Food Crisis

 どうも、ここ最近の食糧危機・・・・原材料価格の高騰から始まって輸出規制の実施迄の一連の情勢のことですが・・・・の先行きがこれ迄と違って全くと言って良い程見えて来ない。
 
 ハミッシュ・エディ氏のブログ(ハミッシュ・エディの積ん読 国際ニュース)でも食糧危機に対するニューディールと題して取り上げているんですが、記事内容にしても実は具体的な危機解消の為の提案がなされている訳じゃないのが、この問題の根深さを証明しているんじゃないかなぁ?
 
 例えば、畜産農家が生乳を絞るのにどうして配合飼料(fodder)なるものを必要としているのか?辺りから理解しないと、こうした問題をどう解決に導けるか?がちょっと理解出来ない。

Note:
 
 人間が牛乳として飲料や加工乳にあてる、いわゆる牛乳は・・・出産した母牛が子牛に与える乳を分けて貰っている(横取りしている、っとも言いますが・・・)んですが、乳牛も哺乳類ですんで、人間と同じように出産して子供を育てる為に母乳を出すってのは母牛には相当にエネルギーの消耗を強要する行為であるのは間違いがありません。
 
 牧歌的風景的(?)な放牧状態で牛が”草”をはんでいても確かに乳は出るんですが、その量は当然、母牛の体力維持も兼ねたエネルギーを必要としますし、元々草系の食料はエネルギー効率が悪い訳ですから、せいぜい自家消費分程度のモノですし、相当数の乳牛を飼育していたとしても、そうした自然飼料で得られる生乳はご近所に配ってもおしまい・・・程度でしかない。
 
 早い話が、自然飼料では全く「営業ベース」になどに乗らない為に、搾乳量の増加が必要になり、結果的に大量の搾乳をするが故に母牛の体力維持の為にも配合飼料を与える・・・・ってな循環になってしまう。
 
 BSEが発生した最大の原因は、こうした配合飼料の中に動物性の飼料を加えてしまった結果なのは、まぁ、自明と言えば自明なんですけどね・・・・

 
 こうした傾向は何も畜産分野に限った話じゃなくて、穀物農家や米国農家、野菜農家にした所でその基本は何も変わらない。
 
 つまり、前の投稿でも書いているように農業ってのは、基本的に”自然相手の業”なので、いわゆる経済ベースに乗せる為には「歩留まり」をどれだけ低く抑えるか・・・に掛かって来る。
その地域の気候に適合した品種を人為的に作りだして、その品種を大量に作付けしたりすると、確かに歩留まりは一定のレベルを確保出来ますが、一旦、気候変動(旱魃、長雨)、病害虫が発生hしたりすると単一品種であるが故に壊滅的な大打撃を受けてしまう。
(鶏、豚等の養鶏、養豚業も同じですね)
 
 そうした自然環境から受ける被害を軽減する(根絶は不可能らしいですが)為には・・・・いわゆるケミカルなモノを使用せざる得ない。
有機農法ではケミカルなモノと比べて、歩留まりが格段に悪くなってしまう・・・・何せ、対応する側も自然なんで。。。。
(遺伝子組み換え・・・ってな手法はこうした傾向の現段階では究極なのかも知れませんねぇ・・・ぅぅうう)
 
 だったら、自然に頼らない農業を~・・・・なんてのは、根本的に現段階では成立しない。
 
 なぜなら、工場的な施設で水耕栽培を試みた所で、その施設で使用するエネルギーは何処から確保されているのか?等から始まって出だせばきりが無い。
 
 WTOが以前指摘していた食糧危機の背景には、いわゆるBRICsや途上国での人口爆発があったんですが、今回の問題となった発端は完全に「人為的な判断ミス」が存在し、そこへ(多分)地球温暖化による異常気象が重なってしまった・・・・というWTOの予測を超えたモノが存在しているのは間違いがありません。
(その最たる人為的な判断ミスは、米国のバイオエタノール増産計画ですが・・・・)
 
 米国のサブ・プライム問題からシカゴ市場のマーケットサイズを遥かに上回る投機資金を市場に存在たらしめている各国の中央銀行の犯罪ですから(笑)、水道の蛇口を閉めれば何とかなるでしょうが、こと農業に関する場合は、資金調整的な人間の小ざかしい手段では全く歯が立たない
・・・・なぜなら、ターゲットは地球ですからね。
 
 経済原則からの観点で言うなら「需要があるから供給がある」・・・・っとするなら、50億人を突破した全世界の人間と特に新興工業国たらんとする諸国家と先進国家の人間が、その食生活を根本から見直さない限りは・・・・人類の未来は相当に暗いんじゃないか?。。。。なんぞと思うんですけどねぇ
 
 

aseanpeace11 について

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