与えられ、誤爆等の非道さを訴える声には「ん?それがどうしたの?」程度の反応しか示さない等など・・・)
Memo:
相手にしない典型は湾岸戦争回線直前に行われた”James Addison Baker III・Tariq Aziz or Tareq Aziz, (Arabic: طارق عزيز, Syriac: ܜܪܩ ܥܙܝܙ)会談”だったでしょう。
アジズ外相がクェート帰属に関するイスラム的歴史観(の正当性)、イスラム教的思想背景、政権正当性、国際社会での評価等を幾ら抗弁しようがベーカー国務長官(当時)が「Miscaliculation!(計算違い)」の一言で押し通した手法とは
(僕個人としてはこのベーカーの手法は超大国米国の外交としては秀逸だったと理解していますが・・・)交渉相手(っと勝手に思っている側)が何を言おうが、米国自身の(国内)事情が何よりも優先され、交渉している又は交渉出来ている等と考えること自体が”計算ミズ”なのだ!っと言うモノでした。
早い話、「アンタラの事情はどうでもいいんだ!コッチが納得出来る形で降伏(当時はクェートからの撤退)しないのなら攻撃するよ!」と言う論理だったので議論が全く噛み合わない(相手にしていない)が故にアジズに「それは、Miscaliculationだ!」っと何度も繰り返した・・・
(この会談自体が米国は最後の最後迄外交努力を放棄しない、っという米国側の国際社会への単なるパフォーマンスでしかなく、会談に臨んだ段階では既に攻撃が決定されていたと思いますが、アジズは何度も繰り返される計算ミスの意味を理解出来なかった)。
一方、非民主政権の堕落して自国の安全保障能力を持たない湾岸産油国指導者達に対してはクェートに悪さを働いたイラク撃退作戦に参加しないのなら後で腰が抜ける程の戦費請求書を送り付けて取り立てるぞっ!(ハーバードビジネススクール出の敏腕弁護士らしい)とやって
連合軍を形成した(事実、サウジはその戦費支払いでそれ迄栄耀栄華を誇っていた外貨準備高が底を突いた・・・シリアとエジプトに対してはちょっと違った方法だったと思いますが。。。)
超現実主義のベーカーにしてみると、湾岸戦争を米国一国で実施出来るか否かやイランがどうのこうの等も実は全く問題にしていなかったのではないか、とさえ思える訳です。
Papaブッシュ時代の米国政府の政策(ベーカーの政策)は(超)現実主義というイスラム側には決定的に欠落しているが故に理解不能な価値観を信念として中東外交を行っていたのに対してクリトン政権(民主党)では単に”日和見主義”であったに過ぎないだろう・・・とさえ思われます。
(きしくも”結果”:相手に与える影響:が同じだった・・・っというのが何か悪い冗談のようですが・・・)
要するに、米国(米国民?)が理解出来ない事柄に理解を示す必要等いささかも感じないし、ましてや関わる気も毛頭ないが”議会”(世論大事の議員)が「イラクの非道を許すまじ/戦争止む無し」と言うのだからその通りにする”だけ”の話で、
その後の事態(米国の将来、国際社会での評価etc、etc)等”知ったぁことじゃないっ!”という姿勢こそが世界で唯一の超大国である米国外交の真骨頂なのではないか?・・・っというjことです。
このような対応をされてしまう第三世界はたまったモノではないのですが逆に”そうなんだ!”と分かってしまえば最も理解可能な理屈なんですが・・・つまり、絶対権力を持った絶対君主
(誰の言うことも誰の都合も考慮する必要のない立場の存在故に相手を常に無視出来る)の言動への対応はいつ何時豹変するか分かりませんから気骨は折れますが、第三世界の多くはそうした体制に長い間慣れているのも事実でもあります。
問題なのは、下手に旧来の西欧型外交手法(お互いの主張を開示しながら妥協点を探る等)を駆使したりしてしまうと(自身で既に決断したことを相手に尋ねるような女性と接するようなもんで・・はは)癇に障ってしまうか、分かり切ったことを敢えて発言してやっぱり癇に障ってしまう・・・
(昔の絶対君主も同様だったと思いますが、良い事だろうが悪い事だろうがその絶対君主に意見するのは処刑される覚悟が必要だったと思いますし・・・)
肝心の米国に相手にされていないのですから、多くのイスラム諸国が最後のよすがとするのは(本心では絶対に信用していないが故に余計に情けなさが増す)リベラルな国政世論のみ、っとなって自らが”被害者”として位置付けた上でその倫理的な”高み”から欧米に物申すしかない
・・・っという自己矛盾も甚だしい事態になっていたのは確かだったっと言えます。
こうした国際社会での閉塞状態から脱却出来ないが故にイスラム教圏内ではより7世紀の呪縛に絡め捕らえるかのような状況が進行していってしまったのも間違いがありません(ムハンマドやオスマントルコの支配者達が21世紀の世界の広さと狭さや米国の存在等を想像出来たとも思えない訳で・・・)
特にイスラム世界の実際の歴史において、政治秩序に関する宗教的倫理規範が常に現実化されて来た訳ではないことが更に事態を厄介で複雑なモノにしてしまったっと考えます。
つまり、イスラム教が提示する”あるべき政治秩序”は宗教倫理に基づいた”理想的世界像”であり、現世の人間世界において現実化することはそもそも難しいからに他ならないからなのです。
イスラム教が含む政治概念とは具体的な政治体制や制度と言うよりは政治支配者と被支配者がそれぞれ備えるべき宗教倫理上の要件を列挙したもので、「社会的諸価値の権威的配分」、「希少資源の有効配分」といった機能的、功利的な政治概念ではなく
「正義」、「徳」、そして絶対的な「善」と「悪」の峻別といった倫理的概念を中心としているのであって実現の為の具体的な手法に迄及んでいないからに他なりません。
(ですから、欧米リベラル派の方々が時々持ち出されるイスラム法が細部に渡って云々と言うのは的外れな話でもあるんですが・・・)
Memo:
実際には政治の実効支配者が自ら支配のあり方を「イスラム的」と”断言して”理想社会は既に実現している!っと唱え、宗教学者によるお墨付きを得ることでその主張を補強して来たに過ぎないのが実態です。
つまり、宗教の再解釈をその時々に積み重ねることによって理想と現実の乖離を問題にさせないメカニズムを成立させ(為政者の為に)理想世界像への信仰が実際に現実を正当化(又は正統化)する為に利用されて来た訳です。
そのメカニズムの要点を簡単に言うと
宗教の来世的観念を政治に持ち込むことで現世における政治支配者の行動に関するAccountabilityを棚上げしてしまい、最後の審判における究極の説明責任を来世における賞罰を想定することで現世での為政者の責任はおざなりにする・・・
・・・という理屈が成立してしまうことになります。
(・・・考え方によっては非イスラム教国の為政者の方々にとってはまことにこの上ない文字通りの”理想”であるかも知れませんが・・・)
Note:
余談ですが、アフガンのような(イスラム的に)未開の辺境地域とイラクとでは(旧ソ連の影響もありますが)”国民”としての意識形成が大きく異なっていました。
イラクではイランとの”総力戦”の影響で基本的教育水準が向上した(字が読めないでは近代兵器扱ったり部隊行動をすることも難しいですから)上に”対ペルシャ人”という意識から”イラク国民”という帰属意識も作りげられた・・・
(アフガンはイスラム的に洗練されていなかったので纏まることが出来なかった、っと理解されているようですが)
こうした意味合いからするとアフガンでのタリバンの役割と問題とは
宗教的な規制によって内戦で完全に崩壊した(元の状態に戻った、とも言えますが)社会に”最低限”の秩序を回復する一種の”起動ディスク”(完全に復旧はしないが取敢えずPCは立ち上がる)的な役割の程度だった
・・・にも係らず領域国家(主権国家ではありません)の事項支配権を掌握してしまったことが問題だった、訳です。
未開で辺境地域であったがが故に、元々の単純さに立ち返って”大同を捨てて小異に突いた”だけの話とも言えますが・・・
こうしたイスラム社会の閉塞感の中で理念と乖離した現実を拒絶し神の名の下に破壊を正当化することは最後の審判において褒章を受け取る為の条件と信じ、他社の死を顧みず、自らの死も厭わない自殺型攻撃を敢行するイスラム原理主義過激派が出現してくる訳ですが
彼らの信仰に基づいた行動は極めて大きな犠牲を許容出来る為に対応が非常に難しい訳です。
彼らの原理主義思想からすると実行部隊の個々人どころか組織全体が殲滅されることすら失敗を意味しないので・・・神が自らにその絶対真理を告げたと信じる立場からは必ず別の者が後に続くと信じられている・・・・
状況を変え、後続の者達を触発する為であれば組織全体の消滅すら選択肢に入って来る訳ですから、そのようなテロ攻撃を防御する側の合理的予測(西欧的で現世的な意味での)を超えた作戦を実行することが可能になるのです。
(9.11はその典型で、それ迄は誰も普通旅客機そのものが兵器になるとは思ってもいなかった・・・)
前のエントリーで「もしもイランを攻撃する事態になると:地上軍の侵攻:何処にも味方になる勢力が存在しない」と述べたのも、実際、イラン革命では王制打倒”後”の諸勢力の角逐を勝ち抜いて聖職者の支配によるイスラム共和国体制を樹立するのに
極めて士気が高く低コストで(異教徒をイスラム原理主義者にするのではないので)自殺型実行部隊を動員出来た結果という”実績”を現イラン体は持っているからなのですが・・・
(贔屓目的な表現をすると、イラン国民は現在の社会体制を”戦って”勝ち取った:民主主義成立の際にも同様の理屈が使われますが:のであって、イラクのようにフセインという独裁者とその圧制から社会体制を維持していた訳でもないので、イラクとは比較にならない程手強いのは間違いがないのです・・・)
・・・っと此処迄の話は(純粋な)イスラム原理主義過激派の話なのですが、本当にイスラム原理主義過激派がそうであるならば、現在のイラク国内で騒いでいるサドル率いるサドル民兵なる存在が同様の信念に基づいているのであれば
それはそれで見上げたモノなのですが(ただのハミ子にされた意趣返しを権力闘争に切り替えただけの人間に組織消滅迄を意識して徹底抗戦する根性等あるはずも無い)・・・。
ビン・ラディンのアル・カイダもその組織概念の”固定した組織を形成しない”等は一見、欧米の対テロ行動への戦略的帰結でもあるかのように受け取られている節がありますが、果たして本当だろうか?っと疑いたくなるのです(真に彼らがイスラム原理主義過激派であるなら、
上記で述べたことと矛盾してしまうからなのですが・・・)
つまり、ビン・ラディン”だけ”が何時迄経っても”生き残っている”ことを彼自身はどう言い訳するするつもりなのか?ということでもあるのです。
(そういう意味ではカカシさんが常日頃仰るように、頭目さえ消去してしまえば後はどうにでもなる風な話は当たらずと言えども遠からずなんですけど・・・)
因みに、アル・カイダにしろ他のイスラム原理主義過激派にしても「反グローバリズム」というスローガンは決して掲げていないばかりか、彼ら自身がグローバリズムによる恩恵を十二分に利用して活動している(犯行声明をインターネットで流したり、世界各地の不安定地域をネットワークしたりなど等)
ことからも、嫌米からの解釈は妥当とは言えないのは確かです。
以上から、現在のブッシュ大統領が9.11以降採用した対中東政策は、何処をどう間違ったのか?イスラム原理主義過激派が望んでいた「文明の衝突」という土俵に上ってしまったような結果(テロ組織側は一応、イスラム原理主主義という強固な信念を持って、
社会全体の破壊を目的に活動し、それらに対応すべく当初は強固な信念を採用しようとしたが失敗し強固な信念になり得るはずもない”自由・民主主義の拡大”という妙な理屈を捻り出してしまった)、9.11以前迄は閉塞状態にあったイスラム社会にリベラル的な被害者意識という本意ではない
足場の代わりを与えてしまった為に、イラク国内での治安回復という局所的な対応でさえシーア派、スンニ派の立場を考慮しなくてはならなくなってしまった。
肝心の一般的なイラク国民からするとフセイン政権打倒の為のイラク侵攻(戦闘)にはフセイン後のイラクの将来に期待する意味で我慢も出来たが、何時の間にやらそれが「対テロ戦争」の主戦場としてイラクが使用されているかのような状況を許容しろ!っというのは少々虫が良過ぎる。
イラクで米国がモタモタして混乱が続いている間に、スンニ派テロ組織を側面支援しているであろうサウジは、これ見よがしに、パレスチナのファタハとハマスの仲介を買って出てメッカで協議を開催して、サウジの威信を誇示している。
(ハマスの阿呆も、イラン迄出向いて議会でイラン政府と国民に感謝する!等と演説をぶった舌の根も乾かない内にこうしたこと平気でやる・・・エジプトはこの状況は全く面白くない、ムバラク一族は親父の体調が悪くなった途端に
鳶に油揚げをさらわれるがごとくパレスチナ問題をサウジに持っていかれるとは何事かぁ!っと国内で批判が噴出する可能性が高い・・・)
いい加減ではあるが(イスラムから見たら自由・民主主義ってのはそう見える訳ですから)癇に障ると”断固とした”報復が情け容赦なく実行される(つまり、断固とした信念等は必要がないのです)・・・これだけでいいはすなんですけどね。。。
知日派?知イラク、イスラム派?・・・へん!くそ喰らえだっ!そんな与太を聞き過ぎた為にこの様だぁっ!誰の言うことも聞かんぞぉっ!・・・っと言う意味でイラク政策の失敗は自分にある、ってことなんでしょうね・・・多分。
2007/1/30 Gordian Knot ?: The Middle Eastern labyrinth どうも、イラク、イランを含めた中東への国際社会の対応が妙な雰囲気になって来ている印象があるので、僕なりに纏めてみました。
[イラクのタラバに政権がイラン、シリアとの関係正常化を進める背景]
イラクの宗派による人口構成比(スンニ派3割、シーア派6割)による政治勢力構成になるのは元から必然な訳ですが(総選挙で多数の小政党が乱立したことからもシーア派が一枚岩だと考えられる理由は全く無い・・・)そうしたシーア派優位の情勢が即イランのシーア派(特に現在の保守派)と
気脈を通じるとかイランからの影響を受け易い・・・等とは全く考え難いと思います。
Memo-01:
イラクがこれ迄、イラク国民の総意を反映した政権議会を持った経験が無いことに加えて、スンニ派による政治権力掌握に対してシーア派は異議を唱えないばかりか、シスタニ師に代表されるように、そうした状況を受け入れる姿勢を(政治に距離を置く、という形で)示していた経緯から
シーア派の中に(政治家はともかく)国家運営の要となる行政(官)能力を育てて来ていなかった、という現実があります。
故に、バース党の行政官達を一度は放逐してしまった後で”政治家”は選出出来ても行政能力の復活がスムーズに進まないことから、その放逐したバース党の行政官達を公職へ呼び戻さなくてはならくなった。。。
しかし、そうした状況(行政官、能力不足)をイラン政府が補える訳もない上にイラク国民からすると欧米の行政官による(一時的な)行政運営よりもイラク人行政官の支援を受けること等悪夢以外の何モノではない状況は決して容認出来る事態等ではないでしょう。
(エジプト、サウジからのそうした支援も:スンニ派であったとしても:同様にご免こうむりたい事態に違いはありません)
イランの現状からするとアフマディネジャドらの保守派(シーア派)が台頭したのは前回の選挙で改革派(同じくシーア派)への失望感から投票率が低下した結果であり今回(昨年末)の選挙では投票率が回復したことによって改革派が復活の兆しを見せてはいます。
(イラクよりも数段:イラン的:民主化が進んだイランとは言いながら、他力本願志向の修正迄には至っていないのですが・・・)
ではあっても、改革は=親米(親西欧)派、と見られる事は改革派にとってマイナスにしか作用しませんので独自性(民族主義と言うよりは国家主義的色彩がb強い)を強調する”しか”ないのですが、国内経済の抜本的改革には原油輸出に依存した”モノ・カルチャー”からの
脱却が急務であることは間違いがありません。
つまり、経済グローバリズムへイランであっても対応するしか実はその問題を解決可能な道が無い・・・ことも事実なのです(モノ・カルチャーからの脱却は中東産油国全てが抱えている問題なのですが、残念なことに各国独自に且自力でその実現は
ほぼ100%不可能に近いことも全ての湾岸産油国自身が事実として理解している)
すなわち、モノ・カルチャーからの脱却=経済的な”繁栄”を手に入れる(富の偏在を無くすと言う事態に繋がる可能性を持つ)事は王族や世襲化しようとする妙な長期政権の一部の人間だけに都合が良い政治社会体制の終焉さえも意味しているかも知れないのです。
(専制政治体制側からすると民主化を促進する可能性を持つモノ・カルチャーからの脱却等は本音の部分では許し難い事なのだが・・・)
Memo-02:
イラン国内に於けるイスラム革命の行き詰まりはイスラムへの回帰が何ら経済的な繁栄を手に入れる如何なる具体策(ロードマップ)もプラグマティックに示すことが出来ないと言う現実を証明したに他ならないのです。
更に原子力発電が何たるかも知らず身勝手に物書きに暗殺ファトア等を出してしまう老害宗教指導者であっても文字通り”首を切る”ことが出来るのは保守派(身内)のアフマディネジャドであって改革派のハタミでは無いこと位は理解出来る頭は持っている・・・。
しかし、改革派にした所で徹底した現実路線を押し通す手法は老齢の宗教指導者の言動を真っ向否定してしまうことになる可能性が高い(現世ではイスラム教が何も成し得ないことを露にする=イスラム教の否定になってしまう)為に・・・歴史文化的にそうした行動は礼儀に反する等から・・・
現実的な対応を採用出来ない上に現時点ではイスラム教としてその教義を21世紀の現実世界へ対応させる手法(神学的にも)見出せていないが故に保守、改革派双方が7世紀の泥沼から抜け出せない状態になっている・・・と言えます。
(イランがペルシャ人だからとかシーア派だからといったこと以上に彼らが実行したイスラム革命でイランが経済的な繁栄を謳歌しているなら、その成功事例と手法を新生イラク政府、イラク国民も受け入れるかも知れないですが・・・
21世紀の現代で経済的繁栄も手に入れられないイスラム革命等どれだけ貧困層であっても:貧困層であるが故に:受け入れられるはずも無い:幾らコーランに喰うに困らない状況が実現するのがその死後や何時のことになるやら不明なイスラム世界が成立した後等と言う
世迷言は耳タコで聞き飽きた・・・というのが現在のイラク国民の偽らざる心境では・・・)
中東地域の永年に渡る相互不信からすると、このモノ・カルチャーからの脱却を実現する重要な要素の一つが自国の安全保障をどの用に担保するのか?ということでもあるのです(国境紛争は数え切れない程ある)。
この自国の安全保障問題をイラン側から見ると、理想的には(お互いのトラウマや疑心暗鬼が無ければですが)
であるのは間違いがありません(他の中東諸国の人間と同様にイランの深層心理的な理想なのですが・・・ロシア、中国等が先進国だとは絶対に認識していませんし、元共主義と現共産主義国家を信用する訳も無いので)。
しかし、そうした関係確立を自ら言い出すことは
異教徒の軍門に下る
様な屈辱感をイラン国民が抱く恐れすらあってそう簡単に言い出せるモノでもないのも事実です。
(欧米からすると、本当にそうなら最初からそう言うか、そういう態度を示すべきだ、っと感じるかも知れませんが、それがなかなか出来ない、なぜなら、現在中東イスラム諸国が自らの拠り所と出来るのは”7世紀の誇り”しか持ち合わせが無くなっている状況ですから・・・)
Memo-03:
米国からすると実は中東で最も民主化し易いのはイランなのですが(イランの革命評議会は必ずしも富の偏在を許す権力側とはなかなか成り得ない:パーレビー体制のでのイスラム革命はの基本は圧制云々よりは富の偏在を許した結果としての急激な西欧化への反発が引き金になっている)
もしもそうした関係が成立した場合、現在の親米イスラム諸国(特にエジプト、サウジ)の専制体制は一気にその威信を失い”臣民”に見限られる可能性が出てくる=国内情勢が流動化する
=結果的にイラン系シーア派の保守派が目指すイスラム革命が成立してしまう(イランが積極的にイスラ革命を輸出した訳でもないのに)という事態に陥ることを湾岸アラブ諸国とエジプトは恐れているはずなのです。
此処が少々厄介な部分なのですが・・・現エジプト政権、サウジ政権のいずれもその威信を保っていられるのは米国という唯一の超大国がそれらの政権を支持しているからに他ならないのです。
それが新生イラクやイランへ米国の信任(関心)が移ってしまう事態は米国(最大の後ろ盾)が現政権を”見捨てた”という理解を一般国民に与えてしまう恐れが非常に強いからでもあります。
(エジプトで度々発生する”反米デモ”はほぼ全てが官製デモであって政権の管理下で実施される国民のガス抜き用で、政府の管理下ではない如何なる内容のデモも治安部隊、特殊部隊によって徹底的な制圧が実施される:対米的には関係維持の為の
バーゲニング要素として使用される)
故に、エジプト、サウジをはじめその他の湾岸イスラム諸国がそうした事態を見逃すことは出来る訳もありませんから、あらゆる手段を使っても米国、イランの関係改善を阻止しようと考えるのは自明なことなのです。
事実、現在のイラクの混迷を引き出しているのは宗派対立を煽る事を目的としたテロ行為の実行犯達の大半はエジプト、サウジから体良く国外追放されたイスラム過激派が中心になっている、っと考えられなくも無いからなのです。
スンニ過激派によるシーア派へのテロ行為は、永年被支配者層であった事実をシーア派住民に思い起こさせ、新生イラクであっても被支配者層である身の程をわきまえよ!・・・というメッセージでもあり、当然そのテロ行為は
イラン系シーア派との関係が深まったり拡大すると同時にテロ行為の拡大(被害の拡大)をも意味しているのです。
Memo-04:
エジプト、サウジ、他の湾岸サラブ諸国が少数派であるスンニ派の政権維持を今後も継続させる上でも、イラクが安定化して米国の全面支援による復興が成功してしまうことは最も困る事態なのは容易に理解出来ます。
新生イラクが安定と繁栄を獲得する事態とは、イスラエルの問題等取るに足らないモノにしてしまう可能性があります。
つまり、今回のイラク攻撃迄の”中東の正常化”とはイスラエルを中東地域の中に正式に取り込んでしまうことで米国の直接的な姿(影響)を希釈し、イスラエルを通して欧米経済圏とのリンケージを果たす事だった、にも係らずイラクが”幸運にも(?)”米国による「直接介入」によって
その”後始末(復興っと称する)”全てが米国に委ねられる、という他力本願性向の中東諸国には願っても無い可能性をイラクは手に入れたことになるのです。
イスラエルであれば、異教徒であり散々周辺アラブ諸国とその生存権を賭けて戦争を繰り返して来た関係から、エジプトとサウジは米国との関係性から交渉、通商の全ての段階でキャスティングボードを握ることが可能ですが、イラクは元々アラブ人の国家であり、異教徒との交渉役も何も必要とはしなくなってしまいます。
肝心のイスラエル、パレスチナ(ハマス、ファタハ)、レバノン、シリアはイラクが復興してしまったら、どうなるでしょうか?
最も貧乏くじを引くのはハマス主体となったパレスチナでありハマス自身になってしまうのは明らかです。
中東アラブ諸国にとってイスラエル問題が重要ではなくなるのですから、今更、陰謀論やオカルト論をごちゃ混ぜにしたハマス憲章を否定することも出来ず、ばら撒き福祉行政もどきは出来ても行政応力の何たるかも知らない自称ビジネスマン・テロリストからすると
以前に周辺アラブ諸国から見捨てられた悪夢が蘇り(アラブ諸国からすると、そうなってしまえば、パレスチナ等どうなろうと知ったことではない)その本意とは裏腹にアフマデネネジャドに媚を売るしか存続の道は残っていないことになります。
一方、イランのアフマデネジャドにしてみると、如何に頭の中が7世紀のままであっても、ヒズボラ以外に他宗派のハマス迄抱え込んでしまうことは、対外的以上に宗教評議会からの評価が気になってしまいます。
なぜなら、宗教評議会の親玉からするとヒズボラは子飼いの武装集団であってアフマデネジャドの努力等元々必要とはしませんが、ハマスは子飼いでもシーア派でもないのですから、如何にハマスがイランとイラン国民と感謝の意を表そうとも(実際やってますが)
ハマスがイラン系シーア派に宗旨替え出来ないままの事態にでもなると、アフマデネジャドの信仰の深さそのものが疑われることになり兼ねない・・・・正しく首が飛ぶ危機に直面する・・・・
いい加減な所で国際社会の批判を口実にハマス支援からアフマデネジャドは手を引く可能性が高くなる・・・
同様に、ヒズボラとシリアの自分勝手な役割や存在価値(意義)もイスラエル自身がそうであるように中東地域では縮減してしまう。
といったような非常に複雑な事態が現在の新生イラクを中心とした中東情勢なのだと思いますが、冷静に(相当冷静に)考察してみると、現在のイランが米国に直接的な脅威となることはほとんど何も出来ていないのも事実で、
仮にイラクの混迷を生み出すテロリストをイラクに送り込んでいるのがイランだ!やテロリストを支援しているのもイランだ!とする米国の理屈もさほど論理的ではないのはもはや自明なのではないか?っと思われます。
なぜなら、イランが米国が喧伝するように「宗教教義に基づいた圧制国家だ!」っとするなら、旧フセイン時代がそうであったように専制圧制国家では反体制運動やテロ組織等が生き延びられる確率は非常に低いから他ならないからです。
(国民の犠牲を全く省みなくても済む政権が行う武力による粛清のレベルからすると、旧フセイン政権は対テロ活動としては優等生だったとも言える訳です・・・逆にテロ組織等と言う存在は自由・民主主義の申し子だ、としても過言ではないかも知れません)
更に、エジプトやサウジが国内の反体制武装組織を国外に追放してその活動の場を与えたようにイラン(シリア)にしてみるとアフガン等に追放されイラクへ再度(新生イラクの復興が成功してエジプト、サウジの威信が失墜するのを恐れるが余り”混乱”というカードを選択した節が伺える両政権が未必の故意としてイラクでのテロ行為を支援する目的で)潜入する前段階の中継地として
勝手にイラン(又はシリア)国内に居るアラブ人テロリストを国外強制退去処分にしているだけ・・・と考えられなくもないのです。
エジプト、サウジにしてみると、イラクが米国の全面支援で復興し繁栄することは自国の威信が失墜するが故に見逃す訳には行かず、イランが改革派の台頭によって米国との関係改善を実現出来たとしても、その脆弱な国内体制と安全保証力の無さから体制の弱体化は避けられない。
新生イラク政権からすると、自身が今後米国がその国内の大衆政治の影響からイラクへの関与から腰が引けてしまわない内に、復興なったイラクを通して欧米経済圏とのリンケージを取引材料にイランとの接近を(関係改善)を図る・・・・
(例え、米国が中途半端に手を引いたにせよ:そうなればなったで国際社会に対して米国の身勝手さを宣伝することが出来て、米国からの経済援助を取り付けやすくなる・・・)
米国がどうにもイランが気に喰わないので軍事攻撃する!っと言うならGordian Knotを一気に断ち切るアレキサンダーの剣として戦略核兵器を打ち込むしか方法が無いのです。
イラクよりも国土が広いイランでデジャブを繰り返す気なのでしょうかねぇ・・・・?
2006/12/26 Arab Human Development Report 2002:Why were we? イスラム社会からの内政的な提言として2002年にUNDPのアラブ地域局が纏めたレポートをご覧頂きたいと思います。
(内容がPDFで180Pになる膨大なモノですからご興味のある方はお正月休みにでも腰を据えてご覧下さい)
担当したのがUNDPですので、Human-Developmentの文脈から「なぜ、”我々”アラブ(イスラム)社会は立ち遅れたのか?」をいわゆる欧米型の客観論として書き表す、という内的変革に挑戦した報告書です。
UNDPの人間開発報告では1990年以来採用している「人間開発指数(Human Development Index:HDI)を主要な算定方法として採用していますが、このアラブ版ではその指数を踏まえつつ、新たに「代替的人間開発指数(Altenative HDI)」という方式を提唱し試算が試みられているのが特徴だと思います。
Memo:
AHDIに関する説明は割愛しますが、概略を述べると、産油国等のイスラム教国では必ずしも、国家の収入として算定されるGDPと貧困や教育機会の不均等(社会福祉etc)等が一致しないことがあることからHDIの「長命、教育達成度、所得」という三つの要素から「所得」を外し、
代わりに「政治的自由」、「ジェンダー格差是正」、「情報技術の普及」、「地球環境問題への影響」という四つの要素を加えたモノと言えます。
実は、従来のHDIによる順位付けよりもこのAHDIという算定基準を使用した順位付けはより厳しくなり確実に順位が低下するのですが、これはある程度この報告書の執筆者達であるアラブ出身の知識人が、アラブ諸国の問題点を強調する為に案出した・・という背景が伺われます。
実際、政治的自由の算定にフリーダム・ハウス(この調査結果の可能性と限界は既に1993年の世界版報告書で検討され、結論としては指数への導入が断念された経緯がありますが、アラブ報告書ではその数値をそのまま利用する理由(それも明確な)は示されていません。
この報告書の意義は、いわゆる思想的に見た場合、アラブの(第三世界の)通弊である「外的=外敵要因論(外部への責任転換論)」や「犠牲者感」の再生産を注意深く回避しているところにあります。
(外的要因が明確に作用している事例には検討を怠ってはいませんが・・・パレスチナ問題等)
つまり、
と総指揮を採ったUNDPアラブ地域局長リーマー・ハラフ・フナイディー女史(ヨルダンの計画相、副首相を歴任)は断言しています。
(彼女はこの報告書を発表した記者会見で「この報告書によってアラブ世界に友人が増えるとも思わないし、その意図は無い」と迄言い切っています)
しかし、この報告書は肝心のアラブ諸国では完全に無視されるという冷淡な扱いを受けます(特に全てのアラブ・メディア)。
なぜなら、政治参加や自由の欠如を問題にし、アラブ諸国の統治能力を低下を指摘するこの報告書が各国政府の統制下にあるメディアの手に余るモノであったことは想像に難しくないからです。
果たして、先進諸国の皆さんは、どれだけイスラムを客観的に理解して(認めるということとは違います)、現代の様々な軋轢への対応をしようとしているのでしょう?
それでは皆さん、来年が今年よりも悪くならない年になることを願って・・・・よい年をお迎えください。
2006/12/21 Virtual reality of Islam:Talks with Islam 舎さんのグローバルアメリカ政論にイランとの対話は可能か?(2006年12月15日 (金))というエントリーがありましたので・・・・本稿ではイスラム教という観点から欧米等と現在のイスラム教国との間で対話が可能なのかどうか?・・・っをちょっと探ってみたいと思います。
先ず僕の(個人的なですが)結論からすると
っと言わざる得ません。
その最大の理由は、イスラム(教)における現代の理論的(?)拠り所が”イスラム的な解決策”を穏健派、原理主義派(民族主義派)の双方が支持していることだと考えます。
このイスラム的解決策の前提となるのは世界のイスラム化が行われると、
ことであり、その理想社会とはあらゆる問題化が既に解決された状態として存在することを意味しています。
簡単に(乱暴な)表現すると
っという大前提が存在することになります。
Memo:
実際は、”運動論”だとか”部分社会”、”全体社会”等の各論があるんですが、アルカイダのビンラディンに始まって、イマーム、ウラマー等と称される”知識人”に至る人達の多くが、西欧型の「社会科学的疑問」は一切考慮の対象外のまま(疑問を考慮することさえ認められない)宗教的な信念に
依拠している為にその理想状態が将来に実現することは自明のモノとされ、必要なのはその為の方策ではなく、実現を担う主体さえ形成されれば良い・・・と理解しています。
現実の社会では各部分に甚だしい乖離が存在しているのですが、こうしたイスラム的解決策を信じている人達はそうした乖離を解消する橋渡しの概念を提示する必要性を認めることは全くしません(宗教的信念であるが故に疑われない、ということでもありますが・・・)
イスラム的解決論が
「イスラム教はイスラム共同体の社会生活の隅々迄包括的に規定する規範を示している」、「イスラム教的社会が実現すれば、それは理想的であるはずだ!」という信念に立脚した社会思想に宗教教義の解釈が変容している為なのですが・・・ある意味この理屈は非常に楽観主義に彩られた超理想主義
・・・っとでも言えるかも知れません。
一般的に(欧米のメディア等で)使用される「穏健派」という表現も実は、部分社会が全体社会に与える影響(運動)のプロセスを実力行使ではない方法(平和的、漸進的に”取り除く”こと)で、というだけの話であってその目標とする所はイスラム化による理想社会の実現であることに変わりはありません。
但、この理屈を聞いている限りでは(苦笑)、僕はある種自家中毒的と言うか、第三世界の多くで見受けられる「欧米型概念」を自国語で説明する際に自国語に該当する概念が存在しない為に、何やら回りくどい説明語になってしまい、その自国語の意味自体が不明確なモノになってしまうのと似ている
ように感じられてならないのも事実なのです。
代表的な論法としイスラム社会では有名なウラマー(イスラム諸学の学者)ユーフス・アル・カラダーウィーが示した解決策の論法を紹介してみますと
っと言っているんですが・・・・ご覧の通りにイスラム的であることが大前提となっていますからそのイスラム的とはどういうことか?に関しては自明なモノとされていることだけは理解出来ます(・・・・)
この論法の中では
というようなカテゴリーが(一応)定義されて(それなりに)詳細は語られてはいるのですが・・・・残念ながら、21世紀の現代に於ける”国家運営”にそれがら対応出来ている・・・とはどう逆立ちしても理解することが出来ないのも事実なのです。
Memo:
欧米ではどういう訳か、イスラム法なるモノが現代法に代わって運用されている風な理解から、そのイスラム法なるモノが欧米等の近代国家が保有する法律となんら変わらない構造や機能を持っていると誤解されがちですが、決してそうではありません。
コーランやHadith集等がその基本としているのは、社会を構成する最小単位である「家族」を基本としたいわゆる7世紀の狭い社会秩序を維持する為の方法(刑罰を含めて)は示されていますが、人口数千万人、違う宗派、民族を統合して一つの統一国家としてその秩序を維持する為の
行政のあり方やその執行方法、社会福祉(喜捨ではない)の運営方法、税制、選挙、議会運営、政治と政治家の役割、企業体、収益、など等といった国家を成立させる為のItemやそのItemを成立させる為の基本的な権利や国民としての義務等といったことには全く対応出来ていないのが現実なのです。
(このブログで僕がイスラム教は7世紀の呪縛からムスリムを解放しないのか?っと書くのもそうした理由があります)
ハマスが現実的なパレスチナ自治を確立出来ないのも、実はそうした背景が存在するからに他ならないのです・・・・。
更に、イスラム諸国なるモノが果たして実在しているのか?・・・・という疑問も(正直な所は疑問ではなく確信として、実在等していないと思いますが)あることは確かなのです。
独立経緯がどうのとか国境が欧米帝国主義によって恣意的になされた・・・などと言う気はありませんし、例えそうであっても、その後の国家建設の経緯を見るからには、能動的に独立した主権国家として自立しようという気概が見られなかったことも事実なのです。
(この部分を敢えて言うなら、徹底した他力本願主義と言うか責任転換主義とでも言うべき性格が、民族主義的なマルクス主義(バース等)を採用したりする傾向に現れている訳ですが・・・・)
最近はこうしたイスラム的解決策に加えて第三世界の人達に顕著に見られる「陰謀説好き」「オカルト説好き」が堂々と加味されてしまっていることで余計にその取り扱いが難しくなっていると言っても過言ではないのす。
(イスラエルや米国、UN:国連も同様に思われています:等に対する異常な迄の敵愾心はこうした陰謀説やオカルト説から導かれている場合が圧倒的だと言えます)
以前にも書いたように、理屈は理屈として理解は可能ですが、その理解の仕方の基本にあるものは常に
自分たちが既知の概念に未知のモノを全て置き換えて理解する
という方法のみが有効なモノとされていますので、未知の概念をそのまま既知の概念へと昇華させる手法は全くと言って良い程に採用されることはありません。
(第三世界:中東でも:「大学」と呼ばれる機関が欧米や日本で理解される最高学府と同等の機能を有している等とは絶対に言うことは出来ません・・・強いてそうしたモノに近い存在とするならば、非常にインフォーマルな特権階級の人間だけが教育を受けられる機関は極少数ですがあることはあります)
つまり、目にも見えず、手で触ることも出来ない未知の概念等を理解する方法自体を獲得出来ていない(敢えて獲得させていない)のです。
舎さんの上記のブログの中で
記述(理解)がありますが、僕はこの欧米型理解は決して欧米側が理解する民主化概念とは同一のモノである、という確証は存在しないと考えます。
(欧米型の文明生活をおくる:電化製品、IT、高層ビル等の存在:又はおくりたいという願望を民主化と言えっ!っというならそうだ!としか答えようがありませんが)
それでは、全く対話の可能性が無いのか?・・・っという問題に立ち返ってみますと、必ずしもそうではありません。
しかし、欧米型のTalksという領域ではその可能性はありません。
なぜなら、中東ムスリムの共通した認識の中には上記で上げた理屈以上に
という概念が根強く存在しているからに他なりません。
(中東諸国で何かイベントを開催する場合に、会場の表示に何人の有力者の名前をイベント名よりも先に列挙することが出来て、その”庇護の下に”イベントが開催されていることを表示出来ない限り何も出来ない、という事実があります)
すなわち、この「庇護の下に」という表現は疎外されていない証でもあり、その結果、具体的なイベントとして存在していることを意味しているのです。
そうであるならば、何処でも構いません、湾岸同盟国であろうが、現在のイラクであろうが、欧米(特に米国)と友好関係を築き上げた結果、その国家があの中東地域でイスラム教を保ちながら急激な近代化を実現し、欧米先進国の企業が多数活動し
国民生活が劇的に改善したモデル国家を作り上げてしまうしかないのではないか?っと考えるのです。
決して、現状のままで、強攻策(いわゆる飴と鞭政策)を実行したとしても、社会的宗教と化してしまったイスラム教や宗教評議会が支配する状況では、そうした現状を幾らでもコーランの文言に置き換えた説明が可能になってしまい、その上、陰謀説やオカルト説迄が
スパイスどころかその根拠として用いられてしまうのは避けようがありません。
彼らにも理解出来る方法、つまり現在自分達が信奉している理屈では乗り超えられない問題を欧米が言う自由・民主主義は解決可能なのだ!という具体的なモデルを示すことで疎外感ではなく身近な憧れや共同感といったモノを育て上げることが重要なのだ、っと考えます。
2006/11/29 Normal diplomatic relations イラクのタラバニ大統領がシリア、イランとの外交関係の確立に奔走しているようです。
【カイロ高橋宗男】
1980年に始まったイラン・イラク戦争を機に断交していたイラクとシリアが21日、国交の完全回復で合意した。イラク訪問中のムアレム・シリア外相とイラクのジバリ外相が合意文書に調印した。ロイター通信などが伝えた。
イラクからの報道によると、ムアレム外相はシリア国境からイラク国内への武装勢力の侵入を阻止するため、国境警備でイラク側と連携を強化する方針を表明した。両国は治安問題を協議する合同委員会の設置や通商関係の拡大などでも合意した。
国交回復により、イラク政府は国境管理などでのシリアの協力を国内の治安改善につなげたい考えだ。米国のイラク政策見直しを進める超党派組織「イラク検討グループ」はシリアなどとの対話の可能性を検討中とされ、シリアにはイラクとの復交を足場に対米関係改善に道を開く狙いがあるとみられる。
イラクの旧政権とシリアはともにアラブ社会主義政党「バース党」を政権政党としながらも、党の正統性をめぐって対立していた。イラン・イラク戦争でシリアがイランを支持したことなどを受け、イラクは80年10月、シリアとの国交断絶を発表した。両国の通商関係は97年に回復している。
(毎日新聞) - 11月21日21時30分更新
【テヘラン春日孝之】
イラクのタラバニ大統領は27日、イランの首都テヘランに到着し、大統領府でアフマディネジャド大統領と会談した。イラク治安情勢の改善に向け、タラバニ大統領が「イランの全面支援」を求めたのに対し、アフマディネジャド大統領は「いかなる支援も惜しまない」と約束した。
イラク正式政権発足後の大統領のイラン訪問は初めて。
イラン学生通信によると、タラバニ大統領は「イラクがテロと戦い、治安の安定を得るにはイランの全面的な支援が必要だ」と述べた。アフマディネジャド大統領は「イランの国民も政府も必ず、兄弟であるイラクの隣に立つ。治安改善のための支援に制限はない」と応じた。
タラバニ大統領は25日にテヘラン入りする予定だったが、イラクの首都バグダッドで23日、03年の米軍のイラク占領以来、最悪の約200人が死亡する連続爆弾テロ発生を受けて延期していた。アナン国連事務総長は27日、「イラクは内戦寸前」と述べるなど、イラクの治安は悪化の一途をたどっている。
イラン国営テレビによると、アフマディネジャド大統領は会談で、イラクへの治安協力について「イラクの安定はイランの、そして中東全体の利益でもある」と述べた。
だが米国は、イランがイラクのイスラム教シーア派の一部武装組織を支援し、治安を悪化させていると非難している。イランは「米軍の存在が暴力の連鎖を招いている」と反発し、米軍の早期撤退を求めている。
アフマディネジャド大統領は「米国がイランへの態度を改めるならイラク安定化に協力する用意がある」と表明しているが、イラン単独ではイラクへの影響力は限定的との見方が強い。
イランとしても本格的にイラクの安定を目指すためにはシリアや親米アラブ諸国の協力は欠かせず、米国の出方を探りつつ、今後のイラクへの関与を見定めようとしているようだ。
(毎日新聞) - 11月28日10時50分更新
【カイロ28日時事】
イランからの報道によると、最高指導者ハメネイ師と同国訪問中のタラバニ・イラク大統領が28日、会談した。この中で同師は「イラクの治安問題を解決するための最初のステップは、占領者が撤退し、治安権限をイラク政府に移譲することだ」と述べ、イラク駐留米軍の撤退を求めた。
ハメネイ師はイラクでの治安悪化は地域のすべての国にとって害になると指摘、「イランは、イラクの治安回復を助けることは宗教的、人間的な任務であると考える」と述べ、イラクへの援助を約束した。
(時事通信) - 11月28日23時1分更新
こうした方向性は非常に良い兆候であるのは確かですね。
なぜなら、現在のイラク政府は(一応)選挙で選出された正当な政権な訳ですから当事者として近隣諸国間への外交活動も自前で行わなくてはならないのですから・・・・。
当然、イラク政府としては、アラブ系湾岸諸国よりも先に、シリア、イランとの間での関係正常化を優先しなくてはならない事情を抱えている訳ですから。
旧フセイン時代はそれこそ武力でのアラブ社会とペルシャ社会の防波堤に自らなることを目指していた訳ですが新生イラク政府はそうした方法ではなく、外交という、いわゆる常識的な手法を使う方法を選択することにした(ちょっと持ち上げ過ぎですか?苦笑)。
まぁ、本音としてはシリア、イラン共に関係正常化が出来れば、テロリストへの支援という武器、資金供給等を行うことは大っぴらに出来なくなりますし(現在でもそう大っぴらにやっている訳ではないでしょうが)、宗派対立を煽る様な偏った(シーア派のみに等といった)肩入れも実は出来なくなる(だろう)
・・・というのが狙いとしてあるのは自明な訳です。
国家間の関係正常化・・・と言うのは別に友好国関係になることを必ずしも意味していない訳で、主権国家と主権国家との間で、いわゆる内政不干渉原則をお互いに遵守する、という結果も自動的に成立させることになるので、
イラクの内政が落ち着く迄(当然落ち着いた後も)”要らぬお節介”はしてくれるなよ!という状態を生み出すことで、復興を加速させられる(だろう)っということでしょう。
こうした条件が整うことで、国際社会(特に米国等)はシリアやイランがイラクに対して何がしか不穏当な言動を示した場合に公然と非難することが出来るようになる(当事者のイラクもそうですが)。
敵対関係や外交関係が無い状態で相手側の不穏当な言動に非難をすることは、正常ではない関係を殊更悪化させる確率が高い上に、正常な関係ではないが故に相手側にもその正常ではない関係のだから・・・という理屈を与えてしまう訳ですが
一旦、関係が正常化することによって、その正常化を脅かす原因がどちらにあるのか、を明確にすることが出来る・・・ようになります。
つまり、現在のイラク政府がシリア、イランの双方とに関係正常化の方向で接しているにも関わらず、その正常化を脅かすようなテログループへの支援等を継続した場合、元凶は一方的にシリア、イラン側にある!っと断定することが出来るようになる、ということに他ならない訳です。
シリア側はこのUN的な理屈はある程度理解出来るとは思いますが、イランのハメネイなんかが理解出来るかどうかですね。
イランに対してイラクの治安問題解決の為の助力を求める・・・っということは取りも直さず、イラク国内におけるイラン系シーア派によるテロ行為を沈静化させてくれ!っということですから、これで本当にサドル一派を筆頭にしたシーア派武装勢力のテロ行為が沈静化したら、
イランが彼らのテロ行為に確実に関与していた証拠になってしまいますし、沈静化しなかったらイランの影響力は懸念するような規模のモノではないことが明らかになってしまう。
サドル一派にしても、このような現状をどのように把握しているのか?ですね
[テヘラン 16日 ロイター]
パレスチナ自治政府のザハル外相は16日、イスラム原理主義組織ハマス主導の同政府に対してこれまでイランが行った財政支援は合わせて1億2000万ドルにのぼるほか、追加支援を表明していると述べた。
イランは4月、西側の財政支援停止に伴うパレスチナの資金不足を補うため、5000万ドルの支援を表明した。
ザハル外相は記者団に「イランはこれまでに、パレスチナ自治政府に合わせて1億2000万ドルの財政支援を行っているほか、追加支援を表明している」と語った。
(ロイター) - 11月17日13時51分更新
ハマスにした所で、1.2億ドル(約120億円)程度の支援で、パレスチナ自治政府とはいえ、パレスチナ全体の”国家”運営等出来る訳もなく、せいぜいが限定地域での限定された住民への金のばら撒きやテロ行為に使うのがせいぜいの金額でしかない。
(一つのテロ組織にしたら莫大な金であっても、一国の経済を賄える金額ではないことを、誤解していた節が伺える・・・ヒズボラのナスララにしても同様でしょう)
パレスチナとは比較にならない大国のイラクだからといってこの支援金額が一桁も二桁も増額(石油収入に資金的には問題はなくても、イラン自身が国内の失業問題や原子炉:出来るかは別にして:やその他の国防費用等に回さなくてはならないでしょうし、
革命評議会:宗教評議会:の連中が支援額を増額する程太っ腹だとはちょっと思えない:早い話がケチでしょうから)出来るとも思えない。
例えアフマデネジャドが関係正常化に伴うイラクに対するイランの立場の変化を理解したとしても宗教評議会側が「イラクがイランに対して助力の要請をして来た」事実をイランに対して”頭を下げに来た”っと浮世離れした坊主の視野狭窄で判断を下してしまったとすると
アフマデネジャドのあの常軌を逸したような大口での声明が逆に仇となってしまう・・・・宗教評議会の間抜けた決定に従えば国際社会から公然と非難される結果になり、従わなければイラン内部で粛清されてしまう・・・・・
今後の推移を見守りましょう・・・・
2006/10/4 The right reconstruction aid?: Iraq Samawah MSN毎日にIraq Samawahに関する気になる記事がありましたので・・・
イラクではイスラム教シーア派とスンニ派の宗派間対立が激しさを増している。同国南部を中心にシーア派反米強硬派のムクタダ・サドル師率いる民兵組織マフディ軍が勢力を伸長、陸上自衛隊が今年7月に撤退したムサンナ県サマワでも治安悪化の兆候が出始めた。
復興への道筋には暗雲が垂れこめている。【サマワで小倉孝保】
★マフディ軍台頭
イラク南部の拠点バスラから北上する途中、何度も多国籍軍の車列とぶつかったが、ムサンナ県に入ると外国兵の姿は消え、イラク軍と警察が目に付くようになる。多国籍軍のいなくなった同県で治安の最大の懸案要因はマフディ軍の台頭だ。
県警によると最近、同県内でマフディ軍に加わる若者が急増。現在のメンバーは約7000人で、警察官(約6000人)の数を上回るという。
サマワの目抜き通りの円形交差点に9月上旬、サドル師の肖像画が掲げられた。自衛隊がサマワと日本の友好を記念して設置した石灯ろうの碑があった場所だ。サドル師派同県代表のイマッド・シャマリ師は「碑は日本による占領の象徴だった。肖像画設置で市民は占領拒否を表現したのだ」と語る。
マフディ軍にシーア派の若者が引きつけられている背景には、バグダッドを中心に激化の一途をたどるスンニ派との宗派対立や、改善の兆しが見えない失業状況などがある。
マフディ軍の台頭はイラン国境に近いアマラやムサンナ県に近いディワニヤで顕著で、同軍が都市の大部分をコントロールしており、イラク軍や多国籍軍との大規模衝突が起きている。
★元大統領派も転身
サマワのハッサンさん(28)は最近、マフディ軍に加わった。旧フセイン政権時代には若者たちで作る親フセイン派のゲリラ部隊フェダイン・サダムのメンバーだった。ハッサンさんは「各地でシーア派とスンニ派が殺し合っている。シーア派を守るために戦おうと思った」と動機を語る。
マフディ軍との関係は不明だが、自衛隊撤退後、サマワでは旧バース党幹部の暗殺、シーア派のシスタニ師派代表の暗殺未遂などの事件が発生した。失業状況改善を求めるデモでは警察と住民が衝突し、双方で計12人が死傷した。
★UAEに移住
自衛隊を支援した住民にも不安が広がっている。サマワの日本友好協会会長を務めていたアンマル・ヒデル氏は経営する宝石店などを爆弾テロで破壊された。同氏はアラブ首長国連邦(UAE)への移住を決意し、ビザを申請した。
それでも、シーア、スンニ両派が混在し、宗派間衝突の絶えない地域に比べ、シーア派主体のムサンナ県の治安は比較的安定している。このため、サマワにはバグダッドやイラク中部バクバから宗派対立を避けて国内避難民が流入、既に数百世帯が移り住んだとされる。
★パン屋に行けず
バクバで駐車場などを経営していたモルタダさん(40)とダーファルさん(32)兄弟は9月15日に移住した。いとこがスンニ派過激派に殺害され、知人がテロで子ども4人を失ったのがきっかけだ。「この10カ月間、パン屋にさえ行けなかった。
毎日、近所の誰かが殺された」とモルタダさんが語る。避難民の増加はイラク各地で深刻化する治安悪化を物語っている。
毎日新聞 2006年10月3日 東京朝刊
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
陸上自衛隊が2年半駐留したイラク南部ムサンナ県サマワで、日本政府から贈られた大型のアスファルト製造機器類が野ざらしになっている。組み立てられないまま放置された機器は、関係者間の行き違いから復興支援の一部が「空回り」している実態を象徴的に示している。
サマワでは、改善しない生活環境に対する住民の不満を吸い上げる形でイスラム教シーア派強硬派が勢力を拡大している。復興支援を通じて自衛隊が刻むはずだった友好の記憶は遠のきつつある。【サマワで小倉孝保、社会部・反田昌平、外信部・草野和彦】
◇契約手違い受け取り拒否--1億円の「アスファルト工場」
サマワ中心部から車で約10分の砂漠に真新しい機械が姿を現す。長さ十数メートルの金属の塊が酷暑の陽光を照り返す。外務省が「草の根無償資金協力」でサマワ市に提供した機器類だ。契約額約1億円。組み立てれば「アスファルト工場」になる。
だが、同市が機種違いを理由に受け取りを拒否し、10カ月間、一度も使われたことがない。
サマワ市は昨年8月、「イタリア製または他の欧米諸国製の提供」との内容で日本外務省、地元請負業者と契約した。しかし、同年11月に到着したのはアルメニア製だった。「現物を見て驚いた。約束と違うとは思いもよらなかった」。同市のハイダル・アベド・ジャベル民生局長が語る。
請負業者のナウィール・アムラス社長(35)はアルメニア製への変更を外務省に相談したと主張、「イタリア製だと8カ月も輸入が遅れ、価格も予算を超える」と釈明する。製造機到着の数日後、外務省側は「日本からの贈り物だから受け取ってほしい」と市に説明、契約書の修正を提案した。
だが、ジャベル局長は「市は受け取るわけにはいかないとつっぱねた」と話す。
外務省は業者に契約金全額を支払い済みだ。現場で調整にあたった同省国際協力局無償資金・技術協力課の近藤茂課長補佐は「業者には契約通り納入するよう指導した。
欧米製でないアスファルト製造機が届いて市が受け取りを拒んでいるのは不幸だが、イラク人の現地スタッフを通じて受け取るよう働きかけを続けている」と説明している。
◇ ◇ ◇
「宿営地の引き継ぎ式典を準備していたが、私たちにも知らせずに姿を消した。4時間前に裏門から逃げていた」。7月16日の陸自撤退をイラク陸軍幹部が振り返る。地元住民による空調機器などの備品略奪も起きる中、
宿営地がイラク陸軍に渡ることに反対する部族関係者ら約30人が同日早朝から正面ゲート前に座り込んでいたため、陸自は裏門を選んだのだ。
陸自幹部は「混乱を避け安全に出るためだった。式典は行えなかったが、イラク陸軍部隊の到着を待って出発した」と説明する。だが地元住民に祝福されるはずの任務完了は隠密下での引き揚げという結果になった。
宿営地には高性能の浄水設備や空調機器などの高価な備品があった。生活・社会基盤の再建途上にあるイラクで宿営地は「高根の花」で、現在、「跡地の使用権をイラク陸軍、ムサンナ県、部族が主張している」(イラク陸軍幹部)状態だという。
ロケット砲の攻撃にも耐える施設を持つ宿営地の特性に配慮し、陸自は譲渡先にはイラク陸軍が適当と判断。ムサンナ県一帯を担当するイラク陸軍部隊が使用することで同県知事の了解を得て引き渡したという。
しかし、県知事の秘書は「県は宿営地の使用や備品引き渡しを協議する委員会の設置を自衛隊に求めていたが、突然の撤退で十分に協議することができなかった。撤退は混乱を招いた」と主張する。
◇ ◇ ◇
陸自がサマワ撤退を完了して2カ月半。学校修復、給水活動、道路補修など日本による復興支援の現場を歩いた。住民には一定の評価を得ているものの、課題も残した。サマワの今を報告する。<2面につづく>=次回から2面に掲載
毎日新聞 2006年10月3日 東京朝刊
<1面からつづく>
◇背景に弱い行政基盤
「動かない支援」はイラク南部サマワの砂漠に放置されたアスファルト製造機だけではない。低所得層360世帯が暮らすサマワ市エリアット・サカエア地区の集合住宅群。3階建ての住宅敷地内にフェンスで囲まれた発電機が置かれてから1年以上、ごう音を響かせたことは一度もない。
「エアコンが要る夏の間、発電機は何の役にも立たなかった。どうして日本はこんな物を贈ったのか」。住民のユセフ・カードムさん(26)が不満をもらす。外務省は昨年6月、ムサンナ県を通じてこの住宅群に発電機9台(契約額約1億4000万円)を供与したが、
今では燃料も入れられず、「宝の持ち腐れ」状態が続いている。県が「地元業者が納入した発電機が中古だった」として契約違反で業者を刑事告訴した上、損害賠償を求め民事訴訟を起こしているのだ。
タヘル・アリ・ハッサン県電力配電局長(51)は「問題の所在は業者にある」としながらも、外務省の業者選定に疑問を投げる。「なぜこの業者を選んだのか。日本が選んだ業者には(今回に限らず)ほとんど経験のない企業もあった。だまそうとする業者が多いことを知るべきだった」
◇ ◇ ◇
復興事業は地元業者との契約に基づいて実施されたが、業者選定を巡っては不満を抱く住民や地元自治体関係者が多い。サマワで建設業を営むハーディ・カルナンさん(71)もその一人だ。「自衛隊に雇われていたイラク人の技師と通訳が選定にあたり大きな力を持っていた。
彼らにカネを渡さなければ仕事が取れなかった」と主張する。
自衛隊幹部は「仕事をまかせる業者は工事の実績などを精査して決めており、偏った業者選定はしていない。自衛隊が手がけた工事は完成時に点検もしており、ずさんなものはない」と説明、「不平は工事が取れなかった業者から出ているのではないか」と推測する。
だが、土木業者の一人は「旅券でも何でもイラクで偽造できないものはない。実績を偽るのはたやすい」と反論する。
セメント製造以外ほとんど産業のないムサンナ県に自衛隊駐留は、かつてない「特需」をもたらした。旧フセイン政権時代には20軒ほどしかなかったサマワの土建業者は今、1000軒以上を数えるという。「日本の仕事を取るために経験のない者が会社を作る例が相次いだのだ」。カルナンさんが指摘する。
◇ ◇ ◇
支援空転の背景には現地行政基盤の弱さがある。ムサンナ県が「中古品」と主張する発電機について外務省は「部品の製造番号などを調査した結果、新品だと考えられる」との立場だ。燃料代などの運転・維持費が予想以上にかかったため、県が「言いがかり」をつけたとみている。
アスファルト製造機に関しても外務省筋は「責任を取れるサマワ市幹部がいれば問題は大きくならなかった」と語る。旧フセイン政権崩壊後、行政能力の高い旧バース党員が公職追放され、法整備も進まず、政府・自治体の能力に問題が多いのは否定できない。
だが、イラク側に落ち度があったとしても、支援の恩恵をこうむるはずだった住民の間で「日本への失望」が募るという不幸な結果を招いている。【サマワで小倉孝保、社会部・反田昌平、外信部・草野和彦】=つづく
毎日新聞 2006年10月3日 東京朝刊
◇絶大な影響力との「戦い」
「オランダ軍に比べ自衛隊は地元の部族に配慮していた。自衛隊を守ったのも、攻撃したのも同じ部族だった」。イラク南部に駐留するオランダ軍と自衛隊の双方の宿営地で通訳として働いた経験を持つ30代のイラク人男性が証言する。
自衛隊はサマワ駐留で有力部族ザイヤード族が所有権を主張する土地(384万平方メートル)を宿営地に使い、年間30万7600ドル(約3300万円)を借地代ではなく「謝礼」名目で支払った。元通訳によると、土地提供の見返りにザイヤード族は宿営地で働く地元スタッフを身内から雇用するよう要求したという。
防衛庁は「宿営地の土地所有者はイラク政府であり、部族は土地使用者にすぎない」(同庁幹部)との立場だ。陸幕幹部は「宿営地の警備補完のため警備員を雇い、給料を払っていた。雇用に際し身元や犯罪歴の有無を調べた」と認めるが、
雇用が特定部族に偏ったかどうかは「部族はいろいろあり分からない」と説明している。
だが、ザイヤード族のメンバーや宿営地で働いていた通訳は自衛隊が「宿営地内の警備員(約40人)のほぼ全員、運転手(約30人)のほぼ半数をザイヤード族から採用し、宿営地外でも同族メンバーを警備員に雇っていた」と主張する。
イラク南部は部族社会だ。交通事故や殺人でさえ部族間の話し合いで解決が図られ、警察・司法当局が介入できる余地は少ない。旧フセイン政権崩壊後、バース党の武器が部族に渡り、部族の力が強まったとされる。
ザイヤード族の中の一派は「荒い」性向で知られ、自衛隊が要求を拒否する度にデモを起こしたという。ムサンナ県警のガーネム・アジズ副本部長は、宿営地を狙った散発的な迫撃砲攻撃も「部族の仕業に違いないが、部族と問題を起こすことはできず、取り締まりは難しかった」と語る。
自衛隊が撤退した今、ザイヤード族内の数派が宿営地跡地の所有権争いを繰り広げている。
◇ ◇ ◇
復興事業でも部族の圧力があったと業者が指摘する。宿営地周辺のコンクリート壁設置やエアコン納入など自衛隊の契約を受注したある業者は「ザイヤード族に頼むと、次々に仕事が取れた」と明かす。成功報酬として受注額の3割を部族長に手渡したと話す。
自衛隊幹部は「部族の言いなりにはなっていない」と「部族優遇」を否定する。実際、宿営地で働いていたイラク人は「部族の無理難題を自衛隊は度々、拒否していた」と証言するが、先の業者は「部族の要求を自衛隊が拒否したためコンクリート搬入を阻止されたこともある」と振り返る。
ザイヤード族の成人男性は約5万人。警察幹部や裁判官の輩出人数でも他部族を寄せ付けず、地元社会での影響力は絶大だ。部族長のサーデク・モタッシャ・ファハドさん(35)は「我々が自衛隊を守った。ここは部族社会。『部族を優遇するな』との批判は非現実的だ」と語る。
弟が経営する建設会社はファハドさん宅の周辺道路1・5キロの舗装事業を自衛隊から請け負ったという。
衝突による一人の負傷者も出さず、一発の銃弾も撃たずに帰国した自衛隊。その活動の裏には不慣れな部族社会との「戦い」があった。【サマワ(イラク南部)で小倉孝保、社会部・反田昌平】=つづく
毎日新聞 2006年10月4日 東京朝刊
この毎日の記事を引用するのは、日本(自衛隊)が実施したサマーワに対する支援を非難することが目的では決してなく・・いえ、逆に不慣れなイラクで奮闘していたであろう自衛隊への同情を禁じえないからなのです・・・(毎日の論調も後半になるとそうした傾向が強くなっているようですが。。。)
冒頭の”シーア派民兵に若者の志願急増”と自衛隊の復興支援その後の記事とは、根っこが同じモノだという印象を僕は受けるんですが・・・
米軍主体の同盟国軍が行った旧フセイン政権の崩壊はバース党の放逐も伴った為にいわゆる”行政能力の崩壊”も招いた訳ですが、僕は毎日が書いている論調にはちょっと同意出来ないんですね、それは
”行政能力の高い旧バース党員が公職を追放され~”・・・っという部分、いわゆる主語がないんですね、正しくは「旧フセイン政権下に於いてはバース党主導型の人的解釈幅の大きな法律の下、上意下達型行政能力だけは高かったバース党員」(長いなぁ・・)であって
彼らが仮に公職追放をされていなかったとしても、彼らがフセイン政権が消滅した後の新しい法体系を整備出来たか?は限りなく怪しい。
故に、自衛隊が存在した地域では(全イラクがそうなんですが)行政を執行する為の全てのインフラが消滅していたと理解しても問題はなかった訳です。
ましてや自衛隊員に限らず、米軍でも(他の駐留した軍隊も全てが)、その兵士達が直接接するイラクの人達に対して
「もう、フセインとバース党の圧制はありません!貴方方は自由です!」っという言動を採ったはずですから・・・・それ迄、言っても分からん連中なんだから、力でそんな連中は従わせろっ!っと言う中で暮らしていた人達の・・・いわゆる「言っても分からん」部分が一気に噴出してしまった。
行政を行うには、例えどんなに小さな地域であっても税収の確保とその公正な社会還元の為の法整備は欠かせない(前ログのハマスの弱点でも書いていますが)訳ですが、自衛隊”特需”による土建会社の乱立(東ティモールの国連特需と同様の)は起こっても
バクダット以外での教育の機会均等等は絵に描いた餅だった訳ですから、人的(知識、技術、経験etc)インフラ等実は自衛隊の行う基礎的な土木工事の下請けでさえもかなり危なっかしいモノであったはずです。
米軍等の攻撃によってハードは無くなってしまったが人的(専門知識や技能を持った人材)資産は残っているので、ハードさえ補ってくれたら何とか出来る・・・そんな状況ではサマーワに限らずイラク全土がなっていなかった。
(此処で”米軍等の攻撃によって”っと書いてはいますが『元々そんな人的資産等存在していなかった』・・・が正しいと思われます)
9割9部以上は日本の防衛庁側のコメントが正しいのですが、残念なことに現場にいた当事者は既に日本へ帰国し、現地で生活をし続けなければならないサマーワの人達との間ではその価値観や制度解釈の違いから水掛け論になってしまうでしょうし
防衛庁も外務省等と今回のサマーワでの報告から今後の対策を再検討しているとは思いますが・・・・やはり、日本、自衛隊等に限らず欧米の第三世界に対する支援の方法は誤解されたまま実施された・・・(カンボジア、東ティモール等での学習が全く役に立っていないのではないか?っとさえ思える)
僕は以前にもイスラム諸国での軍事行動を伴った介入では「圧倒的な数量によって戦意を喪失させ、民兵等の武装解除を一旦行うことで”新統治者”としての立場を明確化した後に慈悲を持ってその地域の治安維持に民兵組織を再編成する」手法を
採用しなかった米軍のEBOドクトリンが間違いだった、としている訳ですが、自衛隊の手法も実は彼らの立場がサマーワに於いては完全な上位者であることを示さないまま、地元の長老等に敬意を表して「話し合い」に望んでしまった為に、今回のような齟齬が生じてしまった、っと言っても過言ではないんです。
(地元部族の難癖的要求を度々拒否していた・・・っと言うのも、初手の段階で自衛隊が相手の要求を拒否出来る立場であることを明確化していない限り、相手からは何で拒否するんだ?何か他の部族への魂胆があるな?っとなってしまうばかりか、
強気で押せば:交渉役としての面子からも:自衛隊は妥協する・・・つまり、自分たちが自衛隊よりも優位に立つことが出来る、という認識を持たせてしまう)
小泉前首相が委員会答弁で「自衛隊の居る所が非戦闘地域だ!」っと言うのであれば(ちょっと苦しいですが)、サマーワだけでも豪州軍と連携して、一度完全包囲した上で、行政機関の再編成の為の要員(日本の地方自治体行政と同じに考えても問題はない)を自衛隊と同時に
送り込んで、租税制度も含んだ技術的な行政システムを作り上げる支援を行い、自衛隊特需だけではない、地元の人達が「小規模なビジネス(土建会社だけではない)」を始められるマイクロ・クレジットを早急に開始する・・・等の重層的で複合した支援を
自衛隊を中心に実施すべきだった(あの段階では無理な話だったでしょうし日本では現在でもCIMICが機能する以前の段階なのですから・・・)
しかし、こうした状況は何も自衛隊に限った特殊な話では絶対にありません、米軍も、英軍も、巨額な戦後復興事業を請け負ったと盛んに非難されていた米国の民間会社でもその実情は何も変わっていないはずなのです。
イラクは産油国ではありますが、旧フセイン時代でさえも実質的なモノ・カルチャー経済しかなかった訳ですから、公務員、石油関連業種以外の税金をキチット支払えるだけの仕事は存在していなかった。
つまり、経済構造自体がある特殊な利権をめぐる小判ザメ商売しかなかったのですから、個々の責任で多様な経済活動を実施する・・・・といういわゆる自由・民主主義経済に関する知識も何も一般的なイラク人は持っていないのです。
先進国の皆さん!・・・貴方方が様々な形で(良かれと無邪気に信じて)介入する第三世界の実情とは貴方方が夢想してる程単純なモノではない!っということを理解して頂きたい!っと切にこの毎日の記事から痛感させられます。
2006/10/3 Palestinian Now:Wanted! Technocrat・・・ やれやれ、っと言うことでしょうか・・・・ハマスの弱点が露呈し始めてしまいました・・・・
(珍しくasahi.comからも記事を引用しています・・・)
【エルサレム前田英司】
イスラム原理主義組織ハマス主導のパレスチナ自治政府は2日、政府機関の全機能を一時停止すると発表した。給与未払いへの抗議に乗じてパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハが政府施設を狙うなど、激しい「反政府デモ」を展開していることへの対抗措置とみられる。
ファタハ出身のアッバス議長、ハマス最高幹部のハニヤ首相がそれぞれ1日、事態の沈静化を呼びかけたが、ハマスとファタハの衝突は2日も続き、ガザ市の病院では銃撃戦などもあった。
政府機能の停止期間は1日程度とみられる。
毎日新聞 2006年10月3日 東京朝刊
【エルサレム前田英司】
パレスチナ自治区・ガザ地区のガザ市や南部ハンユニスで1日、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系の警官と、自治政府を主導するイスラム原理主義組織ハマス系の治安部隊が激しい銃撃戦を展開し、8人が死亡、100人以上が負傷した。
不払いが続く給与を求めてファタハ系が抗議デモを敢行し、ハマス系が実力で阻止に動いて自治政府の治安機関同士の衝突に発展した。
一方、ヨルダン川西岸ラマラではファタハ系武装集団がパレスチナ評議会の建物に放火した。
自治区内では経済危機脱出のため両者が模索した統一政府樹立構想が白紙に戻ったことで、緊張が高まっている。
ロイター通信によると、ガザ地区の負傷者の大半は一般市民で、子供のほか中東の衛星テレビ、アルアラビーヤのカメラマンも含まれているという。
ガザ市では9月30日にも、ファタハ系警官がタイヤを燃やして道路を封鎖するなど激しいデモを実施しており、シアム内相は同日、出身母体のハマス系の治安部隊に対しこうした動きの阻止を命じていた。
(毎日新聞) - 10月2日9時53分更新
【エルサレム1日時事】
パレスチナ自治区ガザで1日、アッバス・パレスチナ自治政府議長の支持基盤ファタハの影響力が強い治安部隊と、自治政府を率いるイスラム原理主義組織ハマスの治安組織が衝突し、ロイター通信によると、6人が死亡、50人が負傷した。
アッバス議長とハマスのハニヤ首相は近く、暗礁に乗り上げた連立政権樹立交渉をガザ市内で再開する見通しだったが、衝突激化で実現は困難な情勢となった。
(時事通信) - 10月2日1時1分更新
【エルサレム前田英司】
パレスチナ自治区・ガザ地区で発生したイスラム原理主義組織ハマスとパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの治安機関同士の衝突で、自治政府内務省は1日、ハマス系治安部隊に撤収を命じた。
ロイター通信によると、これまでに8人が死亡、100人以上が負傷して自治政府の「内部抗争」としては最悪の規模。ファタハ系が未払いの給与要求に乗じた「反政府デモ」を今後も継続すれば、衝突はさらに拡大する可能性もある。
一方、アッバス自治政府議長は1日、白紙に戻ったハマスとファタハの統一政府樹立に向けた交渉を再開する用意があると明らかにした。
(毎日新聞) - 10月2日11時57分更新
■ 「イスラエルを認めるべきだ」 パレスチナ政府副首相(asahi.com)
2006年10月02日06時56分 イスラム過激派ハマスが握るパレスチナ自治政府のシャエル副首相は9月30日、自宅のあるナブルスで朝日新聞と単独会見し、「自治政府はイスラエルの存在を認めるべきだ」と述べた。ハマス単独内閣の閣僚がイスラエルの承認を明言したのは初めて。
また、経済や教育、福祉などの専門家を集めた実務型の「テクノクラート内閣」の樹立を働きかける意向を示した。
副首相は8月中旬にイスラエル軍から「テロ攻撃への関与」を理由に40日間拘束され、9月27日に「証拠不十分」で釈放されたばかり。英国の大学で中東研究の博士号を取得した学者で、「(自分は)ハマスのメンバーではない」と述べた。
3月末にハマスだけで決めた副首相を含む単独内閣が発足して以来、欧米やイスラエルの経済制裁が続き、自治政府職員への給与支払いが滞るなど住民の生活は困窮している。制裁解除の3条件はイスラエルの承認、暴力の放棄、過去のイスラエルとの和平合意の順守だが、ハマス内閣は拒否している。
副首相は「国際社会の厳しい条件は住民を苦しめる結果となり、正しいとは思えない」と批判したうえで、「しかし自治政府が応じなければ、住民に奉仕する義務を果たすことはできない」と述べ、認めるしかないとの見解を示した。
個人的にイスラエルの存在を認めるかとの質問には「認める。実際、隣に国があるのだから」と率直に語った。
また、「私はハマスなど党派の制約を受けず、自由にものを言えるが、ハニヤ首相ら幹部はそうはいかない」と述べた。「ハマスの制約」とは「93年のオスロ合意でパレスチナがイスラエルを認めても、いまだに独立国家など何の権利も得られていないという失望の経験。
また、ハマスは宗教上の教義として、今のイスラエル領を含むパレスチナ全土がイスラム教徒のものだとしていることだ」と説明した。
自治政府の大統領に相当するアッバス議長が、自ら所属する穏健派のファタハとハマスの連立内閣を目指しているが、副首相は「経済制裁を解除するため、党派色のないテクノクラート内閣の樹立を現内閣の内外で訴えていく」と述べた。
どんなに小規模であろうが、いわゆる自治体を運営することの難しさ・・・を現在のパレスチナは見せている、のだと思います。
PLOが主体でハマスが一武装勢力であった段階では、イスラエルに対するインティファーダ等の武装闘争やテロによって被害を受けたパレスチナ市民に対する”見舞金”等の支給行為によってハマスの人気は上昇し、その結果選挙で単独政権を組閣出来る程の議席を獲得した訳ですし
ハマス指導者の中には企業家等も居るので、ある程度の政権運営は可能ではないか?っという憶測も流れたこともありました(当初から、僕はそうした考え方には懐疑的だったのですが・・・)。
しかし、冷静に考えれなら、自治体運営の場合私企業の収益に当たるモノは(Inside watch ASEAN Politicsの中でも触れていますが)”税収”になるのは誰でも理解出来る話のはずなのです。
欧米、イスラエルからの経済封鎖を受けたにせよ、イラン、ロシアからの資金援助があったにせよ資金援助レベルと行政府で働く公務員の給与(経費)も含めて、行政に欠かせない社会的インフラの整備、経済活動、更には住民福祉等の(行政)事業を運営出来るはずもない。
(自治区一つを行政的に丸々賄える支援をロシアもイランも如何にオイルマネーがあってもそう簡単に出来るはずも無い・・・ヒズボラも同様だ、ということですが)
行政府の絶対命題として「常に発注側と存在する」というモノがありますが、簡単に言うと「常に金を支払う側に居る」ということですから、財源確保がなされないままで金を使い続けること等(魔法のランプがあれば別ですが・・・)例え有能な企業家が居ようともそれはどう逆立ちしても出来ない相談だった。
仮に、ハマスが政権獲得後に、パレスチナの中で経済を活性化させる為の何らかの方策を採ったにせよ、パレスチナ住民からすると・・・これ迄、見舞金等の名目で何かに付けて金をくれていたハマスが政権に就いた途端に税金を徴収する・・・てな状態は話が違うに決まっていますし
ましてや、ハマスの外部に居た時でさえ金が貰えたのだから、ハマスの内部に入れば(公務員になれば)より金が貰えると信じ疑わなかった人達からすると、肝心の給与でさえも半年以上未払いのままになっている・・・・これは約束(勝手な住民側の思い込み?)が違うじゃないか!・・・・っとなるのは時間の問題だった。
ハマス政治部はともかく(元々発言力は弱いのですが)、軍事部門の連中からすると「政治部門は一体何をしているのか?」っと言う話もそろそろ出て来る可能性すらこの状態は示している訳ですが、逆に政治部からすると
行政、特に戦乱で荒廃した自治区の復興を行いながらの行政(住民福祉etc)を行うには、インティファーダだのジハードなど言ったりやったりしている暇などあろうはずも無い・・・現実そうなのですが、そんなことを軍事部門に進言しようものなら軍事部門の連中は
「我々を弱体化させる陰謀か?」みたいな話になってしまうのは目に見えてしまう・・・・・・
前ログの「Unpleasant U.S.A.??:中近東の未来」の中でも書いているように、指導者層ではない一般的なムスリムの普段の生活では欧米で思われている程イスラム教に固執した生活を送っている訳ではないのです(特にパレスナ住民は相当な個人主義、現実主義者でもある)。
ハマスが、武装勢力の際に実施した「慈善事業的な金のばら撒き作戦」は、ハマス自身に為政者(権力者)の優越感という幻想を抱かせることになってしまい、現実の生活に如何なるお題目よりもその対処を優先させなくてはならない一般住民が実はイスラエル殲滅等で一枚岩に等決して成り得ないことを
忘れさせていた・・・・というのが本当の所でしょう。
更に、パレスチナに天然資源が潤沢にある訳でもなく(あったとしても、それをハマス政権なりパレスチナ自身の資金力や技術力で取り出せずはずもなく、外資系に頼むにしても、ハマス憲章が存在する限り如何なる外国企業も請け負うことは出来ない)、観光資源はそれなにり潤沢にはありますが
現状で外国人観光客が訪れてくれる可能性は限りなくゼロでしかない(内戦の見学ツアー・・・冗談ですが)ばかりか、安全の確保以上に観光施設や道路等のインフラ整備が先ず行われないことには宝の持ち腐れでしかない・・・・
つまり、どういう方向から考えても、イスラエルとの紛争を終結させて、外的にも内的にも平和を実現させない限り税収確保の望みがない・・・・しかし問題は
を、大衆迎合的な金のばら撒きを一切排した上で(つまり、議論によって)決着させない限り、パレスチナの今日はあっても未来は成立しない。
(金のばら撒きをしたくても既にその原資が枯渇している・・・無い袖は触れない状況を住民が理解してくれるか?っという問題もかなり大きい)
優秀なテクノクラートを求めた所で、そのテクノクラートが腕を振るう状況迄もテクノクラートにやらせる・・・という話になると、理想主義でもあるハマスの存在自体が怪しくなってしまう、なぜなら、テクノクラートは現実主義でなければ行政等出来るはずもないから他ならない。
アッチコッチでドンパチやってる時は(表現は悪いですが)、ある種イベントが連日行われているようなモンで気分も高揚しているでしょうし、携帯口糧みたいな訳の分からない喰いモノでも問題はないでしょうが、一旦戦火や砲声、爆発音が止むと(完全停戦状態ではなくても)
小難しい説教を聴かされるよりは、暖かいまともな喰いモノに安心して寝られる場所・・・が優先されるのは一般住民からしたら当たり前の話でしかないのです。
中東名物の権力分配型の政治は得意だとしても、そんな談合政治等と住民を満足させられる行政・・・が同じレベルに存在している訳もない。
このままではハマスはその出番を維持することが出来なくなるか、ヒステリーを起こしてパレスチナの治安維持に強健を発動させてしまう・・・・・、ハマスにとっては正念場、っという所でしょうか・・・・
前ログやMikeさんのコメントへのレスでも書いている、イスラムグローバリズムを掲げるアルカイダはイスラム諸国でさえも実は受け入れがたいんだ、という話をasahi.comからのニュースが伝えています。
(但し、この報道は一般的なムスリムのモノではなく、権力者側からの拒絶感、というジャンルのモノです)
■ 過激派サイト監視を強化 見ただけで拘束も アラブ諸国(asahi.com)
2006年09月29日20時40分 インターネットで活動を活発化させている国際テロ組織アルカイダなどイスラム過激派に対し、アラブ諸国がいらだちを強めている。サイト開設者への厳罰導入を検討したり、単に過激派サイトを見ているだけで拘束したりする例もある。
ネットをテロの温床とみているためだが、監視強化に「行き過ぎだ」との声も出ている。
「君は、自宅で過激派サイトを見ているだろう。つかまりたくなかったらすぐやめなさい」
エジプトの政府系メディアで働くA氏(28)は9月上旬、職場の上司に突然呼び出され、警告された。A氏はジャーナリストとしての関心から、自宅のパソコンで、イラク・アルカイダ機構の公式サイト「アルヒスバ(善悪の判定)」を中心とする過激派サイトを頻繁にみていた。
ただ、それをもとに記事を書いたこともなければ、職場で話したこともない。どこから情報が漏れたのかといぶかるA氏に、上司は「治安当局から通報があった。うちの職員でなければ、君はすでに拘束されていただろう」と伝えたという。
エジプト紙アルマスリは最近、アルカイダへの関与が疑われた容疑者95人が拘束されたと報道した。拘束者の弁護士はロイター通信に「アルカイダとは無関係なのに、関連サイトをチェックしているというだけで拘束された人が複数いる」と訴えた。
当局は何らかの方法で閲覧者を割り出し、圧力をかけ始めたとみられている。
サウジ紙アルワタンによると、サウジアラビア政府の運輸通信IT委員会は9月中旬、「テロリストウェブサイト」作成者に禁固10年と罰金500万リアル(約1億5000万円)の刑を科す、などとする「反IT犯罪法案」を諮問評議会(議会)に提出した。
米軍の掃討作戦で水面下に潜ったアルカイダだが、ネットではなお活発に活動している。技術も向上しており、05年初頭までのようにハッカーによる攻撃で破壊されることも減った。破壊に備えたメール配信サービスもある。
サイトには、武器製造やアルカイダ傘下組織の作り方、オサマ・ビンラディン容疑者らアルカイダ幹部の活動や声明の専用サイト、自爆を主体とするイラクでの過激派活動の各種映像などが掲載されている。「アルカイダのネット運営に携わる職員募集」といった広告まである。
米政府が26日に公表した機密報告書「国家情報評価」も、イスラム過激派のさまざまなグループが連絡や宣伝、訓練や資金集めなどにインターネットをますます利用するようになるだろうと警告している。
インターネットの恩恵というのはプラス・マイナス両方のモノがある訳ですが(欧米的自由も同じですね)・・・・イスラムテログループにとってはこの上ない宣伝媒体な訳ですが・・・・これっていわゆるアメリカ製ですよね、彼らが最も忌み嫌う・・・・
まぁ~彼等からすると、どんな僻地の銃器バザールでも手に入る何処製かも分からないAKよりは性能抜群な米国製の方が、見た目の格好も良いし、洗練されて見えるので凄みも効くですけどね・・・・(???)
2006/9/19 External pressure named the reconstruction aid:Chosen justice 全く頭が痛いっと言うか、いつ迄経っても的確な行動を起こせないのはどっちなのか?
[国連 18日 ロイター]
アナン国連事務総長は18日、現在の傾向が続けばイラクは内戦に陥る重大な危険に直面しているとの見解を改めて示した。
事務総長は、イラク支援国会議の冒頭で「疎外と暴力という現状の傾向が長期間続けば、イラク国家が分裂し、全面的な内戦状態に陥る重大な危険がある」と述べた。
そのうえで、イラクの指導者らに対し、連邦制や収入の分配など未解決の憲法問題に関する見解の一致を模索することにより、宗派間および地域間の対立を克服するよう求めた。
(ロイター) - 9月19日10時47分更新
【イスラマバード=佐藤昌宏】
AFP通信によると、アフガニスタン南部カンダハル州で18日、自爆テロとみられる爆発があり、同地に展開する国際治安支援部隊(ISAF)所属のカナダ兵4人が死亡したほか、一般住民にも多数の死傷者が出ている模様だ。旧支配勢力タリバンが犯行声明を出した。
爆発当時、カナダ兵らは子供たちに文具を配布中で、自爆テロ犯は、この人だかりを狙って自転車で突入したらしい。現地の警察署員によると、子供の負傷者は24人で、うち4人は重体だという。
(読売新聞) - 9月18日22時47分更新
今更、UNの無能をとやかく言った所で始まらない話なのでアフガニスタンを筆頭にイラク、パレスチナ、レバノン等の地域で欧米のいわゆる「Justice League」は何をしくじったのか?・・・を再度考えてみましょう。
アフガニスタン・・・・この地では2種類の違うタイプの”外部介入”が進んでいる訳です、それは
の2つです(イラクは、後者の方は完全に発動する所迄は至っていない)。
この2点は共に欧米的な「破綻国家であるアフガンに正義と安定を取り戻す」ことを目的に行われているのは・・・・まぁ、百歩以上譲って間違いのないことだとは思いますし、欧米(露、仏etc)がその正義や安定を声高に叫べば叫ぶ程いわゆるダブルスタンダード的な
理論破綻を起こしていることも此処では目を瞑って、アフガン国内の実情と欧米的な正義と安定が如何に矛盾してかけ離れたモノであるのかが現在のアフガンの状況は如実に示しているのは確かなことです。
(欧米的)主権国家と言う様々な定義をどう解釈しようが(例えば、マックス・ウゥーバーが言う所の「Stateとは一定の領土内で武力の独占的行使を正当に主張出来る社会」・・・だとするならば)現在のアフガンは国家と呼べる状態には程遠い。
(タリバンの残存勢力、各地の軍閥は依然としてその武力を維持し、Nation:国民:としての統合度の低さとも連動し分断された”領土内:影響下地域内”に於いて、盲目的な敵対関係が常に存在する為に一般家庭であっても武器を維持している為に、武力放棄:武装解除:は即
自分達の生存の危機に結びつく自殺行為でしかない・・・・状況)
タリバン勢力の掃討時点から憂慮されていた事柄に、タリバン政権崩壊”後”、北部同盟を筆頭とした軍閥の悪行(内戦の責任、拷問、処刑、虐殺、略奪、強姦etc、etc)は何も問われずタリバンだけを処罰することに対する問題・・・・タリバン掃討後に分断された国家を
”統合する”はずだったモノ(安定を実現させる)が、選択的な正義を実施してしまったが故に「不正義」となってしまいアフガンを統合するはずが分断を固定化する破目に陥ってしまった・・・・
次に”戦後”復興支援という外圧の・・・・(何度もこのブログで書いている手法の極端なモノでもありますが)
の2つな訳ですが、1.は最も即効性はありますが現地の人間の能力開発が今以上に劣化する恐れが高いので国際社会が撤退した後は全てが元の木阿弥に帰してしまう可能性が高く、2.の方法では、目の前の現実が悲惨過ぎる為に一般的なアフガン国民にも援助を行う側にも
その効果がすぐに目に見えるモノではないが故に許容も支持も難しい・・・・
(このブログでは1.と2.を同時進行的に且融合した手法を実施すべき!っとしている訳ですが・・・そうした横断型で専門的総合力を必要とする支援:援助:の実施は実は先進国程難しい・・・・)
そうしたジレンマの結果(1972年の共和国成立時、旧ソ連撤退後の内戦状態、タリバン政権時代、タリバン政権崩壊後、一貫しているのは中央政府的な存在がその影響力を行使出来た範囲は首都カブール内に限られていた、と言っても過言ではない)、
復興支援又は援助景気の恩恵を享受出来た首都圏とその近郊の一部の成功者と地方(辺境地域、範囲外)の三百五十万人以上とも言われる餓死寸前の人達との間に明確な格差を生じさせ、持てる者と持たざる者の分断を確実なモノにしてしまったのです。
つまり、軍事的な行為も復興支援という行為もアフガンにもたらしたモノは「様々な分断を固定化した」に過ぎないことになるのです。
こうした全ての分断化が治安の悪化と深く関係しているのは言を待ちません・・・・昨年の地震被害等もそうした状況に追い討ちを掛けることになった訳ですが。
イスラム原理主義のタリバンを軍事力によって排除したことは必ずしもアフガンに(欧米的)自由を回復した訳ではなく、逆にタリバンを支えたパシュトーン族の排除(殲滅)と言う結果として現れた為に部族間の分断(生存の危機)を拡大させたことになり
旧ソ連や軍属の追い出しとは違う意味でのテロ行為や戦闘行為の目的をタリバン残党に持たせることになってしまった・・・・
カルザイの責任や、アフガン国民の復興意欲のなさを指摘するような欧米概念には全くその意味性を認められばかりか傲慢、不遜の何物でもないことを、本稿では敢えて明確に指摘したいと考えます。
元々、欧米概念である「主権国家」等存在していなかった地域に於いて(故に欧米はタリバンをアルカイダを匿い引渡しを拒否しようが先制攻撃に踏み切ったのでしょうから)欧米概念どころか非常に「人工的で作為的な主権国家」を作り出そうとしたのであれば
(対テロ戦争の成功事例をアフガンに求めたことがその証拠でもあるのですが)その行った軍事行動もその後の復興支援等も圧倒的で完全な無選択な正義を実施すべきだったでしょうし、すべきなのです。
現在のアフラニスタンの現実の前には、如何なる欧米のレトリックもその矛盾を曝け出しているのです。
人道、平和、自由・民主主義等の世迷言を言ってる暇があるのなら、餓死も凍死もしないだけの食料とその食料が安定的に入手出来る環境の実現を可能にする具体的な方策を速やかに検討し実行に移さない限り国際社会が求めるモノは何一つアフガニスタンでは実現しない状況にある
・・・ということを理解すべきなのです。
2006/9/13 Do not say a farce・・:Terror attack to US Embassy. Who? テロリストのすることに辻褄を求めて仕方がないことなのですが・・・・どうもこのニュースは。。。
【カイロ高橋宗男】
シリアの首都ダマスカス中心部で12日午前、米国大使館を狙った襲撃事件があり、4人組の武装グループと警備中の治安部隊との間で銃撃戦となった。国営シリア・アラブ通信によると、4人組のうち3人が死亡、1人が重傷。治安部隊の1人が死亡した他、通行人ら13人が負傷した。大使館関係者は無事だった。
同国のアブデルマジド内相はシリア国営放送に対し、「テロ行為だ」と断言した上で、背景などの詳細について調査を進めていると強調した。
米同時多発テロから5年の11日には、中東の衛星テレビなどで国際テロ組織アルカイダのナンバー2、ザワヒリ容疑者がイスラム教徒に対し、米国の権益への攻撃強化を促すビデオ声明を放映。しかし、今回の犯行グループとアルカイダとの関係は今のところ不明だ。
現場は各国大使館が集まり、シリア政府高官らも居住する特別地区。国営放送によると、武装グループは車2台を使用。1台を爆発させようとしたが失敗した。しかし、別の1台は銃撃戦中に炎上したとみられる。
シリアでは70年代後半から、イスラム原理主義組織ムスリム同胞団が反政府活動を活発化させ、シリア政府は20年以上にわたってイスラム原理主義組織に細心の注意を払い続けてきた。秘密警察組織や盗聴網によって、反政府グループを政府の監視下に置き、摘発を続けている。
シリア当局は04年4月、イスラム過激派によるカナダ大使館への自爆攻撃を阻止したと発表したほか、今年6月にも国営放送への攻撃を阻止したとしている。
毎日新聞 2006年9月12日 20時13分 (最終更新時間 9月12日 23時37分)
【ワシントン笠原敏彦】
米同時多発テロ後5年の翌日にダマスカスの米国大使館がテロの標的にされたことは、米主導で対テロ戦争を進める困難さを改めて浮き彫りにした。
◇小規模組織、犯行か
テロの一報は、ブッシュ大統領がホワイトハウスから同時テロ5年のテレビ演説を行った数時間後に飛び込んだ。大統領は対テロ戦争により「世界と米国はより安全になった」と訴えてきたが、5年前の悲劇の記憶を新たにした直後のテロ発生は、米国を狙ったテロの脅威が今も減じていないことを鮮明にした。
米国では、攻撃の形態からしても国際テロ組織アルカイダなど有力テロ組織の犯行ではないとの見方が出ている。小規模な組織の犯行であれば、イラク戦争などを契機にイスラム社会に広がる反米感情の高まり▽アルカイダなどの反米思想に影響されたテロのすそ野の拡大--を裏付けることになり、
対テロ戦争が内包する矛盾を露呈することになりそうだ。
今回のテロでは、シリア治安部隊の対応で米側被害は最小限に抑えられた。ライス米国務長官は12日、訪問先のカナダで「誰の犯行かを判断するには時期尚早だ。(テロが)成功しなかったことに感謝する」と語り、シリア治安部隊への謝意を表明した。
事件の真相は今のところ不明だが、米国が「テロ支援国家」と名指しするシリアで起きた今回のテロは、対テロ戦争の主戦場である中東で有効な対策を取る難しさを突きつけた。
◇イスラム原理主義組織の犯行、目立つ
米国の在外公館などを標的にした襲撃事件は、80年代まで地元の過激派によるものが多かったが、90年代以降は国際テロ組織アルカイダや、その影響を受けたイスラム原理主義組織による犯行が目立つ。
イラン革命から間もない79年11月に起きたテヘラン米大使館占拠事件は、ホメイニ師を支持する学生たちが14カ月にわたって大使館員を人質に取った。レバノン内戦下の83年4月にベイルートの米大使館で起きた爆弾テロは、親シリアのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラによるものだった。
96年6月にサウジアラビア東部ダーランの米空軍基地が襲撃された事件や、98年8月にケニアとタンザニアの両米大使館で起きた同時爆破テロでは、ウサマ・ビンラディン容疑者が率いるアルカイダの関与が指摘された。
00年10月に米駆逐艦がイエメンのアデン港で爆破された事件では、アルカイダのメンバーが逮捕されたほか、04年12月にサウジアラビアの米総領事館が襲撃された事件でも、アルカイダ系とみられる組織が犯行声明を出した。
02年と今年3月にパキスタン・カラチの米総領事館で発生した爆弾テロでも、アルカイダの関与が疑われている。【成沢健一】
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◆米国の在外公館などが襲われた主な事件◆
1979年11月 イランで学生たちが米大使館を占拠、14カ月にわたり大使館員を人質に
83年 4月 ベイルートの米大使館爆破で約60人死亡
10月 ベイルートの米海兵隊司令部などに爆弾を積んだトラックが突入、約300人死亡
12月 クウェートの米大使館などに爆弾攻撃、4人死亡
84年 9月 ベイルートの米大使館別館に爆弾を積んだ自動車が突入、10人以上死亡
96年 6月 サウジアラビア東部ダーランの米空軍基地で車爆弾が爆発、米兵19人死亡
98年 8月 タンザニアとケニアの両米大使館同時爆破テロで計230人以上死亡
00年10月 イエメンのアデン港で米駆逐艦コールに爆弾を積んだボートが突入、17人死亡
02年 3月 リマの米大使館付近で自動車爆弾が爆破し、9人死亡
6月 パキスタン南部カラチの米総領事館前で車が爆発、11人死亡
04年12月 サウジアラビアで武装グループが米総領事館を襲撃、9人死亡
06年 3月 カラチの米総領事館前で車が爆発、米外交官ら4人死亡
毎日新聞 2006年9月13日 東京朝刊
【ワシントン12日時事】
シリアの首都ダマスカスで起きた武装集団の米大使館襲撃事件で、スノー米大統領報道官は12日、「シリア当局者は米国人を助けるために駆け付けた。米国は襲撃犯追跡でのシリアの支援に感謝している」と述べた。
米政府はシリアをテロ支援国家に指定、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラに兵器を提供しているなどと再三非難しており、テロ事件をめぐる協力での謝意表明は異例。
(時事通信) - 9月13日1時1分更新
最後に提示したCNNのサイトが、日本の報道よりは沈着冷静な印象を受けますね(長いのでリンクだけですが・・・)
米国政府の発表の基本は「現段階で、犯人及びその背景を特定するのは早過ぎる」というもので、これは実行犯が実際にイスラムテロリストであるのか又は違った意味合いを持ったテロリストに似せた者達の犯行なのかは現段階では判断出来ない・・・ということでしょう。
毎日は、”わざわざ”過去に発生した米国の在外公館が標的となったテロ行為を上げているにも関わらず、その原因が「米国の中東地域での対テロ対策の難しさ」みたいな評価を下したいかのような書き方は少々ピントがずれている・・・
実は「テロ対策」の難しさを最も理解しているのは当の米国(軍)なんですね、その理由は「確固とした意思を持ったテロリストがKamikaze attackを仕掛けて来た場合、その攻撃をほぼ100%阻止する手段が無い」からに他ならないからです。
(いわゆる自爆テロもそうですが暗殺等も同様です)・・・更に、テロの実行の全てはテロリスト側にある為に、予測自体も実質不可能であることは先進国の都市部で行われた数々のテロ行為からも明らかです(英国での逮捕はそうした意味からも劇的なモノであったということが出来ます)
・・・っと、まぁ、こうした在り来りな話が今回の米国大使館へのテロに通用するのか?は(現段階ではですが)在り来りな話からであっても少々、首を傾げたくなる訳です。
自爆テロ(自動車に高性能爆薬を積載して大使館へ突入する)が、米国施設へのテロ行為としては最も成功の確率が高い訳です(実際、これ迄もそうした形態のテロ行為がほとんど)が、今回は犯人がシリアの治安部隊と小銃を使用した銃撃戦になってしまった・・米国に対しては自爆テロを辞さないテロリストが?
自爆覚悟で突入してくる自動車をシリアの治安部隊も小銃だけで阻止することが出来た?突入者の支援要員が突入を阻止されたので銃撃戦に打って出た?何キロの爆薬を搭載していたのかは不明ですが突入を阻止された車両の爆発で何処も破壊されていない(ように見えますね、苦笑)?・・・
(インドネシアで発生した豪州大使館を狙ったテロでは軽トラックに搭載された200k程度の爆薬で、数十階建てのビルの最上階迄のガラスが吹き飛ぶんですが・・・)
事件が発生したのが”Syrian Arab Republic国内である”・・・ということを考慮するなら、辻褄が合わない訳ではなくなるんですが・・・・
失敗すると分かっているテロ行為を実行”させられる”人間に何のメリットがある?・・・・という意見も確かにあるでしょうが、シリア政府(内務省かな?)と政治犯と称されて拘留されている人間にとっては例え失敗してもメリットは十分にある。
シリア政府にすると、テロ支援国家と名指しされ、ヒズボラ支援や、レバノンでの要人暗殺(約30名)、など等からの非難を薄める上でも、シリアはテロ対策を例え(憎っくき)米国大使館へさえも、万全な対策を講じているとアッピールすることが出来る。
(実際、ライス国務長官からも"I do think the Syrians reacted to the attack in a way that helped to secure our people, and we very much appreciate that," U.S. Secretary of State Condoleezza Rice said while visiting Canada.・・・といった言説を貰っている訳で)
実行犯にされた(なった?、まぁどっちでもいいですが)側には、運良くシリア治安部隊に”逮捕”されたなら晴れて自由の身にしてやろうじゃないか?っと唆せば劣悪で人権意識の欠片もない拘禁生活から逃れる可能性が僅かでもあるのであれば、乗らない手は無い。
再度、言いますが、”Syrian Arab Republic国内である”・・・シリア政府が何も知らない、関与出来ないような状況でこうした事態が発生することは、シリアが自由主義陣営に加わることと同じ位に起こり得ない・・・・
何せ、シリアですから・・・・
2006/9/12 New cabinet:パレスチナ レバノンにおけるヒズボラの動向からすると、ハマスだけがあの地域で孤立する恐れが出てくるので、こういう方向性にならざる得ないでしょうね・・・
【エルサレム=三井美奈】
パレスチナ自治政府のアッバス議長は11日の声明で、ガザ市でハニヤ首相と会談し、「数日内に挙国内閣の組閣に着手する」ことで合意したと発表した。
内閣を率いるイスラム原理主義組織ハマスの報道担当者も、合意の事実を認めた。
議長は、自身が率いるファタハやハマスなどパレスチナ各派が参加する新内閣を樹立することで、ハマス内閣の発足で停止された米欧の対自治政府援助再開をめざしている。
議長報道官は同日、「48時間以内に議長は現内閣を解散し、新首相による組閣作業が始まる」と述べた。自治政府筋によると、アッバス議長はハニヤ首相の続投で合意している。
(読売新聞) - 9月12日1時23分更
【エルサレム樋口直樹】
パレスチナ自治政府のアッバス議長は11日、イスラム原理主義組織ハマス最高幹部のハニヤ自治政府首相との間で、ハマス単独の現政府に議長の支持母体の旧主流派ファタハが加わり統一政府を樹立することで合意したと発表した。
穏健派議長を擁するファタハの参加によって孤立化していた自治政府の国際社会への復帰に弾みがつく可能性が出てきた。
アッバス議長はハニヤ首相とパレスチナテレビに出演。「統一政府の政治課題について最終合意した。数日以内に組閣を始めたい」と述べた。議長筋によると2日以内に現政府を「暫定政府」とする議長令が発せられるという。
先にパレスチナを訪問したブレア英首相は「中東和平4者協議(米欧露と国連で構成)の要求項目を満たす(ファタハとの)統一政府は、国際社会との提携再開の可能性を提供すると信じている」と述べ、統一政府の樹立によってパレスチナ支援の再開もあり得ることを強く示唆していた。
イスラエル外務省報道官は、統一政府が▽イスラエルの承認▽パレスチナ武装組織に拉致されたイスラエル兵の解放--の条件を満たせば「和平プロセスの新たな契機を創造することになる」とロイター通信に語った。
毎日新聞 2006年9月12日 東京朝刊
ブレアp.m.がパレスチナを訪問しているようですが(イランとのヒズボラ回収交渉の仕上げを退陣する花道にパレスチナでの和平交渉再開を実現するのが目的だとは思いますが・・・)ハマスにしても背に腹は代えられない(公務員の給与が半年以上未払いで抗議デモが発生している現状等)
・・・と言うのが本当のところでしょうか。
このブログで前に「レバノンは中東アラブの一員である」とシニオラがアラブ外相会議の席上で泣きをいれるパフォーマンスは書きましたが、この中東アラブの一員であるとする表現自体が実は「パレスチナ」がこの地域で孤立することを意味している証拠として
ヒズボラは(欧米の理屈はともかく)中東世界で「中東最強(?)のIDFと互角に戦った!」っと評価を上げてしまったのに対して今回の戦闘の元々の元凶であるハマスは今一つ耳目を集める迄に至っていない(主役を採るどころか蚊帳の外的な存在になってしまっている)。
政権政党の責任の重さや、イスラム法だけでは解決しきれない現実の問題を現状のハマスの力量では正直如何ともしがたくなっている(暫定とかに関係なく独立国家としては租制度を作り上げない限り国家運営等不可能な訳で)のに加えて、元々パレスチナだけに限ったローカル色の強いハマスとしては
イスラム内での国際派でもあるヒズボラとの違いを明確にする上でも単独内閣ではなくファタハとの合同内閣によってパレスチナの独立を勝ち取る戦略を選択することは「行政に関する無能さ」を曝け出してしまう前に組織の延命を図る上で重要だと判断した結果ではないかと考えられる訳です。
他のBBSでもちょっと書いたように、ハマスが対イスラエルのジハード組織である分には戦闘被害に遭った住民に対する金銭的な保証程度で済んでいたモノが一旦政権政党となるとパレスチナに根強い現実的な個人主義に真正面から向き合わなくてはならなくなる。
パレスチナの一般住民からすると、選挙で安定多数を選出して政権政党にしたにも関わらず、自分達の暮らしは一向に改善しないじゃないか!っと言う問題にハマス単独では全く解決策を見出すことが出来ない・・・・
ジハード用の武器弾薬の補給や戦闘被害保障に必要な金額と国家運営に必要な金額とではそもそも桁が違うでしょうし、如何に石油収入で潤沢な資金を持っているとは言いながら暫定自治区ではあっても一つの国家体制を運営可能な資金をイランが拠出出来るはずもないですし、
それこそ、万が一イラン丸抱えで財政資金を確保しようものなら国際社会からの非難は言うに及ばすハマス自体がその評価をパレスチナ内部で低下させてしまう。
(イランにした所で、国内の失業率等を考えると莫大な金額をパレスチナにつぎ込むこと等思いつきもしないでしょう・・・)
今後の展開としては、ハマスがその憲章上の問題から、イスラエルが言う所の”武装解除”にはヒズボラと同様に応じるとは思えない(ヒズビラの手法をコピーする訳ですが)ので、積極的にファタハとの合同内閣に参画することで
パレスチナ自治区での”自治軍”的な役割を担う方向性を採用するならば・・・・イスラエルに対する攻撃は「占領地区内に留める」という民族和解文書の文言を正当化し(イスラエルからの脅威に対抗するという名目で)ハマスの存在意義は担保される。
(故アラファトがイスラエルから非難されていた事柄に自治区内での治安維持活動が脆弱だ!というのものがあった)
この部分がヒズボラが決してレバノン国軍に合流出来ない(幹部だけの話ですが)立場であるのと決定的にハマスが違う性格の組織である所以でもあるんですが・・・
オルメルトはこうした方向性の中でどういう立場を確保出来るか?っと言うと余り大したモノを得られるとは思えない。
散々、国際社会から批判され、ヒズボラとの戦闘でも完全な勝利を得られなかったばかりかヒズボラの評価を逆に上げてしまい、合同政権が出来て交渉が再開されて拉致されたイスラエル軍兵士が返還されたにしても、それは危機意識が薄かった下級兵士を取り戻したに過ぎない。。。。
徹底的にやらないのであれば・・・・いや、いやイスラエルはそこ迄あの地域では大国でも最強でもないことを今回は暴露してしまっている。
オルメルトの罪はかなり重いモノになるでしょうね・・・・
2006/9/5 Seyyed Mohammad Khatami in U.S.A. Seyyed Mohammad Khatami前大統領の米国入国が実現しました・・・・
【ニューヨーク共同】
イランのハタミ前大統領は米国を訪問し、イリノイ州で2日開かれたイスラム教関連の集会で演説、対テロ戦に重点を置く米国の外交政策がテロを誘発していると批判した。
国連総会出席を別にすれば、米国が80年にイランと断交して以降、訪米したイランの最高位級の要人。
ハタミ前大統領は演説で「米国はテロと戦っていると主張するが、それがテロの激化と暴力を引き起こしている」と指摘し、米国が覇権確保と権勢拡大を追求していると批判。「そのような態度が世界中、特に中東における米国に対する憎悪の拡大につながっている」と述べた。
AP通信によると、米政府は8月29日に査証(ビザ)を発給し、前大統領は同31日に米国入りした。
毎日新聞 2006年9月4日 東京夕刊
■ イラン前大統領 米外交を批判(NHK Online 04/09/2006:リンク切れ)
イランのハタミ前大統領は、アメリカとイランが26年前に国交を断絶して以来、イランの要人としては初めて、国連本部があるニューヨーク以外の地域を訪れ、中西部のイリノイ州で2日、イスラム教徒の市民団体を前に講演を行いました。
ハタミ前大統領はこの中で、「テロとの戦いを掲げている今のアメリカの外交政策は、かえって世界中でテロや暴力を招いている」と批判しました。その一方で、問題の根本には西洋諸国に広がっているイスラム教徒に対する誤ったイメージがあるとして、アメリカに住むイスラム教徒に対して、
ほかの宗教や文化を持つ人々との相互理解と対話を積極的に進めるよう呼びかけました。イランの核開発問題をめぐっては、アメリカがイランへの制裁を主張して緊張が高まっていますが、この時期にアメリカが改革派のハタミ前大統領の入国を許可した背景には、
国際社会に譲歩の姿勢を見せないイランの現政権に対するけん制の意味が込められているという見方もあります。
NHKの報道にある
という部分は他のメディアでは省略されているようなんですが・・・・(苦笑)
現在の所、米国(欧州、UNも)にイランとの間で唯一と言って良い「話し合いが可能な窓口」はハタミ前大統領しか残されていないのではないか?っと思われるので、米国も最終的にはVISA発給を認めたのではないでしょうか?
欧米では”改革派”という評価のようですが、僕が彼に持つのはイスラム圏には珍しい「愛国者」という印象です。
イスラム革命前夜迄のパーレビーも確かに愛国者ではあったと思いますが、その手法は「洋服の着用を国民に義務付ける」等の手法がイラン(ペルシャの伝統や文化を否定した性急な欧米化として捕らえられてしまった伝を踏まないように
モノカルチャーから脱却出来ないイランを「イランとして先進国と互角な立場にする」ことを目指したのがハタミさんだったのではないか?っと思うからです。
彼の言説の中には現在のアフマディネジャドのような訳の分からん強硬な言葉は存在せず、例え
であっても、いわゆる行間から「どうすることがテロの激化と暴力をなくすことが可能なのか?」を示唆する雰囲気が伺えます。
このブログでも何度か書いていますが、イスラム的に最も理解しやすい理屈は
っというものです(僕は、それを”統治者の慈悲”という表現を使っていますが)。
圧倒的な力を持つ者は、その圧倒的な力を躊躇無く発揮もするが最大の慈悲深さも併せ持っている・・・そうした存在には何の抵抗も無く共存が可能でしょうし、協力するこも又可能になる・・・
彼の一貫したイスラム史観からは(イランのことですが)7世紀の呪縛からイスラムを解き放つことが出来るのはイスラム自身であるとする明確なコンセプトがあるのですが、それは原理主義でもジハード主義でも決してなくお互いの対話からそれは生まれるのだとする
柔軟性が強く感じられが故に米国の最大強者としての力の発露が間違っている・・・っと発言することが出来る(彼の著書である”文明の対話”でも同様の趣旨が語られています、いわゆるハッチントンの文明の衝突とはスタートする概念:価値観:が違いますから
文明の線引きが明確過ぎる的な批判は妥当とは言えないでしょう)
彼のイメージ(理念)の中には「イランが核保有国」になることは必ずしも含まれてはいないだろう・・・っと思えてならない。
なぜなら、欧米的で堕落した物質文明を声高に非難するアフマデネジャドがその非難する欧米物質文明の代表的な存在と誤解する原発を持つことがイランを中東の大国(覇権思想を持った)に又は国際社会で対等な立場に立てる(核クラブに参加する)切り札だと
自己矛盾していることに目を瞑っているのを十分に把握しているふしが散見されるからでもあるのです。
しかし、現在の彼の祖国イランでは彼が現職大統領時代に苦労した「宗教評議会」の存在が未だ健在であり、全てがイスラム教儀から説き越され数十%を超える失業率をその教義と祈りからだけでは救えないことを証明してしまってはいるのですが・・・
現政権を声高に非難して”追い込んでしまう愚”だけはしてはならない・・・・それはイランを存亡の危機に陥れるのを同じことになってしまうからだとも考えられます。
彼を米国への入国を許可した理由が、上記報道にあるように
っという思惑が本当に米国政府が持っているのなら・・・・それ余りにも稚拙で愚かしい思惑でしかないと言っても過言ではないでしょう(中東問題の高級専門家やシンクタンクの存在意義が泣くというものです)。
彼はイランの未来を考えているのであって決して米国や欧州の味方でもないですし、親米でも親欧でもないのですから・・・・
参考迄に
BookReview”世界の宗教・政治”より
モハンマド・ハタミ『文明の対話』(共同通信社、2001年) 著者は、イラン・イスラム共和国の現職の大統領である。その著書のタイトルが『文明の対話』であることに違和感を感じる読者も少なくないだろう。イランといえば、1979年パーレビー朝を打倒してイスラム政府を樹立したイラン革命、
その後、パーレビー国王を保護するアメリカに抗議した学生によるアメリカ大使館人質事件、『悪魔の詩』の著者ラシュディ氏に対するホメイニ師の死刑宣言など、過激な宗教的政治活動をくりひろげるイスラム「原理主義」国家というイメージが強い。
しかしながら、近年は穏健派の勢力が台頭しつつある。ハタミ大統領は、法の支配の確立、言論の自由の推進、文化活動に対する帰省の緩和を次々に打ちだし、若者や女性の圧倒的な支持を集めている。これに対し、保守派も激しく抵抗しているが、
さきごろの6月の大統領線では、ハタミ氏は77%の得票率で圧勝し、再選を果たしている。
ハタミ大統領は、対外緊張の緩和を重視し、1998年の国連総会において「文明の対話」の重要性を訴える演説をおこない、1999年には、イスラム大国の指導者としてははじめてローマ法王と会談し、文明の対話を具体的に推進する姿勢を見せた。
2000年には、イラン革命後初の大統領来日を実現させ、東工大において講演している(本書収録)。国連はハタミ大統領の演説を受けて、2001年を「国連文明の対話年」としている。
「文明の対話」というキャッチフレーズが意識しているのは、「文明の衝突」である。日本でもベストセラーになったハンティントンの『文明の衝突』(集英社)によれば、冷戦後の世界は、宗教や民族を機軸とする「文明」同士の衝突に入るとされる。
これはアメリカの外交リアリズムを如実に反映した見方である。ハタミ大統領が「文明の対話」を訴え、諸外国との関係改善をすすめればすすめるほど、対イラン制裁措置を解かない世界の警察アメリカの特異性が目立ってくるだろう。
以上のような言行によって注目されてきているハタミ氏であるが、その氏が折りにふれておこなった講演を収録したのが本書である。一読して驚かされるのは、それが政治家の演説というよりは、学者の講演に近いということである。
ハタミ氏は、神学、哲学、教育学、法学を学び、革命前まではドイツのイスラム・センターの所長を務めていた。年齢的にもまだ五十代であり、最近の哲学・思想の動向をきちんと押さえている。
一方で、現代思想やポストモダニズムの西洋批判、近代批判を参照しながら、西洋近代文明を相対化し、他方でそのニヒリズム的な側面を批判して、解釈学的な伝統概念に依拠しながら、イスラムの伝統を再解釈し、生き直してゆくことを要請する。
これは明らかに、アメリカのメディアいうところの「原理主義」とは異質な姿勢である。
著者ハタミ氏は、イスラム政治思想のなかの専制主義・権威主義、および植民地時代以後の独裁主義に対抗するものとして、イラン革命を特徴づける。しかし革命後、一部の無政府主義者に対抗するために、自由を敵視する勢力が出てきてしまった。
これでは専制や独裁への対抗という革命の原点に矛盾する。もちろん、すべての国家に無理やり当てはめられるような「自由」のモデルがあると考えるべきではない。イランにはイランに合った「自由」の探究の仕方があり、それを見つけることが重要でる。
さらに、著者は、社会的調整の技術におけるイスラム文明の後進性を自覚すべきだと考える。イスラム社会の現実的諸問題を解決するためには、西洋近代的な社会制度とイスラムの伝統を対立させ、過去に回帰するのではなく、かといって宗教を捨て去って西洋化するのでもなく、むしろ神学こそが進化してゆくべきである。
革命は、権威主義に安穏とする聖職者の手から取り返されたイスラムが、果たして現実的問題に答えられるかどうかの試金石としてとらえ返される。こうした革命観をハタミ氏は、ホメイニ師の発言を引用しながら巧みに組み立ててゆく。
アメリカよりの読者は、ホメイニ批判が出てこないことに転換路線としての不徹底さを感じるかもしれない。だが、国内の保守派につねに牽制されながら、国民の期待に答えるべく政治的転換を全うしようとする現職大統領の、すぐれた政治的感覚を読み取るべきところだろう。
このような姿勢は単なるバランス感覚から出てきたものでもない。伝統に深く精通することで伝統を内側から突破しようとする長年の学的研鑽にも裏打ちされているようである。
神はまず個人の実存に対して語りかける。社会の法は神によって語りかけられた諸個人が連帯して生きるために必要なものとして、そのつど制定されてゆく。政府は市民に奉仕する召使いである。宗教の違いと言われるものは、神に対して応答してゆく社会の位置する時代や場所の特殊性による。
厳密には、文明と宗教は分ける必要がある。文明は人間の必要性に対する答えの蓄積であり、生成や衰退、危機と再生のダイナミズムのなかにある。しかし、宗教は時代や場所、文明すらも超越するものである。
時代と場所に限定された特殊な教えと、宗教そのものは、これまで混同されてきたが、区別するべきである。宗教とは、永遠なるもの、普遍的なるものを求める人間の問いに対して答えることである。
それゆえ、古いイスラム文明が消滅しても、イスラムという宗教は、新しいイスラム文明を生みだすことが可能なのである。
さらに、文明とはそもそも他の文明との対話のなかで生成してくるものである。現に、イスラムにおいては「文明の対話」の伝統がある。これをこそ復興させねばならない。イランは、東と西の結節点にあって、対話の推進者としての使命をになう。
とりわけ現代世界の諸問題、家族の危機、自然の危機、科学の倫理問題について、相互に学びあうために、対話を開始しなければならない。
著者の対話の哲学は、来日時の講演においてもっとも深められる。日本の仏教や神道、とりわけ禅仏教のなかにあるある種のグノーシス主義的な直観は、イスラム神秘主義に通じるものがある。そこに、西洋哲学における、人類の心的斉一性の理論と、
言語共約不可能性の理論のどちらにもくみしない第三の立場を見いだすことができる。仏教における無や空の直観と、イスラム神秘主義における鏡像としての世界の対象化、このような、現実の非実体性を認識する静かなる境地のなかで、「聴く」こと。
経験に身をさらすこと、それを通して語るということ、そこにおいて非存在から存在が生まれてくる。対話の原点はこの沈黙の経験にある。それは著者によれば、言語の限界を自覚したところで、なおかつ聴くこと、身をさらすこと、それを通して語るということである。
補うならば、このような姿が、他者(神を範型とする)に開かれた、対話することによって生成する存在としての人間の、本来的なあり方としてとらえられているのであろう。
まさしく希有な「哲人王」というべきハタミ大統領が、イランの人々をどのように導いてゆくのか、かたずをのんで見守りたい。ただ現時点でたしかに分かること、それは、その国内における結果の成否にかかわらず、氏の打ちだした対話の理念は、われわれが聴き、応答しなければならないものであるということだ。
(堀江宗正) 彼のオフィシャルウェブサイトもご紹介しておきます・・・下手に英語ではない所が潔い、好感の持てるサイトです。 Official website of Mohammad Khatami
2006/9/4 Revival from war・・・What?:アフガニスタン他 やはり、何処か欧米先進諸国、UN(国際社会)は自由・民主化に関する大きな勘違いをしているように思えてならないのですが・・・・
【ニューヨーク3日時事】
国連の薬物犯罪事務所は3日までに、アフガニスタンのアヘン栽培面積が昨年に比べ約6割も急増したとの報告を発表した。イスラム原理主義勢力タリバンが栽培を奨励、資金源にしているとみられ、生産量の急増はタリバンの活動をより活発化させる恐れがある。
(時事通信) - 9月3日17時0分更新
アヘンの作付面積が昨年に繰れべ約6割も急増した・・・・正確には25%増加し13万ヘクタールになり、史上最大の収穫量を更に更新する勢い・・・ということなのですが。
実はこうした事情になるのはちょっと冷静になって考えてみると何も不思議なことではないことが分かります。
つまり、70年代末の旧ソ連の侵攻以来20年以上戦乱が絶えない訳ですが・・・・元々アフガニスタンはそれ以前から最貧国の一つだったことです。
旧ソ連との戦争、タリバンとの内戦、米国主導のタリバンとの戦闘(アル・カイダも含まれる)・・・っと大きく3種類の戦争を20年以上行い(早い話が、戦争以外のことは何もやっていない)タリバン政権崩壊後突然カルザイ政権が出来て
その政権をUNをはじめ国際社会が”復興支援”する・・・・一体、何を?旧ソ連侵攻以前のアフガニスタンに戻す(復興ですから)ことが目的?・・・・っと言うことはもう一度”最貧国にする”って言うことなのでしょうか?
アフガニスタン国民からしてみると「復興された結果」が以前と同様の貧困なのであれば、イスラム教の教義で禁止されていようがなんだろうが、ケシ栽培でもしないことには間尺に合わない!
(カルザイ政権と比較するのは当のカルザイさんには申し訳ないですが)ハマスもヒズボラも実は政権政党となるべくの行政能力が根本的に欠落していることが大きな問題であることを国際社会は認識する必要があるのです。
前ログでも書いているように、現在、ヒズボラに支持が集まっているように見えるのは単に「金のばら撒き」と「宿敵イスラエルを相手に約1ヵ月半も持ち堪えた」というだけの話でレバノン南部の地方自治を中央政府に先駆けてしっかりと確立して
経済発展を確実にし、租税制度の整備から社会的インフラの拡充を実施してレバノンのどの地域よりも住民の収入や暮らし向きが良くなった・・等という話はついぞ聞いたことが無い。
レバノンの無責任で果てしない内戦の結果、当のレバノン政府にさえ当事者能力があるとは思えない状況であるからこそ、ヒズボラが南部で国家内国家と呼ばれる程に地方自治を確立して中央政府もそのヒズボラの行政手腕を手本にするしかない・・・訳がない。
ヒズボラはイラン系シーア派の武装組織であって行政組織ではないのです(本音では経営する気など全くないのに、株主の利益を向上を訴えてTOBを挑む某ファンドと似たり寄ったりでは?)
ハマスさえも同様で、穏健派だろうが強硬派だろうが、せっかく高まった自分達への支持を米国、EU、ロシア、国連との対話開始等の政治的な力に転換するだけの現実志向を持っていない(ハマス憲章の呪縛と穏健派も強硬派も反イスラエルであることには代わりがない)。
彼ら自身にレバノンもパレスチナも”どのように復興してどのような存在にするのか”のヴジョンが無い上にそれらを具体化する政治能力+行政能力も無い(一般的な国民にそれを求めてもどだい無理な話で・・・・)
カカシさんのブログでは「せっかく選挙が出来たのだから~」ということが書かれていますが、このブログで何度も書いているように一般国民に「将来(それも自国の)を見越した選択を求める」ことは超個人主義であるが故に自分達とは全く関係の無い世界の話で
指導者、統治者がその職責としてしなくてはならないこととしか認識されていないのですから、非難した所で始まらない。
復興する・・・何をどうやって、そしてその結果、一般国民が得られるモノは?誰が真剣に且具体的に考えて実行しようとしているのでしょうか?
2006/8/30 Arabic method-II:Nasrallah and Hizbullah's true intention? 最近の傾向は、アラブ外相会議でのシニオラのパフォーマンスがそれ相応の効果をあげていることを示しているようです。
【ベイルート共同】
レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師は27日放映された地元テレビとのインタビューで、現状ではイスラエルとの戦闘が「第2ラウンドに向かうことはないだろう」と指摘、当面は戦闘停止継続を支持する姿勢を鮮明にした。
ヒズボラが拉致したイスラエル兵2人の解放交渉に向けた接触が始まったことも明らかにした。
また、イスラエルとの今回の大規模な戦闘は想定外だったとし、分かっていれば戦闘のきっかけとなった7月12日の越境攻撃と兵士の拉致は「絶対に行わなかった」と語った。
毎日新聞 2006年8月29日 東京朝刊
【パリ福井聡】
レバノンのシニオラ首相は29日、仏紙ルモンドなどに「レバノン南部に展開しているレバノン軍は現地で大量の武器を回収している」と述べた。首相は「ヒズボラから回収」とは明言していないが、レバノン政府はこれまで「武器回収は任務外」としており、回収を確認したのは初めて。
同紙によると、首相は「我々はヒズボラの敵ではないが、武器の存在は容認できず、発見次第、回収している。ただし友好的な対応で」と述べた。現地軍事筋は同紙に「レバノン軍はシリアからの陸路での武器搬入を遮断することに全力を尽くしている」と解説している。
毎日新聞 2006年8月30日 11時15分
先ず、ナスララの発言ですが・・・いわゆるレバノン南部での非戦闘員(一般住民)向けに加えて、レバノン政府(シニオラ)及び周辺アラブ諸国向けのモノであることは明らかですね。
つまりナスララは「ヒズボラはイスラエルと本格的な事(戦闘)を構えたくて、イスラエル兵を拉致した訳ではない、イスラエルが”過剰な”反応をしめしたので、やむなく応戦した迄だ」という姿勢を示したい訳です。
非常にこの方法は中東的(敢えて)で、シニオラ(レバノン政府)が「レベノン軍はヒズボラの敵ではない!」といち早く表明したことへの”儀礼的な返答”だと考えられます。
つまり、レバノン政府は敢えてヒズボラを非難も敵対もしない代わりに(ちょっと賞賛さえしてみせた)ヒズボラも周辺中東諸国やレバノン政府の意図を汲んで穏便な南部からの撤退の実行をヒズボラ指導者として表明したとするのが妥当でしょう。
カカシさんのブログで「ヒズボラがイスラエル兵拉致の誤算を認める理由」では”何を今更として端からナスララの言うことなど信用ならん”っとなっていますが、僕はカカシさんのブログ内で紹介されているThe daily Starの記事の以下の部分がヒズボラ側がかなり譲歩した証拠ではないか?っと思いますね。
特に1.の”inside Lebanese territory”という下り・・・この表現は(原語ではどう表現したか不明ですが)ハマスが蹴った「民族和解文書」の中で使われた「イスラエルへの攻撃は占領地内に限る」という文言と基本的には通じていると考えられます。
つまり、レバノン国境を越えてイスラエル側に於けるイスラエルへの攻撃はしない(レバノン内”のみ”での戦闘)・・・ということはイスラエルの存在を認める方向をヒズボラが採用した(民族和解文書は正に、攻撃、反撃する”場所”を特定することでイスラエルの存在を認める・・・という方針の文書だった)
と考えても良いようです。
次に2.の”We will support the Lebanese soldiers and facilitate their role”ですが、前ログの中の報道記事の中でレバノン軍はヒズボラの武装解除の為に南部へ移動する訳ではないことをレバノン政府筋は明言しているにも関わらずヒズボラはレバノン国軍のどういう任務を
「サポートする」と言っているのかです。
これは、たぶんに、ヒズボラは武装解除もしなければ、国軍に吸収されることもしない、つまりレベノン政府の正式な(国軍の)活動には参加することはないが、国軍の周辺中東諸国や国際社会(UN)への面子を考慮してヒズボラ撤退時に
”残された武器の回収”が可能になるようにサポートする・・・・・・っという、まぁ~非常に持って回った表現ですが意味的にはそういうことでしょう、その結果、上記報道の2番目にある”事実”をレバノン政府は発表することが出来るようになった・・・・・
此処で、注目すべきは、やはりヒズボラはレバノン南部から撤退する方針を固めたことでしょう・・・どのような武器をレバノン国軍が回収したか?は定かではありませんが、今回のイスラエルとの戦闘で使用したカチューシャロケット等の大型兵器やRPG等も
当然、補給が切れた時点で単なるガラクタですから、小銃系の武器だけで(それなりの在庫はあるにせよ)南部に居座り続けることは、イスラエルからの再攻撃の危険が高まるばかりか、レバノン国内でも武装組織としてのヒズボラの存在感を低減させてしまう訳ですから
武装解除されて国軍に吸収される=ヒズボラという組織の解体に繋がるので、最低限の武装を保持したまま南部から撤退する・・・・南部以外のレバノン国内でヒズボラの再拠点化が可能な地域は存在しないので・・・結果的にはイランへ向けて撤退するしか道が残されていない・・・ことになるのです。
こうした方針によって事実ヒズボラがレバノン南部から撤退してしてしまうと・・・・今度はハマスがあの地域で完全に孤立してしまう事態になる訳ですが・・・イスラエルは今後どのような方針でこれら一連の事態に対処しようとするのでしょうか?
ヒズボラはアラブ式の”名誉ある撤退”を受け入れる形で、自分達の面子もレバノン内での評価も一定のもモノを残すことが出来る手段を手に入れた上に、イスラエルの現政権を倒すことも出来たというお土産迄獲得する可能性があるのに対して
一方の当事者であるイスラエルは、オルイメルトが躍起になってヒズボラ殲滅を狙ったのにも関わらず拉致兵士の奪回も徹底的な打撃もヒズボラに与えられないまま国連決安保理決議1701に応じてしまった訳です・・・・・
余談ですが・・・・セクハラ事件なんてのが、この時点でイスラエル国内で問題になること自体が実は非常に不思議なことですね
敢えて電波与太を言わせて貰うなら(笑)、今回のイスラエルのレバノン攻撃の指揮を執ったオルメルト首相以下の閣僚を軍事的作戦失敗の責任を取らせると同時にスキャンダルも併せて完全に更迭してしまうことで「オルメルト首相”時代”の失敗した軍事作戦」として終わらせてしまうことを目的にした
英国MI6+米国CIA+モサドの合同謀略・・・・ってなのはどうでしょうかね(ははは)
いずれにせよ、イスラエルはどうも分が悪過ぎますね・・・・その証拠にC.アナンが何時にも増して余裕綽々なのがその証拠でしょうか・・・・
参考迄に
2006/8/24 Arabic method イスラエルの思惑とは別に、レバノン周辺諸国の反応はアラブ方式に向かいつつあるようです。
■ シリア 国際部隊の展開に反対(NHK)
シリアのアサド大統領は23日、アラブ首長国連邦のテレビの番組に出演し、イスラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラとの停戦合意を受けた今後の対応について答えました。この中で、アサド大統領は、停戦の監視に当たるため、
今後増強される国連の平和維持部隊をレバノンとシリアの国境沿いに展開させるよう、イスラエルが求めていることに対し「主権を侵害する敵対行為であり、部隊が派遣されれば国境を閉鎖せざるをえない」と述べ、派遣に強く反対する考えを示しました。
イスラエルが両国の国境沿いへの国連部隊の派遣を求めているのは、ヒズボラに対するシリアからの支援を封じる狙いがあるためとみられ、アサド大統領としては、これに反対の姿勢を示すことで、イスラエル側の出方をけん制したものとみられています。
■ ヒズボラ兵士の国軍吸収を(NHK)
ヨルダンのハッサン・ビン・タラール王子は、アラブ諸国だけでなく欧米にも人脈を持ち、広い視野で中東情勢を分析することができる指導者の一人として知られています。ハッサン王子は、26日から京都で開かれる「世界宗教者平和会議」に出席するために来日したもので、東京でNHKのインタビューに答えました。
この中で、ハッサン王子は、中東では、強大な軍事力を持つイスラエルと渡り合ったとして、ヒズボラの指導者のナスララ師を英雄視する傾向が強まっていると指摘しました。
そのうえで、ヒズボラの武装解除は、困難が予想されるため、レバノン情勢を安定させるためには、ヒズボラの兵士をレバノン国軍に吸収することが現実的な解決策だとの考えを示しました。
また、中東地域では、レバノンでの戦闘を受けて反米や反イスラエルの感情が強まり、イスラム教のシーア派とスンニ派が接近する傾向も見られると指摘しました。
ただしイラクでは、シーア派とスンニ派の宗派対立が高まっており、「内戦をさけるためには宗教の役割を制限することが必要だ」と訴えました。
シリアが国連の平和維持部隊をレバノン・シリア国境に派遣することに反対して
・・っと発言したのは、前ログでも書いているように、イランの「亡命者受け入れ表明」を受けてヒズボラの幹部がシリアを抜けてイランへ”撤退”することを前提条件としているはずですから、レバノン・シリア国境への国連平和維持部隊の展開は容認出来ない。
故に「国境を閉鎖せざるえない」・・・っというシリア流の(弱い)恫喝をアラブ諸国へ示した・・・本来なら、平和維持部隊をシリア国境に展開するならシリア軍を対峙させる・・・ってのが筋なんですが「国境を閉鎖する」という発言は
レバノンからシリア国境を抜けて来る(であろう)ヒズボラ幹部をシリアは国境封鎖という手段で『レバノンから”出さない”』っと言う意味になる。
イスラエルが望んでいるようにシリア国境に平和維持軍を展開してシリアからレバノン国内のヒズボラへの支援を断つことが目的ならアサドが言う「国境閉鎖」は形式上は願っても無い状況になるにも関わらず先手を打ったようにシリア側から国境閉鎖と発言するのは
レバノン内に未だに居るヒズボラをレバノンから出さないことで紛争の種を取り除く手助け等シリアはしないぞ!っということでしかない訳です。
どの程度時間が掛かるか?は別にして国連平和維持軍のレバノン・シリア国境への展開は、レバノン南部への展開とは時間差を付けてヒズボラ幹部がイランへの入国を確認出来た”後”で行うのが最も妥当な方法でしょうね・・・
(どういう方法で確認するか?は結構難しいとは思いますが・・・トルコ、イランへのチャネルという意味で英国がその確認役をすることになるのでしょうけど)
こうした情勢の中で、このニュースには相当な期待が持てるのではないでしょうか・・・
[ワシントン 22日 ロイター]
イランのハタミ前大統領が22日、来月ワシントンで講演するため米国への渡航ビザを申請した。ただ国務省は、同前大統領の入国を認めるかどうかまだ決定していないとしている。
講演は9月7日にワシントン大聖堂で行われるもので、国務省スポークスマンは匿名で「きょう、イラン前大統領から入国ビザ申請を受けた」と述べた。
同スポークスマンは、政府がビザを発給するのかとの質問に「われわれはいかなるビザ申請についても、発給の有無について事前に推測しない」と述べた。
訪米が実現すれば、1979年のイスラム革命で両国の国交が断絶して以来、イランの要人としては最高レベルの人物の訪米となる。
(ロイター) - 8月23日12時2分更新
(アフマディネジャドに代わってから、ハタミさんの動向が非常に静かだったので気にはなっていたのですが、今年2月にクアラ・ランプールの国際会議に出席したのを見て一安心しましたが)・・・現時点でのイラン側の要人で欧米との外交チャネルを維持出来るのは
このハタミさん”しか”いない、っと言っても過言ではない訳ですから、核開発問題にしろ今回のレバノン難民を受け入れるにしろ彼が重要なメッセージを携えて来るのはまず間違いがない、っと考えられます。
ヨルダンのハッサン・ビン・タラール王子の発言は前ログで僕が書いた「ヒズボラをレバノン国軍に吸収する」という案を実際に周辺アラブ諸国が持っていること明らかにした訳です。
但し、ヨルダン・ハシェミット王国(Hashemite Kingdom of Jordan)の微妙な立場がありますから、実際にヒズボラがレバノン国軍に中途半端な形で参加するのは将来に渡ってかなりな不安材料になり得ますから、完全に”吸収”されてくれないと困ることになってしまう。
(実は王子が言う程「現実的な解決方法」では無い訳ですが、そうでも言っておかないと国内のパレスチナ難民の動向が不透明になってしまう・・・)
で、此処で注目されるのはヒズボラの以下のような活動に関するニュースです。
【カイロ18日時事】
レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラは18日、イスラエル軍の攻撃で住宅を破壊された住民に対する援助金の支給を開始した。AFP通信などが伝えた。
自宅を完全に破壊された家族は、1年間の家賃と家具代として米100ドル紙幣で1万2000ドル(約140万円)を支給されたという。
(時事通信) - 8月19日7時0分更新
【ベイルート高橋宗男】
イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが、イスラエル軍の攻撃で自宅を失った市民に対する支援活動を本格化させている。同組織の指導者ナスララ師は停戦が発効した14日に「1年間の住宅賃料と家具購入費の支給」を表明。
既に一部市民への支払いが始まっており、ベイルート南郊のヒズボラの拠点ハレトフレーク地区の登録所では18日、市民数百人が登録作業を行った。
ハレトフレーク公立高校に設置された登録所の受付には、同地区の大きな地図が張り出されていた。全壊したビルは赤く塗られ、番号が振ってある。市民は住宅登録証や電気代の支払用紙など、居住していた「証拠」を示し、ヒズボラ担当者からの連絡を待つ。
担当者による現地確認の後、「全壊」と「損傷」のいずれかに振り分けられ、援助金を受け取る段取りだ。
ヒズボラによる支援業務は停戦発効当日の14日に始まった。ハレトフレークなどベイルート南郊4地区の住宅支援業務を統括するウサマ氏(38)は各世帯への支援金額の詳細に触れるのを避けつつも「全壊の場合、4000ドル程度が妥当な額だろう」と語った。
同氏によると、住宅への次は商業店舗や車の補償。さらに倒壊した建物の建設へと進む。こうしたばく大な費用の裏にはイランの支援があるとの見方が一般的だが、ウサマ氏は「イスラム社会全体からの寄付金が原資になる」と反論した。
政府に先んじて住民への補償を本格化させるヒズボラに対するシーア派住民の支持は極めて厚い。5階建てマンションの1階に4部屋の住居を所有していた電気技師、ナビルさん(47)の一家7人は現在、ベイルート市内の女子高校で避難生活を続けている。
「家はがれきの中。支援金を受け取ったらすぐに転居先を探す」と言うナビルさんの横で、妻のナジュワさん(43)は「家もきっと元通りになる。私たちの財布からお金を出すつもりはありません」と話した。
毎日新聞 2006年8月19日 東京朝刊
総額で幾らの復興支援金をヒズボラが拠出しているか?は両方の記事共に不明ですが全壊で4,000ドル~1万2,000ドル程度ですからかなりな額になるでしょう・・・中東では(第三世界でも)こうした直接的な金銭のばら撒きは先進国が考える程
ヒズボラへの確固たる支持を住民側が持つことはほとんど無いと言って差し支えないので(ヒズボラ側は統治者としての慈悲としてイスラム的な職責でやっているに過ぎませんし、受け取る側も統治者が施さなくてはならない当然のコトとして認識しているだけで
ヒズボラに対する精神的な親近感や支持等とは別次元の反応なので、あたかもこうした行動でヒズボラが非戦闘員である一般住民から絶対的な支持を得られているかのような記事は実は妥当なモノではありません)これだけ高額な直接的な金銭の支出には別の意味を考えられます。
ヒズボラでもイランでも彼らが忌み嫌うアメリカのドルがあれば武器の補充は如何様にもなる訳ですが、此処に来て相当な額をヒズボラが復興支援に支出することは、今回の戦闘で消耗した武器の補充を当面は行わないことの意思表示ではないか?っと思われる訳です。
更に何度かこのブログでも書いているように「直接的な金銭のばら撒き」と主権国家の責任政党としての「行政」は全く違います(ハマスも同様に)。
如何に原油高騰に支えられたイラン・マネーであっても原資は無限ではありません(世界中のムスリムからの寄付であっても同様です)。
こうした、非戦闘員の一般住民には非常に物理的で分かりやすい方法が何時迄も続く訳がありませんから(一般住民にはそんなことは知ったことじゃないですが)当然、レバノン国軍に吸収されて且レバノンの正当な政治団体化すると言う事は
国家運営(地方運営)に責任を持たなくてはならなくなってしまうのですが、ヒズボラに政治部門が存在するとは言ってもヒズボラ本来の設立趣旨は「イスラエルに対するジハードを実施する武装戦闘組織」である訳ですから
内部での権力調整機関としての政治部門という機能だけで主権国家の責任政党になり得る訳ではありませし武装戦闘組織しての機能優先でレバノン国軍内部での実権を握ろうにも前ログで書いているようにそう簡単ではありません。
(ヒズボラの本意としては、レバノンの正当な政治団体等になるのは面倒くさいことを背負い込むだけですから・・・)
イラン側への難民(?)として撤退するにしても、ジハードを戦う武装戦闘組織としてイラン国内に入国する以前にイランから支援された資金の大部分を抱えてはちょっと入りづらい(何せ、バリバリのイスラム教国家ですからねイランは)
それに国連平和維持部隊が(腰抜けであろうが)大勢展開されてしまうと、これだけ国際社会の耳目を集めた後ですから、資金を温存して闇市場からでも武器の調達を行うことは得策では決してないですし
レバノン国内でそうした武器の補充を行うリスクよりはイラン国内での直接的な武器の補充を行った方が資金を出すイランにしても都合が良い・・・位は判断出来る。
(ヒズボラの武装解除とは武器を補充する為の手持ち資金を無くすことであって、今現在手にしている武器を捨てることではありませんから)
イラン側も実は、将来的にヒズボラがレバノン南部に居座って、イラン系シーア派勢力の武装戦闘組織としてイスラエルとの戦闘を継続することは核開発を推進する上でもその関係性がバレバレなので外交的に(国連でも)妥協する(させる)余地を無くしてしまう可能性が出てきてしまう。
(イラン的には今回の紛争の一方の原因でもあるヒズボラを自国内へ吸収することで国際社会へ”恩を売る”っとも考えているでしょう・・・正しいかどうかは別ですが)
こうなってみると、どうも今回のイスラエルが実施した作戦は外交的にも軍事的にも余り上手い方法でも結果でもなかった可能性が出て来ましたね・・・
2006/8/17 Honorable withdrawal 如何に欧米(日本を含めて)中東(イスラム)の実情を理解していないか(?)の典型的なニュースを・・・
【ベイルート高橋宗男】
レバノン政府は16日の閣議で、同国南部のリタニ川以南への約1万5000人の国軍展開計画を承認した。国軍は17日早朝、南部への移動を開始した。イスラム教シーア派民兵組織ヒズボラとイスラエル軍の停戦にかかわる国連安保理決議に基づく措置。
これを受けイスラエル軍は17日未明、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に対し、南部に確保した拠点の引き渡しを本格的に開始した。AP通信が伝えた。(8面に関連記事)
同通信によると、レバノン国軍は、ヒズボラの支配地域だったリタニ川以南に約1万5000人の国軍兵士を展開させ、UNIFILも現行の約2000人から1万5000人に拡充、レバノン国軍を支援する。
ただ、最大の焦点となっているヒズボラの武装解除に関しては、なおレバノン政府内に不協和音が出ている。レバノン政府筋はロイター通信に「国軍がいかなる武装グループも排除する」と従来の政府方針を強調。
これに対し、アリディ情報相はAP通信に「国軍がヒズボラと対立することはない。
それは軍の任務ではなく、軍がヒズボラを追跡することはない」と語っている。
毎日新聞 2006年8月17日 11時35分 (最終更新時間 8月17日 12時00分)
2006.08.17
Web posted at: 11:46 JST- CNN/AP/REUTERS ベイルート──イスラエル軍は17日未明、南レバノンからの撤退を開始し、リタニ川南方地域の半分を国連レバノン暫定軍(UNIFIL)に引き渡したと発表した。UNIFIL部隊は現在2000人前後だが、国連安保理決議に従い、最終的には1万5000人が南レバノンに展開する。
UNIFILにはフランスとトルコ、マレーシア、パキスタンが参加する見通し。関係者によると、国連は2週間内に3000─3500人を「先遣隊」として増派し、レバノン国軍と連携して本格的な停戦開始活動に乗り出す。
一方、ロイター通信は17日、レバノン国軍が南レバノンへの展開を開始したと伝えた。レバノン閣僚がCNNに語ったところによると、同国閣議はイスラエル軍発表に先立ち、17日から南レバノンに1万5000人の同国軍部隊を展開することを、全会一致で承認した。
UNIFIL展開とイスラエル軍撤退を促進するための措置という。
シニオラ首相は16日にテレビ演説を行い、イスラム教シーア派組織ヒズボラの成果を称賛する一方、レバノン国軍が南レバノンに展開した後は「レバノン政府の武器以外はなくなるだろう」と述べ、南レバノンの統治を回復する意向を明らかにした。
レバノンにはヒズボラの政治部門から入閣した閣僚が2人おり、リタニ川南方のヒズボラ戦闘員について難しい対応を迫られている。シニオラ首相の関係者がCNNに語ったところによると、ヒズボラ戦闘員をレバノン国軍に合流させる案が提示されたものの、ヒズボラ側はこれを拒否した。
ヒズボラはリタニ川南方の武装解除に合意したものの、戦闘員の居住地域である南レバノンからの撤退には応じない姿勢にある。
こうしたなか、国連は16日、アナン事務総長の特使2人が安保理決議による停戦の順守状況を確認するため、17日にレバノンとイスラエル歴訪に出発すると発表。また、イスラエルのリブニ外相は16日、アナン事務総長との会談で、UNIFILが欧州諸国とイスラム諸国の混成になって欲しいとの希望を伝えた。
来週明けにはUNIFIL増派の第1陣として200人が南レバノンに到着する見通し。ただ、UNIFIL関係者は15日、現在2000人のUNIFILを1万5000人規模まで増強するには11月までかかるとの見通しを示した。
毎日の「レバノン政府部内に不協和音」とレポートした根拠が
の(一見)食い違う発言内容を上げていますが、排除することと対立することが必ずしも違う意味ではない訳でして、僕には”同じことを表現を変えて発言した”ようにしか思えない・・・
レバノン政府の本音は「イスラエルにレバノン攻撃の口実を与えるヒズボラは居なくなってほしい存在」でしかないですし、レバノン政府を庇護するアラブ諸国からしてもイラン系シーア派武装組織は消えてなくなってほしい存在でしかない(このブログでも何度か書いてます)。
レバノン政府としては、ヒズボラに居直られてその矛先がレバノン政府に向けられるのを最も危惧する訳ですから、言うなれば”穏便に”南部から出て行って貰いたいだけですから非常にアラブ式の「ヒズボラの面子を立てる方策」を採っているに過ぎない。
その一つの方法がCNNは
っと報じています。
これは別段、レバノン政府が難しい対応を迫られている・・・訳ではなく、単に
っと言う選択肢を出しているに過ぎないですし、肝心のレバノン政府(シニオラ)がそうした提案を受けてヒズボラがレバノン国軍に”参加(吸収)”する等とは全く思ってもいない。
「ヒズボラの成果を賞賛する一方~」等というのも「我々は貴方方を無視したり敵意を露にはしませんよ!」っという意味での表現であって国軍に加わらないか?という次の文言の枕言葉でしかない訳です。
前ログで「ヒズボラが政治政党になる」という方法を書いたことのレバノン政府的な具体的な方法の表明・・・っということです。
つまり、ヒズボラがレバノン国軍に参加することで「如何なる武装グループも存在しないことになって、ヒズボラがイランから供与された武器も含めて全てがレバノン政府の武器しか南部には存在しなくなる」・・・という理屈が成立することになる訳です。
実はこうした状況に持ち込むことでレバノン政府ではなくヒズボラ側が政治的にも軍事力的にも非常に難しい対応を迫られている・・・ってのが本当でしょう。
つまり、ヒズボラがレバノン政府に本格的に参加する道を選択することは、主権国家の政治組織としてイランやシリアとの如何なる関係もこれ迄のように大っぴらには取れなくなるばかりか、いわゆる秘密工作の手先等を務めようものなら
これだけ国際社会からの注目を自ら呼び込んだ訳ですから・・・その非難は確実に自分達に向かってくる、っと言うことはイランやシリアの威光を着た形での威圧的な態度もアジエt-ションも出来ななくなるでしょうし、主権国家の責任政党の立場からイラン資金を当てにも出来なくなる。
武装解除をしないままで、国軍への参加も拒否し、撤退も拒否し続けるとなってしまうと現状ではイスラエルは一部ではあっても徹底を開始し始めている訳ですから次回からの戦闘は確実にヒズボラ側から開始されることになってしまう。
そこで
・・っというセリフが出て来る訳です。
つまり、ヒズボラの面子が保てる方法で南部から、レバノンから出て行ってくれ!そうしてくれるならレバノン軍はヒズボラを追跡などしませんよ・・・ってことは撤退時にイスラエルが貴方方を暗殺するようなことも(多分)ありませんよ!
ということを表現しているに過ぎない。
(こうした段取りを踏んでヒズボラを撤退させようとしている訳ですから、当然その最終目的地はイランになりますのでイスラエルはその道中を狙ってヒズボラの幹部暗殺を行うことはしない・・・前ログで書いたように
既にイランはレバノンからの難民を受け入れる!っと表明していますから、道中をイスラエルが攻撃したりするとイラン側との全面対立になってしまう可能性が出て来てしまう・・・双方に自制を求めるようなこうした手法は何やら非常に英国っぽいですが・・・)
ヒズボラにレバノンからの「名誉ある撤退」を行わせて無事にイランへ辿り着ける為の保障をレバノン軍が責任を持って行いましょう、なぜなら、レバノン軍はアラブ諸国からの庇護を正式に受けているのですから・・・・っと、まぁ~そういう段取りなんでしょう。
肝心のヒズボラにしても「フムフム、愛いヤツよのぉ~、では余はレバノンをシオニスト共から護った!っということで軍旗を掲げて引き上げるとするかの?」となればいいだけの話でしかなくなって来る。
そうした段取りが整ってヒズボラが名誉ある撤退をすることに付いては、当然レバノン政府は国軍に参加するしないという事柄以前に主権j国家の政権政党としての行政能力を発揮することを当然ヒズボラには要求したはずです。
しかし、ヒズボラには「イラン・マネー」をばら撒くことは出来ても行政能力はハマスと同様に無い訳ですから、イランからの資金に頼らず金のばら撒き以外の行政責任を果たせる保障は全く無い・・・のでこのニュース
【ワシントン笠原敏彦】
米政府は16日、イスラエルとイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの戦闘で甚大な被害を受けたレバノンの復興で主導的な役割を果たす方針を示し、緊急的に2000万ドルの追加人道支援を行うと発表した。
報道によると、被災地ではすでにイランの資金援助を受けるヒズボラが復興活動に着手した。今後の平和構築で鍵を握るレバノン民衆の人心をつかむため、「破壊後の援助競争」が熱を帯び始めている。
ライス米国務長官は16日付のワシントン・ポスト紙への寄稿で「米国はレバノンの国家再建を十分に支援していく」と訴え、当面の人道支援額を現在の3000万ドルから5000万ドルへ増加することを表明した。
一方、ニューヨーク・タイムズ紙は同日、避難民の帰還が始まったレバノン各地での復興作業でヒズボラがすでに主体的な役割を担っていると報じた。レバノンの有力国会議員の話として、石油高騰で潤うイランは事前に、戦闘終結後の復興でヒズボラに「無制限の資金供給」を約束していたとも伝えた。
ヒズボラの指導者ナスララ師は14日の「勝利」演説で、「完全な勝利は復興とともに訪れる」と語り、約1カ月にわたる戦闘で自宅を失った人々に対し1年分の家賃や家具購入代を支給する方針を打ち出した。ヒズボラの迅速な動きは、復興局面まで見通して戦闘を始めたことを示唆する。
毎日新聞 2006年8月17日 東京夕刊
どうも米国政府は何をやっても非難されるようですが(苦笑)、米国の支援はレバノン政府に対してであって、南のヒズボラ制圧地域の住民の人心をつかむ為のモノではない訳です(が・・・そう書かれてしまうんですね、笑)
今回のレバノンでの紛争に関して米国は(イスラエルの自衛権は認める発言やイスラエルへの武器支援等はあっても)直接的な介入は全くしていない上に、シニオラがアラブ諸国へ泣きを入れたことにも全く反応しなかった。
つまり、レバノンの問題は周辺アラブ諸国とレバノンの正当な政権に任せた・・っという位置取りに終始していた。
(実際、レバノン南部でヒズボラと張り合うような格好で米国人や企業又はその出先機関が復興活動をすることに全く何の意味も存在しない、簡単に言うと「金で済むなら後は任せた」っということで、主導的な立場なんかは取りたくも無い・・・)
非常に妥当な落とし所でしょうし、レバノン政府の当事者能力からしても最善の方策だと思いますね、こうしたアラブ方式が
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